令和3年度司法書士試験合格者インタビュー 仲山 美幸さん

仲山 美幸さん(令和3年度司法書士試験合格)
目次

司法書士試験に合格するまでの過程

清水 それでは、合格者インタビューを開始します。本日はよろしくお願い致します。

仲山 よろしくお願いします。

清水 まず、司法書士試験に合格するまでの過程についてお伺いします。世の中にいろいろな資格がある中、なぜ司法書士を目指そうとしたのか、お聞かせください。併せて、差し支えない範囲で今までのお仕事や、法律の学習経験についても伺わせていただきたいと思います。

仲山 私は以前公務員として働いていたときに、行政に関する相談を受け付ける仕事を担当していました。行政に関する相談といっても「何でも相談窓口」のような感じでしたので、相続に関するご相談や、ご近所さんとのトラブルに関する相談も多く寄せられました。そのような民事の相談が寄せられても、行政の立場からは具体的なアドバイスをすることはできず、「法律の専門家にご相談ください」というような案内をするしかありませんでした。

清水 辛くて苦しいところですね。

仲山 そうですね。「あまり役に立てていないな」という想いが強くありました。それが元となり、「自分が法律の専門家になったら、人々の悩みにきちんと向き合って、解決のお手伝いができるのではないか」と考え、まず行政書士の資格を取りました。ですが、残念ながら自宅の近くで行政書士の求人がなかったので、司法書士の資格を取ることを考えました。司法書士試験について調べてみると、やはり司法書士の資格を取ることは非常に難しいということが分かり、「自分には無理なのではないか」と感じて、当時は諦めて違う仕事に就きました。ですが、やはり「司法書士」の資格を取り、「法律の専門家」として働きたいという想いが諦められず、勤めていた会社を退職して司法書士の資格を取るために勉強を始めました。

清水 それでは法律の学習は、行政書士試験の受験の際に経験されていたという状況ですか。

仲山 はい。あとは、公務員の試験を受けたときも少し学習しておりましたので、それほど抵抗感はありませんでした。

リモートインタビュー中の清水講師

今年の司法書士試験を振り返って

清水 では、次に今年の司法書士試験を振り返っていただきます。本試験当日をどのような気持ちで迎えたか、午前の部の問題を解いた感想、午後の部の問題を解いた感想、そして本試験を終えてどのように感じたかをお聞かせください。

仲山 本試験当日の朝は、思ったより緊張しておらず、「いよいよだな」というような気持ちで迎えました。ただ、会場に到着して自分の席に座った途端に、ものすごく緊張してきて、手が震えてしまいました。試験開始時間前には勉強道具として『合格書式マニュアル不動産登記』と『合格書式マニュアル商業登記』の2冊を持って行き、それを机の上に広げて見ていたら、あっという間に試験開始時間になりました。試験が開始してからもずっと緊張が解けず、5問目ぐらいまでは問題文が頭に入らず、何回も何回も読んでやっと解答していました。しかし午前の部が終わったときは、だいぶ緊張も和らいでおり、午前の部は割とできたという手応えはありましたが、午後の部は思い出すのも辛いほど全然できなかったという印象でした。また午後の部は、時間配分も予定どおりに進まなかったので焦ってしまい、全力を出せず、試験終了後に1人で静かに泣いていました。

清水 差し支えなければ、本試験の得点をお伺いしてもよろしいですか。

仲山 午前の部が102点で、午後の部は択一式が90点、記述式が48点でした。

清水 結果的に素晴らしい得点を取りましたね。

仲山 結果オーライでした。

クレアールを選択した決め手

予備校選びのポイント

清水 では、次に予備校選びのポイント、クレアールを選択した決め手についてお伺いします。まず予備校選びのポイントですが、複数ある予備校の中から、クレアールのどこが良いと思われたかをお聞かせください。併せて、通学講座ではなく通信講座を選んだ理由をお聞かせください。

