「ありがたかったWeb受講」岩間 俊樹さん

岩間 俊樹さん

私は大学卒業後親族の会社に勤めておりました。ですが昨今の不況の影響もあり、「なにか手に職をつけなければ今後の社会では生き残るのは難しい」、そう考え資格取得を目指すことにしました。司法書士を目指すことにしたのは、ある程度難易度が高いこと(簡単に取得できる資格では取得後の生活に不安が残るため)、合格者の平均年齢が例年31.2歳とやや高めなこと(資格取得を志したのが27歳の時であったため)、なおかつ合格者数を総受験者数の3%前後に絞って極力資格者数を抑えている、これらの条件を全て兼ね備えていたからです。

しかしながら受験生活は全く順風満帆とは程遠いものでした。この試験での合格者の平均受験回数は3回程と言われていますが、私の1、2回目の受験時の成績は箸にも棒にも引っかからないものであり、3回目も午後は基準点を上回ったものの午前があと一歩のところで足切りに遭い、結果として4回目の受験に挑むことになってしまいました。午前の択一がなぜ足切りにかかってしまったか自分なりに分析したところ、テキストと問題集を中心に勉強していたので、受験生であれば当然備えているはずの基本的な条文知識が欠けていたため、正答率の高い問題において間違えてしまったということが分かりました。

よし、これからは六法をもっと重点的に勉強するぞ!と決意を新たにした私でしたが…、ものの2日で断念することになりました。そもそもなぜそれまで私が六法をあまり重視してこなかったかといいますと、まず条文の文章そのものが難解で頭に残りづらいこと、試験に出てこないマイナーな条文にも目が行ってしまい、結果として主要条文の勉強が疎かになってしまう、といった理由からです。しかし合格するからには泣きごとを言っていても始まりません。なにか六法を勉強するのにいい方法はないか。色々と探していたところ、出会ったのがクレアールでした。

クレアールでは基本のテキストの他に、司法書士の各科目ごとに分かれた択一六法を使用しています。司法試験用の択一六法は世間にも数多くあるようですが、司法書士試験用に全ての科目が用意された択一六法というのは私がこの合格体験記を執筆している時点では、私の知る限りクレアールしかありませんでした。実際、クレアールの受講相談に行った時にスタッフの方に択一六法を見せて頂いたのですが、「これなら私の苦手な条文の勉強ができる!」と確信できる内容でした。難解な条文には噛み砕いた訳文が載っており、その他解釈の仕方、重要判例、図表、過去問、それらが司法書士試験用に最適化されているなど、通常の六法では手の届かないところまでちゃんと手が届く、素晴らしいの一言に尽きるものでした。

もうひとつ嬉しい誤算、といっては失礼かもしれませんが、クレアールで配布されている合格書式マニュアルがそれまで私の使用していた書式のひな形集よりもずっと使いやすく、記述式の勉強がとても捗りました。やや大判で文字も大きくて見やすく、内容も網羅的ではあるけれども簡潔にまとめられており、ビジュアルで頭の中に入り込んできやすい作りになっていました。余白部分も十分に備えられており、間違えやすいところなどを書き込むことによって自分だけの書式マニュアルを作る土台としては最適なものだと思います。

WEB受講という形態も、受験当時不定期の短期アルバイトを繰り返していた私にとっては逆にありがたく、決まった時間に通学しなくてはならないというプレッシャーに追われずに済みました。映像や音声もはっきりしていて何度でも見直すことができますので、どうしてもライブ受講でなければ身が入らないといった方でなければマイナス面はないと感じます。

ここからは私がどのように合格したか、について書いていきます。とはいっても、前述のように私は合格まで4回もかかってしまったので、短期合格を目指されている方たちにはなんの参考にもならないかもしれませんが、こうすれば長期合格になってしまう、という失敗談としてでもお読みいただければ幸いです。

一年目は予備知識もなく、市販のテキストと過去問を買うとともにいきなりある予備校の上級答練に申し込むところから私の受験生活は始まりました(思えばこれが最大の失敗でした)。この時の私は「とにかく試験日までにテキストを読みまくって過去問を解いて、答練で出てくる問題とやらを完全に答えられるようにすればいいんだろ?」と高を括っていました。そしていざ答練を受け始めると、そんな考えは木っ端みじんに打ち砕かれました。テキストにも過去問にも載っていない知識のオンパレード、それにも関らず高得点をたたき出す他の受験生たち…。たちまち私はついていけなくなり、当然のごとく本試験も悲惨な成績で終わりました。

