司法書士試験<過去問題肢別チェック ■不動産登記法「不動産登記制度」>
問題1 不動産登記法では、登記をすることができる権利として、所有権、地上権、永小作権、地役権、留置権、先取特権、質権、抵当権、賃借権及び採石権が、明文で定められている。○か×か?
留置権は民法上の担保物権であるが、占有をその成立対抗要件としているので、登記することはできない(不登3条参照)。 【平15-24-ア】
問題2 民法では、入会権のうち、共有の性質を有するものには所有権の共有に関する規定が適用され、共有の性質を有しないものには地役権の規定が準用されると定められているので、入会権も登記することができる。○か×か?
不動産登記法では、入会権は、登記することができる権利とはされていない(不登3条参照)。入会権は、その内容が各地方の慣習によって定められるもので、その権利の性質も必ずしも明らかでないため、登記によって公示することは適当ではないからである。 【平15-24-イ】
問題3 甲区1番でA名義の所有権保存の登記、甲区2番でB名義の所有権移転の登記(原因 売買)がされている場合、「AB間の売買契約が無効であった場合でも、CがBの登記を信頼して地上権設定登記をしたときは、特別の事情がない限り、Cは、過失がないとされる。」という記述は、登記の権利推定力の帰結として正しい。○か×か?
登記の権利推定力とは、登記があれば実体上の権利関係が真正に存在すると推定させる効力である。本問の場合は、登記の権利推定力により、Cの無過失が推定される(大判大15.12.25)。 【平8-14-イ】
問題4 「区分地上権の存続期間が満了していることが登記記録上明らかな場合でも、その登記が抹消されない限り、新たな地上権設定の登記を申請することができない。」という記述は、登記の形式的確定力の帰結として正しい。○か×か?
既存の登記の有効・無効にかかわらず、それと矛盾する新たな登記ができないとの結論は、形式的確定力からの帰結である。 【平8-14-エ】
問題5 乙区1番でC名義の区分地上権設定の登記(設定者 B)、乙区2番でD名義の抵当権設定の登記(設定者 B)がなされている場合で、「Dの抵当権の実行により不動産が売却されても、Cの地上権の登記は抹消されない。」という記述は、登記の対抗力の帰結として正しい。○か×か?
Dの抵当権が実行されても先順位の区分地上権が消滅しないのは、登記の対抗力を有しているからである。その他の消滅の要否については、民事執行法188条、59条参照。 【平8-14-オ】
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