仲山 通学ではなく通信を選んだ理由は、単純ですが、自宅近くに通える学校がなかったという理由です。通信の中でクレアールを選んだ理由は、やはり受講料が他と比較して非常に安かったということが一番の理由です。そして、合格に必要な教材が全部揃っているということも、すごく魅力的でした。さらに、後から追加費用がかからないということで、最後までしっかり勉強できるという安心感がありました。

クレアールを受講した感想

清水 次に、クレアールを受講した感想を伺います。見事に1回の試験で難関といわれる司法書士試験に合格なさったわけですが、クレアールで受講して良かったところをお聞かせください。

仲山 一番良かったと思うのは、「講義の分かりやすさ」だと思います。私は本当に勉強がすごく嫌いで、講座を申し込んでからすぐに教材を届けてもらいましたが、難関資格に挑戦するというやる気がなかなか起きず、届いてから約1カ月位は教材に全く触れていませんでした。1カ月ほど経って、「さすがにこのままではいけない」と感じ、学習を始めたところ、講義が非常に分かりやすく、するすると進めることができたので、本当に講義に救われたと思っています。あとは、講義が1時間ぐらいの単元に分かれているため、自分が苦手としているところを重点的に繰り返し視聴することができ、非常に使いやすかったと思います。

通信講座のメリット

清水 次に、通信講座のメリット、デメリットについて伺います。実際に通信講座で学習を進めていく中で、このようなことが良かった、この点は利便性が高かった、そして最もよく活用した点がありましたらお聞かせください。

仲山 やはり通信講座の一番のメリットでもありますが、「自分の好きな時間に受講できる」ということが一番良かったと思います。子供の急な病気などで病院に連れていかなければならなくなり、一日のスケジュールが急に変わってしまうこともありましたが、そういったときでも空いている時間を使い、自分のペースで学習を進められたので、非常に良かったと思います。

全体的な学習方法

時期ごとの学習について

清水 では、次に全体的な学習方法について伺っていきます。まず、時期ごとの学習ですが、司法書士試験の学習は大きく分けると、学習初期段階(基本講義中心の学習時期)、学習中盤期(基本講義が終わり、過去問の学習や初めて答練を受ける時期)、試験直前期(問題演習や自身が行ってきた学習をまとめる時期)に分かれます。この時期ごとに、どのような点に注意して学習を進めたか、あるいはどのような工夫をしたかをお聞かせください。

仲山 初期の講義を受けるときは、とにかく先に進めるようにしていたと思います。ここが難しい、引っ掛かるなどというところがあっても、とりあえず先に進めるようにしていました。中盤期は過去問です。過去問は、解くときに問題に対する正誤ということだけではなく、全ての選択肢について正誤判断がしっかりできて、きちんと理解しているかを確認していました。

清水 問題の各選択肢でア、イ、ウ、エ、オとあったら、全ての選択肢の正誤を判断して、その理由付けまでしっかりと押さえているかを確認するようにしたということですか。

仲山 はい。『過去問題集』の右上のところに解いた日付を記入し、併せて、「全部の肢をきちんと正誤判断までできたときには〇を付け、そうではなければ×を付ける」というように記録していきました。×が続く問題は苦手だというのが分かるので、そこについてはもう一回テキストを見直したり、基本講義を聞いたりして復習するようにしていました。そして3回位連続で〇が付いた問題は、直前期では解かずに飛ばすなど工夫していました。また、直前期は定期的に答練や模試が送られてくるので、後回しにしないで届いたらすぐ解くようにしていました。

清水 答練や模試がどんどんたまっていくとやる気がなくなってしまうので、到着したらすぐに解いたということですね。

仲山 はい、そうです。

学習時間、学習量について

清水 次に、学習時間・学習量について伺います。時期にもよると思いますが、前述の学習初期から中盤期、そして直前期にどのくらい学習していたのか、お聞かせください。

仲山 私は、特に時期によって学習時間の変化というのはあまりなく、大体平日に一日5時間、週で25時間くらい学習していたと思います。土日は子供と遊ぶなど、あまり勉強はしていませんでした。