2年目はさすがにまずいと思い、予備校の中上級講座に申し込むことにしました(第二の失敗、今思えば初級講座からきちんと勉強するべきでした)。この時点でも勘違いしていたのですが、「答練に出てくるような知識はきっと講座の中で教わったに違いない。だから他の人間は答練の問題が解けるんだ」という考えでおりました。合格した今だからこそわかりますが、合格者の大半は全部の肢を判断できるわけではなく、およそ6割から7割の肢の正誤だけを判断してその組み合わせによって35問中30問前後の正答率をたたき出していたのです。そして6割から7割の肢を判断する力は本当に基礎的なことを繰り返し覚えることによって培われるものだということに、2年目の試験を受ける直前になって気づきました。2年目の途中で中上級講座にはついていくことができなくなっていたのですが、本試験の直前3カ月前に改めて基礎的なことから書いてあるテキストを買い直し、そのテキストだけを読み、過去問からも答練からも離れることによって、ようやく前述の気づきに至りました。結果として2回目の本試験では、合格ラインには程遠かったものの前年の点数よりはだいぶマシな成績で、コツをつかんだつもりになっていました。

3年目は完全に独学で、それまでに使っていたテキストや問題集の反復に努めました。本試験直前に何度か模試を受けましたが、難問、奇問の多い回以外はそれなりの成績を残せたのである程度の自信を持って本番に臨みました。ですが、そこには大きな落とし穴がありました。テキスト、問題を中心に勉強していたため条文がそのまま出ているような肢を上手く判断できず、主に民法で失点を重ね、結果として午前で足切りにかかってしまったのです。午後の択一、記述はそれなりに出来た自信があったのでかなりショックでした。

4年目はクレアールの中上級講座に申込み、講座や答練をペースメーカーに使い知識の抜けを防ぎつつ、主に択一六法で条文を中心に勉強しました。この時は過去問を見返す時間が惜しかったので、自分が重要だと思った過去問の肢を択一六法に書き込み、これ以降過去問を単体で見返すことはほとんどありませんでした。ただ、こういった判断が出来たのも受験が長期にわたってしまったためという一面もありますので、重要な肢かどうか判断がつかないうちは、最初から書き込みを頻繁にすることはあまりお勧めできないかもしれません。

合格までの道程をまとめますと、本当に余計なことをしてしまった結果、4回も受験することになってしまったという感想しか出てきません。とにかくこれから勉強を始める方々には私のような道を歩んで欲しくないので、私自身がこうすればもっと短期(2回か3回)で合格することができたなあ、と考えたことを連ねていきます。ちなみに一発合格するような方たちには私ごときがアドバイスするのもおこがましい気がしますので、一発合格者の体験記を読んだほうがいいと思われます。

目次

① 1年目でやるべきことを絞り、それだけを完璧にすることで絶対的な基礎力を作る

1回で合格される方はともかく、ある程度自分が凡人だと自覚されている方は、2回目で受かることを目標として1年目は土台作りに専念されたほうがいいと思います。1回で受かるつもりがなければずっと受からないみたいな煽りかたをされる人もいますが、決してそんなことはありません。1回で合格される方は大抵謙遜して普通の人でも一回で受かるようなことを言われますが、大半の方はものすごく頭がいいか、もしくは常軌を逸した努力家であることがほとんどだというのが私の印象です。

肝心の基礎の部分ですが、テキスト(基礎的なことを重視して書かれているのが望ましい)、過去問、条文(テキストに出てくるものプラス前後の条文ぐらいでよい)、それに加えてあえて手を伸ばすのであれば市販の基本問題集ぐらいで十分です。答練はこの時点で気にする必要はありません。基礎がしっかりしていないと2年目の学習をする際に何回も後戻りをする羽目になりますので、とにかく土台を確立して下さい。

② 2年目は1年目でやったことプラスαの勉強をする

2年目以降の受験生にありがちなのが、1年目でやったことを放置して応用的な勉強に走ることです。そうするとせっかく築きあげた土台も、みるみるうちに崩れ去りますので絶対にやめましょう。

1年目の試験が終わった時点で多くの方が自分に足りないものを自覚されることだと思います。それは人によって千差万別で、民事訴訟法だったり、記述であったり様々でしょう。だからといって大きく勉強方法を変える必要はありません。ほとんどの方は本当にあと一歩のところで涙をのむことになります。ただそのあと一歩を積み増すだけで合格できるんです。ですから今までやってきたことをどうか信じて、あとほんの少しの努力を重ねて下さい。

最後になりますが、この試験は家族の支えやクレアールの先生、スタッフの皆さまのご協力がなければ合格することが出来ませんでした。心より感謝申し上げます。

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