2017年司法書士合格者インタビュー 宮根 久美子さん

目次

司法書士を目指した理由

清水 それでは、一発合格者インタビューを開始いたします。まず最初に、司法書士試験に合格するまでの過程についてお聞きします。世の中にいろいろな資格がある中、なぜ司法書士を目指そうとしたかお聞かせください。併せて、差し支えない範囲で今までのお仕事や、法律の学習経験についても、伺わせていただきたいと思います。

宮根 年も重ねてきて、何か手に職をつけたいということで、司法書士を検討しました。私は現在法律事務所で働いているのですが、成年後見人をされている司法書士の方がいらっしゃいましたので、「私も何か人の役に立てるような仕事をしたい」ということで、司法書士を目指すことにしました。

今年の司法書士試験を振り返って

清水 それでは次に、今年の司法書士試験を振り返っていただきます。本試験当日は、どのような気持ちで迎えたか。午前の部の問題を解いた後の感想、午後の部の問題を解いた後の感想、そして、本試験を終えてどのように感じたかをお聞かせください。

一発合格者 宮根久美子さん

宮根 本試験当日の朝は、やるだけのことはやったのか、まだまだできることがあったのではないかということで、不安な気持ちでしたが、もう試験会場に行くしかない、寝坊だけはしないようにしようと思いながら、前日はあまり眠れなかったことを覚えています。試験会場となる教室に1番に着いてしまって、明治大学の教室の電気を私が点けました。着くのが早すぎたという感じでした。

清水 試験開始の何時間前ぐらいでしたか。

宮根 それでも1時間前ぐらいですかね。そんなに早くなかったと思います。午前の部が始まる直前に退出された方がいたのです。「もう出られませんよ」と試験官が言った時に、「受験番号を間違えた、正しい試験会場は他の教室だった」と言って退出された方がいて、何かそこで少し緊張が解けた感じで、午前の部が始まりました。

午前の部はいつもどおりというか、時間には余裕がありました。19問目の不当利得を除けば、民法はできたかなという手応えがありました。午後の部は、全く問題文の意味が分からない問題がありましたが、最終的には時間が余ってしまいました。午後の部が終わった瞬間に不合格を確信し泣きたい気持ちになりました。

清水 午後の部で時間が余ったのですか。

宮根 はい、午後の部で時間が余りました。今まで時間が余ったことはなかったので、この余った時間をどうすれば良いのか分からなくなって、焦ったまま試験終了になってしまいました。

清水 記述式の答案も全部書き終えて、それでも結構時間が余ったのですね。

宮根 はい、時間が余ったのです。今までは記述式の答案が書き終わっていないのに試験時間が終了しており、時間が余るということがなかったので、余った時間は何をして良いのか分からなかったです。帰りの電車の中では、ガックリして「今年は駄目だったな」と思いながら帰りました。

清水 あまり手応えはなかった感じだったのですね。

宮根 全くなかったです。どうしようという感じでした。

予備校選びのポイント

清水 分かりました。それでは次に、学習を開始した頃を思い出していただきたいと思います。まず、予備校選びのポイントについてお聞きします。複数ある予備校の中からクレアールのどこが良いと思われたのかをお聞かせください。併せて、通学講座ではなく、通信講座を選んだ理由をお聞かせください。

宮根 クレアールの良いと思ったところは、一番初めは他校と比較した時の受講料です。受講料が安かったのと、カリキュラムが分かりやすかったことです。合格までがすべてパックになっていたので、自分で個々の講座を選択する必要がなかったという点です。私は仕事をしながらの勉強になりますので、通学は難しいと思いまして、通信講座を選びました。

クレアールを受講した感想

清水 それでは、クレアールを受講した感想について伺います。見事に1回の受験で難関と言われる司法書士試験に合格なさったわけですが、クレアールで受講して良かったところをお聞かせください。

宮根 自分の好きな時間に自分のペースで勉強できるというところが良かったです。まずは単元1から順番に勉強していくのですが、途中からは分からないところだけを何度も反復できるというところが、良かったと思います。