清水 メリハリをつけて学習をしたということですか。

仲山 そうです。

クレアールの初学者カリキュラムの活用方法

清水 では、次にクレアールの初学者コースのカリキュラムの活用法についてお伺いします。初学者コースは基本講義のインプットから始まり、最終的には直前期の答練・模試といったアウトプットで終了します。基本講義を進めていくときの学習方法や心構えをお聞かせいただきたいと思います。

仲山 先ほどの話と重複してしまうかもしれませんが、やはり講義は分からないところがあっても先に進むようにしていました。最初から深掘りするとなかなか先に進まずにモチベーションの維持が難しいと考えたので、自分でも勉強が進んでいるという実感が持てるようにするためにも、講義を先に進めるということに重点を置いていました。

クレアールの通信講座で学習を開始した直後の感想

清水 分かりました。次に、クレアールの通信講座で、学習を開始した直後の感想についてお伺いします。司法書士は難関資格の1つであるため、民法、不動産登記法、会社法等の早い段階で挫折してしまう方もいらっしゃいます。学習を開始して辛かったこと、工夫したことがあればお聞かせください。また、辛かったときは、どのようにして乗り越えて学習を続けていったか、お聞かせください。

仲山 先ほど申し上げたとおり、勉強を始める前が一番挫折しそうな状況でしたので、学習を開始してからは、講義が分かりやすいということもあり、それほど辛くはありませんでした。しかし、勉強を始めて半年ぐらい経過した頃、1カ月ぐらい入院することになりました。そのときは体調が優れず、思うように勉強が進まなかったですし、それまで勉強していた分も忘れてしまい、その時期だけは精神的に辛かったです。

具体的な学習計画の立て方と実行方法

清水 では、次に具体的な学習計画の立て方と、実行方法について伺います。クレアールのカリキュラムで学習を進めていく上で、具体的にどのように学習計画を立てて実行したか、学習計画を立てる際の注意点をお聞かせください。

仲山 参考にならず申し訳ありませんが、私は特に学習計画は立てていませんでした。学習計画を立ててしまうと、逆に計画どおりに進まない時に焦ってしまいそうでしたので、平日の自分ができるときに勉強を進めるというような感じで毎日を過ごしていました。

お試し受験について

清水 次に、お試し受験について伺います。クレアールでは合格目標年度の前年に、司法書士試験のお試し受験を勧めています。お試し受験を経てどのような感想、あるいは手応えがあったか、そしてお試し受験は、その後の学習にどのようにプラスになったかお聞かせください。

仲山 お試し受験は、私の場合は全ての科目の講義を受け終わって、その後、過去問題集を1周したタイミングでの受験だったと思います。択一式は、午前の部は基準点を少し上回るぐらいの点数で、午後の部はぎりぎり基準点に届かないぐらいの点数でしたので、難しいとは思いましたが、手も足も出ないというような感じではなく、このまま学習を進めていけば得点を伸ばせるのではないかというような手応えは感じていました。記述式は、ほとんど学習できずに受験を迎えましたので、何をどう書いたらいいのか分かりませんでした。午後の部の時間配分についても全く考えておらず、おそらく択一式で2時間近く使ってしまい、残りの1時間で記述式を解答するというような感じでした。記述式の結果は、書かなくていいことを書いていたり、記載する枠がそもそも違ったりと散々の出来でしたが、このお試し受験のおかげで、「午後の部の時間配分の重要さ」や、「解答記載上の注意などをしっかりと読まなければならない」ということを学ぶことができました。

具体的な学習方法

学習に際して自分が工夫したところについて

清水 では、次に具体的な学習方法、学習に際して自分が工夫したところについて伺います。まず、教材の利用方法ですが、司法書士試験は出題される科目が多いことから、クレアールではいろいろな復習教材をご用意しています。学習を進めていく上で、どの時期にどのような教材を利用したかお聞かせください。

仲山 『択一六法』は本当によく利用しました。過去問題集や答練を解いた後、解説を読んで復習するときに、出てきた条文だけではなく、それに関連する条文も一緒に『択一六法』で確認するようにして復習していました。また、理解が足りていないと感じたところは、テキストや基本講義の動画で復習しておりましたので、復習講義は特に利用はしていなかったです。

