「頭でまとめたことはノートに書いて、知識を自分のものに」 岩佐 光桂さん

頭でまとめたことはノートに書いて、知識を自分のものに

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司法書士を目指した理由

私が司法書士を目指して勉強を始めたのは、3年前のことです。弁護士事務所でアルバイトする中で、法律が紛争の武器となること、社会の中での規律となることを感じ、法律を勉強したいと思いました。また、弁護士の先生が「司法書士試験は数年勉強すれば受かるよ」という軽いお言葉をいただき、本格的に勉強を始めました。

クレアールを選んだ理由は、効率的に試験に出る範囲を勉強できそうだから、また値段的にお手頃だったからです。

甘く見ていた司法書士試験

初年度の試験結果は、インプットのみの勉強だったわりに意外と良くできていたため、試験後は油断してしまい、勉強に対する姿勢も緩んでしまいました。その姿勢が形となって現れ、あまり勉強しないようになってしまいました。

ちょうどその頃、家庭の事情やアルバイトで昼夜問わず用事があり、勉強する時間がますます減っていきました。そして、二年目の4月に入ってからやっと書式を始めるというまでに、授業に遅れてしまいました。二年目の試験では、書式が不安定であったため結果も散々で、不動産登記法では名義変更の順番を間違え、商業登記法では役員変更や計算ミスなどが相次ぎ、足切りにも程遠い点となってしまいました。

試験後、この試験を甘くみて勉強を怠った1年を悔やむとともに、この試験の難しさを実感し、いつの日か自分も受かることが出来るのだろうか、という不安で一杯になりました。しばらくの間、勉強もせずもう一年挑戦するか迷っていたころ、スタッフの方から電話があり、お話をすると、「みんなそうだよ。きっと大丈夫だよ」というお言葉を頂き、もう一年やってみようと奮起しました。3年目は2年目の反省を踏まえ、本気で今年中に受かろうと決意し、本気の勉強を再開しました。

3年目のリベンジに向けて(学習方法)

まず、2年目で大きく失敗した書式をより確実にするため、手元にある書式の問題を順番に解いていきました。間違えた箇所を何回もやる内にだんだんとミスも減るようになりました。しかし、いざ答練となると初めて見る問題に躊躇してしまいミスを連発したり、そもそも知らない知識が多かったりと、なかなか点数に結びつきませんでした。そこで、知らない知識を減らすために、択一の知識を正確にしようと書式と並行しながら択一の問題も順番に解いていきました。その際、新しい知識を忘れないようにするためにノートにとることに決めました。条文を片手に一からきれいにノートにまとめていきました。しかし、途中から、ノートをまとめているだけで頭の中に知識として身についていないこと、思いのほか時間がかかり効率の悪いことを実感し、やり方を見直そうと思いました。ノートを取るだけなのは意味が無い、と先生方がおっしゃっている言葉が心に突き刺さり、その都度頭にインプットしていこうと努力しました。

しかし、時間が経つと忘れてしまい、過去問などを調べ直すという作業が続きました。それはそれで、いつまでたっても頭に入った気がしないので、やはりノートに今まとまったばかりの知識を書き、それを眺めることも必要だと思い立ち、以前のようにがむしゃらにノートにまとめるのではなく、今度はテーマごと原則、例外を並べその上で新しい知識を追加していく、という方法でノートをとるようにしました。そうすることで、前にまとめたことも復習でき、だんだんと知識が自分のものとなってくるような気がしました。そのように、12月ごろまで登記法ばかりを勉強しました。

1月からは、残りの科目も勉強を始めました。

憲法は、昨年の復習程度に勉強し、民法はブランクのためにすっかり忘れてしまっていたので、一から勉強しました。まずは、過去問を完璧にすべく過去問を集中的に勉強しました。その際に、登記法と同じようなノートを作りながら条文もまとめていきました。できるだけ、類似点、相違点を見つけながら表にすることを心がけました。それでも、答練で初めて見る判例などには対応することが出来ず、判例をどのように身につけるか戸惑いました。4月頃でしたが、ふと判例六法を本屋で見つけ、さっそく購入し判例を読んでみました。莫大な量があり、試験まで時間もなかったため、すべてに目を通すことはできませんでしたが、暇があるときに読書感覚でペラペラとページをめくって読んだりしました。

