司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法親族「実子」>

問題1 認知は、認知をした父が子の出生の時にさかのぼって効力を生じさせる旨の別段の意思表示をした場合を除き、認知をした時からその効力を生ずる。○か×か?

誤り。認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる(民784条本文)。さかのぼらせる旨の別段の意思表示は不要である。【平27-20-ア改】

問題2 婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に子が生まれた場合に、夫において子が嫡出であることを否認するためには、父が子の出生を知った時から1年以内に嫡出否認の訴えを提起しなければならない。○か×か?

誤り。推定される嫡出子について父子関係を否定するには、嫡出否認の訴えによる必要があるが(民772条、774条、775条1項)、父の否認権の提訴期間は、父が子の出生を知った時から3年以内である(民777条1号)。【平27-20-エ改】

問題5 夫が婚姻後に刑務所に収容され、その1年後、いまだ夫が刑務所に収容中に妻が懐胎した子について、夫が父子関係を否定するためには、嫡出否認の訴えによることを要しない。○か×か?

正しい。夫による懐胎が事実上不可能であったと考えられる場合は、嫡出の推定が働かないので、民法772条の適用はなく、その嫡出性を争うには、親子関係不存在確認の訴えによる(最判昭44.5.29)。夫が婚姻後に刑務所に収容され、その1年後、いまだ夫が刑務所に収容中に妻が懐妊した子については、この場合に該当する。【平24-21-ア改】

問題6 婚姻の成立の日から250日後に子が生まれた場合において、当該婚姻がその後に夫の重婚を理由に取り消されたときであっても、夫が父子関係を否定するためには、嫡出否認の訴えによらなければならない。○か×か?

正しい。婚姻の成立の日から250日後に生まれた子は、推定される嫡出子であり(民772条1項、2項)、当該婚姻がその後に夫の重婚を理由に取り消されたときであっても、嫡出子たる身分は失わない(民748条1項)ので、夫が父子関係を否定するためには、嫡出否認の訴えによらなければならない。【平24-21-エ改】

問題7 認知届が認知者の意思に基づくことなくされたとしても、認知者と被認知者との間に事実上の親子関係があるときは、その認知は、有効である。○か×か?

誤り。認知者の意思に基づかない届出による認知は、認知者と被認知者との間に事実上の親子関係があったとしても無効である、とされている(最判昭52.2.14)。認知は、認知者が真実の親子関係のあることを前提としてするものであるため、認知者の認知意思が必要である。【平16-24-ウ】

問題8 嫡出の推定に関する民法の規定により夫と子との間の父子関係が推定される場合であっても、当該夫以外の男性と当該子との間に血縁上の親子関係があるときは、当該男性は、当該子を認知することができる。○か×か?

誤り。嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる(民779条)。したがって、既に嫡出の推定を受け、法律上の親子関係が存在しているときは、その実父と子との親子関係を否定した上でなければ、認知をすることはできない。【平25-21-ア】

問題9 父が胎内に在る子を認知する場合には、母の承諾を得ることを要しない。○か×か?

誤り。父は、胎内に在る子でも、認知することができる(民783条1項前段)。この場合は、母の承諾を得なければならない(民783条1項後段)。【平25-21-エ】

問題10 Aは、未婚のBがAの子Cを生んだ後にBと婚姻し、Cが3歳で死亡した後にCを認知した。この場合、準正の効果は生じない。○か×か?

正しい。父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる(民783条2項)。子は3歳で死亡しているため、直系卑属がいるとは考えられず、父は子を認知することができないため、準正の効果が生じることもない。【平18-22-5】

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