清水 合格体験記を拝見しましたが、「答練が始まった時期に、答練を受けてある程度得点できるけれども少し点が伸び悩んだ。そこから『択一六法』を中心とした学習を始めた」ということが書かれていましたが、この辺りについてお伺いしてもよろしいですか。

仲山 最初は、解説に出てきた条文だけをチェックするというやり方で勉強していましたが、出題回数の少ない条文が出題されたときには全然分からず解答できませんでした。そうした条文もカバーするにはどうしたらいいのだろうと考え、解説で出てきた条文に関連する条文も一緒に『択一六法』で確認する方法を行いました。やはり時間はかかりますが、関係している条文も全て確認することで全体像を理解することができ、今まで問題で扱ったことのない条文についても、出題されたときにきちんと答えられる力を身に付けることができたと思います。

清水 関連する条文まで見ることで、知識が横断的に広がっていくということですか。

仲山 はい、そうです。

過去問の学習方法について

清水 次に、過去問題集の学習方法について伺います。司法書士試験の学習ではご存じのとおり、過去問の攻略が合否に直結します。過去問をどのように学習したか、お聞かせください。合格体験記に書かれていましたけれども、過去問題集は合わせて10回ぐらい学習したということでしたが、その辺りをお伺いしてもよろしいですか。

仲山 私は問題を解くことで知識が定着するタイプだと思っていましたので、繰り返し解くことにより知識を定着させて得点に結びつけておりました。さらには、先ほどの話題と関連いたしますが、過去問題集の解説に出てくる条文のみならず、関連する条文まで『択一六法』で確認することでさらに理解を深めておりました。

清水 それから、先ほどお話にありましたように、過去問題集を何回かやって、「もうこの過去問は完璧だな」という問題は解かずに、繰り返し間違える過去問は何回も解いていたのでしょうか。

仲山 そうです。間違える過去問は何回でも正解できるまでは繰り返し解いておりました。また、難易度のランクに関わらずすべての問題を解いておりました。

記述式の学習方法について

清水 では、次に記述式の学習方法について伺います。初学者にとっては、記述式の学習に不安を持つ方もそれなりにいらっしゃいます。記述式の学習を進めていく上で注意したこと、工夫したことをお聞かせください。また、答案構成用紙をどのように使用したか、不動産登記・商業登記、それぞれお聞かせください。

仲山 記述式の学習方法は『合格書式マニュアル対応問題集』を何回か解いて、ある程度書けるようになった後に、『記述式ハイパートレーニング』の問題を繰り返し解くようにしていました。問題を解くことで「どこで間違えることが多いのか」ということを確認できるかと考えましたが、問題を解くことに集中するあまり、ひな形の暗記が疎かになってしまい全部のひな形の暗記には至りませんでした。本番では商業登記の記述で、ひな形が頭に入っていなかったために正確に記載することができませんでしたので、やはり基本はひな形を全て暗記するということが一番大事なのではないかと思います。

清水 答案構成用紙の使い方についてお伺いしてもよろしいですか。

仲山 不動産登記は、甲区と乙区で複数権利の移転などの変更があるときは、1本横に線を引いて、線の上に甲区、下に乙区というように時系列で整理して書いていました。しかし、特に複雑でない問題は、何も書かずに直接頭の中で整理をして解いていました。商業登記では、不動産登記とは異なり、毎回しっかりと線上に時系列ごとに定時株主総会のようなイベントを整理して書いていました。

学習を効率良く進めていく上で工夫したことについて

清水 分かりました。次に、学習を効率よく進めていく上で工夫したことについてお伺いします。学習を効率よく進めるために、1日、1週間をどのように過ごしていらっしゃったか、クレアールの通信講座をどこでどのように学習したか、そして音声学習の利用の有無についてお聞かせください。

仲山 私は自宅でずっと机に向かって勉強をしておりましたので、音声学習は利用していませんでした。一日の流れとしては、朝に子供を送り出し、掃除や買い物などの家事を済ませたら、その後は子供が帰ってくるまでは机に向かって学習をするというような流れです。効率良く進めようという意識は特段ありませんでした。