刑法は、憲法と同じように昨年の復習程度に勉強しました。会社法は、民法と同じく忘れている部分が多かったため、一から勉強することにしました。過去問だけでなく、会社法は表にまとめることに力を入れました。条文を読み、それと関連する他の条文を読み、テーマごとにまとめながら他の条文知識を付け足していく、というような形で勉強しました。その際、以前の失敗を思い出しながら、常にノートにまとめるだけではいけないんだという意識を持ちつつ、暗記も併せてするようにしました。暗記は、自分なりの理由をつけたりノートの場所で覚えたり、かなり無理やりではありましたが、数字などはそうやって覚えました。このノートは、答練を解く上でかなり役立ったと思います。例えば、講義を聴きながらそれと関連する事項はどうだったかな、という時にノートを見るだけで確認することができたり、条文以上の知識で答練で学んだ事も書き込んであるため、条文知識と併せて判例知識を覚えることができたりしたので、試験直前にはノートを見直し、試験会場でも眺めました。

そして、私が一番苦労した科目は、民事訴訟法です。民事訴訟法は、範囲が広いわりに問題数が少なく、どの範囲まで勉強したらいいのかという線引きを自分で引くのが難しかったです。そこで、講義中に先生が「パラレルに考える」という言葉をおっしゃっていたのを思い出し、講義で出た事や条文知識を自分なりにパラレルにまとめてみて、それを中心に暗記していきました。執行法や保全法まで完璧にということは最後まで難しく、試験当日も不安でしたが、書式をやってから戻ってもう一度解いてみたら、どうにか落ち着いて解くことができました。

ノートについて

このように、最後の一年の勉強方法は、ノートをどのようにまとめるかということに悩みました。すべてをノートにきれいにまとめることは時間がかかってしまうし、頭に確実に入っているとも限らないので、そうならないようにしようと常に心に決めてノートをとるようにしました。せっかく頭にまとめたことなので、ノートに書くことで知識の定着につながるし、ノートに書き足したときに前にまとめた事も復習できるという利点もあり、知識を定着させるためのノートは役に立つと思います。

気持ちの持ちようで勉強効率は変わる

2年目では、勉強していても試験直前に覚えればいいやと後回しにしがちで、なかなか知識が身についていかず、答練を受けても無駄になってしまうことが多かったように思います。そこで、3年目の勉強を始める際に、「今年で終わりにしよう」と心に決め、自分で自分を追い込むようにしました。そうすることで、同じ勉強時間でも必死でその時間にマスターしてしまおうとするし、少しでも時間があれば勉強しようと自分から時間を作り出すようになりました。試験直前は、お風呂に入りながら、移動しながら、寝る直前に、ボーッとしている時間があれば暗記しよう、というようになりました。

2年目の試験の後、落ち込みはしましたがもう1年やってみようと思う余裕があったけれど、3年目の試験の前も後も、もうこれ以上は無理だと思いました。本気でやるということ、気持ちの持ちようの問題ですが、すべての勉強に影響する重要な源だと思います。

最後に

私が、気持ちを試験まで持ち続けることができたのは、家族や友人、スタッフの方の励ましがあったからです。私は実家で勉強していたので、母がご飯を作ってくれたり、健康を心配してくれたりしました。試験直前には、随分と母のありがたみを感じました。また、近くに住む祖母、伯父、従姉妹も、私が勉強で疲れていないかと心配してくれ、冗談を言って笑わせてくれました。叔母が亡くなったため、祖母の家で食事の手伝いをしたり、従姉妹のお弁当を作ったりすることで、気分もリフレッシュできました。そして、私を元気づけようとドライブに行ったりお茶したりしてくれた友人たちにも感謝します。遊ぶ予定があるからこそ、それまでにここまで頑張ろうとすることができ、勉強にメリハリがついたと思います。

応援してくれた方々を安心させられるよう、これから司法書士としてひとつひとつの仕事を誠実に向き合い、社会に貢献できるよう、日々精進したいと思います。

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