苦手科目、苦手分野の克服法

清水 では、次に苦手科目・苦手分野の克服法についてお伺いします。学習を進めていくと、例えば民法の何々の分野が分かりにくくて辛かった、会社法のイメージがつかみにくかった、記述式の何々に戸惑いがあったなど、苦労したことがあったかと思います。このようないわゆる苦手となりそうな分野、あるいはご自身が苦手と感じた科目や分野をどのように克服したかお聞かせください。

仲山 私は少し会社法が苦手で、その中でも特に組織再編の分野がとても苦手でした。

清水 多くの方が苦手にしている分野ですね。

仲山 組織再編の分野は消滅会社に交付する対価の制限や、簡易合併の要件などの覚えることが多く、難しいと感じていました。講義を視聴すると分かった気になってしまい、いざ問題を解いてみても解けないというような状態でした。しかし、組織再編は択一式でも記述式でも、どちらでも問われる可能性があると考えましたので、苦手なままではいけないと思い、単語帳を自分で作り学習しました。他にも数字で暗記しなければいけない株主総会の決議要件などの覚えづらいところも一緒に単語帳を作り、ご飯を作っているときや隙間時間に見るなど活用していました。しかし、単語帳を作ること自体に非常に時間がかかってしまいましたので、テキストに記載している表や『択一六法』などをうまく利用した方が時間短縮できたかなと思います。

清水 単語帳とは、小さい単語カードのようなものですか。

仲山 そうです。小さいものなので字も小さくなり見えづらいと思いますが、単語帳をぺらぺらめくって隙間時間に一問一答のような形で学習していました。

清水 例えば「株主総会の特別決議の要件は」と表に書いて、その裏に答えが書いてあるというイメージですか。

仲山 はい、そのとおりです。

清水 小さい単語帳は、隙間時間に見やすいかもしれないですね。

仲山 そうですね。途中で終わっても学習に支障はないので、5分でも空いたらチラっと見るようにしていました。

仲山さんが使用していた単語カード
仲山さんが使用していた単語カード
仲山さんが使用していた単語カード
仲山さんが使用していた単語カード

答練や模試について

清水 では、次に答練・模試についてお伺いします。初学者は答練で思うように問題が解けず、得点が伸びないと答練の問題を解かなくなり、答案を提出しなくなってしまう方もいらっしゃいます。答練を解くときの心構え、注意したこと、工夫したことや返却された答案・個人成績表の活用方法をお聞かせください。

仲山 答練は、まず解いた直後に解説を確認して復習するというのはもちろんですが、答案や個人成績表が返却されたタイミングでもう一度復習するようにしていました。

清水 もう一度問題を全体的に解くということですか。

仲山 そうです。一定期間がたった後にもう一度解くことで忘れてしまったことも思い出し、知識の定着が図れると考え、そのように利用していました。個人成績表の順位や正答率などは、ほとんど見ていなかったと思います。

清水 順位や正答率は気にされていなかったということですか。

仲山 はい。「見ても仕方ないのかな」という感じでした。あとは、私は本番で非常に緊張してしまい、自分の力を全て出し切れなかったと感じておりますが、日頃の答練を解くときからしっかり本番を想定した緊張感で臨むことが出来れば、本番の緊張も和らぐと思いますので、これから受験される方はそのようにしていただきたいと思います。

清水 答練は本試験のつもりで受けるということですね。

仲山 そうです。

午後の問題の解き方について

清水 次に、午後の部の問題の解き方についてお伺いします。午後の部は3時間で択一式問題35問と、記述式問題2問を解かなければならないので、必然的に時間との勝負になるという要素があります。午後の部の択一式問題をどのように解いたのか、時間配分はどのように考えていたのか、そして今年の本試験ではどのような時間配分で問題を解いたのか、お聞かせください。

仲山 問題を解く順番ですが、私は記述式の商業登記に苦手意識がありましたので、まずそれを最初に解いて、次に択一式、最後に記述式の不動産登記という順番で解いていきました。時間配分の予定は記述式にそれぞれ55分ずつ、択一式はマークミスがないかの確認も含めて1時間10分としていました。実際は、記述式の商業登記が予定よりも早い50分程度で終わりましたが、そこで油断をしてしまい、択一式に1時間20分程度かけてしまいました。さらにマークミスの確認もできていませんでしたので、ものすごく焦ってしまい、不動産登記は最後の問まできちんと読むことができずに終わってしまいました。

清水 では、時間が少し足りませんでしたか。

仲山 足りなかったです。

清水 択一式の問題は、第1問から順番に解きましたか。

仲山 はい、順番どおりに解きました。

清水 この午後の部の問題を解く順番は、本試験の傾向を分析した上で、自分に一番合っている方法を見つけたということでしょうか。

仲山 記述式の基準点は、例年満点70点中の半分くらいだと思いますので、そこまで完璧に書けなくても良いかなと思いました。逆に択一式は、問題の難易度にもよると思いますが、得点できていないと基準点(足切り)にかかってしまうので、間に択一式を持ってくることでしっかりと得点でき、焦らなくていいように、この順番で解いていきました。

モチベーションの維持について

清水 分かりました。次に、モチベーションの維持について伺います。司法書士試験だけでなく、1年を超える学習期間が必要な難関資格の学習を継続していくことは、心身ともにきつい点が多々あります。学習を進めていく中で、もし挫折しそうになったことがあればどう乗り越えたか、あるいは、こんな工夫や気分転換を図ったということがあれば、お聞かせください。

仲山 学習を進めることはそれほど苦ではありませんでしたので、挫折しそうになったことはあまりありませんでした。しかし、やはり勉強を続けていくと飽きてしまうので、そういうときは家族に「もう辞めたい」と口に出して愚痴をこぼしていました。そうすると、家族は「じゃあ、もう辞めたらいいよ」と言うので、私は逆に「いやいや、辞めない。頑張る」というような感じでやる気を出していました。あとは、平日のみ勉強をし、土日はリフレッシュしておりましたので、それもあってうまく勉強を続けられたのだと思います。

清水 では、最後にこれから学習を開始する人、現在学習を行っている方へのアドバイスをお願いします。まず、見事に一発で合格なされたわけですが、一発合格の秘訣は何でしょうか。

仲山 秘訣は私の学習法というよりも教材ではないでしょうか。クレアールの教材自体が、非常に効率良く学習を進めることができるツールとなっていると思います。私の勉強法は、「基本講義を受けて」、「過去問や答練を解いて」、「解説を見て『択一六法』で条文を確認する」という3ステップでした。この勉強法で合格できたのは、そもそも講義や過去問題集の解説、『択一六法』の超訳や表などのこの3点が非常に分かりやすいということがあったからこそ、私の勉強法で合格できたと思います。

清水 仲山様の勉強方法は、合格体験記にもありましたが、基本的には、まず過去問や答練を解く、そして解説を確認する、そして出てきた条文、それからその関連条文を『択一六法』で確認する、この作業を繰り返すということでしたよね。

仲山 はい、そうです。

清水 この勉強法は、過去問と条文を中心とした基本に忠実な学習方法だと思います。その基本に忠実な学習法を継続して学習したというところが、一発合格につながったのではないかと思いました。では、これからの抱負をお聞かせください。

仲山 研修後に司法書士事務所で働かせていただけることになったので、そこでしっかりと実務経験を積んで、人々の悩みや相談を解決できるような司法書士になれるように頑張りたいと思います。

令和4年度司法書士試験合格を目指す方へのメッセージ

清水 最後に、来年司法書士試験合格を目指す方へのメッセージ、伝えたいことをお聞かせください。

仲山 司法書士の試験というのは、本当に諦めずに続けていけば必ず合格できるものだと思うので、これからも諦めずに学習を続けて、合格を勝ち取っていただきたいと思います。

清水 分かりました。本日はありがとうございました。

仲山 ありがとうございました。

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