清水 この部分は少し分からないから、そこの単元だけは、繰り返そうということですね。

宮根 はい、そうです。

通信講座のメリット

清水 城講師

清水 それでは続いて、通信講座のメリットについて伺います。実際に通信講座で学習を進めていく中で、こんなことが良かった、この点は利便性が高かった、そして、最もよく活用した点がありましたら、お聞かせください。

宮根 そうですね。先ほどの話と重複しますが、何回も確認ができるということです。私は講義を何回も繰り返し、繰り返し聞きました。それも標準速度と1.5倍速を選んでできるmp3がありましたので、音声だけダウンロードして、通勤時は必ず聞くような感じでした。

清水 基本講義を繰り返し聴いていたのですか。

宮根 はい、そうです。

清水 基本講義は、最初は普通に動画で視聴していたのですか。

宮根 そうです。

清水 講義動画を視聴した後に、復習を兼ねて音声を聴くようにしたのですか。

宮根 はい、そうです。復習を兼ねて聴いていました。

時期毎の学習

清水 では続いて、全体的な学習方法について伺います。司法書士試験の学習は、大きく分けると、基本講義中心の学習初期、それから基本講義が終わり、過去問の学習や初めて答練を受ける学習中盤期、そして問題演習やご自身が行ってきた学習をまとめる試験直前期に分かれます。この時期ごとに、どんな点に注意して学習を進めたか、あるいは、こんな工夫をしたということがあれば、お聞かせください。

宮根 1年間頑張って勉強しようということで、7月から勉強を開始しました。まず年内にすべての基本講義を聴き終えることを目標にして、スタートしました。

清水 基本講義の学習期間は、6カ月ぐらいですね。

宮根 結構早めな感じで進めないと、年内には終わらないということで、年内に基本講義を終えることを目標にして始めました。インプットの時期は、先生の講義などは楽しかったと言うか、特に問題なく基本講義は全部聞き終わることができましたが、学習中盤期の過去問の学習を始める頃は、過去問を解いても本当に分かりませんでした。

清水 問題がなかなか解けなかったということですね。

宮根 はい。先生も初めは「分からなくて良いから何回も繰り返してください」と繰り返しおっしゃっていましたが、初めの1、2、3回ぐらいは、もう講義の記憶がないという感じで、どういうことかなと思っていたのです。また基本講義を聴くと、先生が「繰り返してください」と言うために、繰り返しやるしかないという感じでした。直前期は、もう過去問のみをやっていたのですが、自分でも少し勉強方法は過去問を解くだけで良いのかと不安になって、このまま進めるのもどうだろうと思う時に、タイミングよく毎週答練の問題が届いたので、その問題を解いて、その復習と関連する事項の勉強を進めていました。答練や模試が毎週1回タイミングよく届いて、とても役立ったと思います。

清水 答練や模試がペースメーカーになっていたということですね。

宮根 そうですね。

学習時間、学習量

清水 では続いて、学習時間や学習量について伺います。時期にもよるかと思いますが、学習初期から中盤期、そして直前期、それぞれどのくらい学習していたかお聞かせください。

宮根 年内は、平日は3時間から4時間くらいです。土曜日・日曜日は用事があったので、あまりできなかったです。1月から2月も同様でした。3月以降は土日も休みなく、朝も早く起きて勉強していました。

清水 3月以降は、1日7~8時間ぐらい勉強時間は確保していましたか。

宮根 はい、そうですね。ほぼ毎日7~8時間くらいやりました。でも、どうしても寝てしまう時はあったので、そんなに毎日という感じではなかったですが、できる時は1日7~8時間くらい勉強していました。

クレアールの初学者カリキュラムの活用方法

清水 それでは続いて、クレアールの初学者カリキュラムの活用方法についてお聞きします。初学者コースは基本講義から始まり、最終的には直前の答練や模試というアウトプットで終了します。基本講義を進めていく時の学習方法や心構え、直前期の答練や模試の利用方法や注意点をお聞かせください。

宮根 基本講義を視聴する時期は、先生のおっしゃるとおりにやっていただけです。特に気を付けるということはありませんでした。講義が終わったら自分なりにまとめるということはしましたが、とにかくスケジュールどおりに、カリキュラムに沿って講義を視聴しました。

清水 まず学習初期段階は、しっかり講義を聞くことを心掛けたということですね。答練・模試の利用方法や注意点は、何かありますか。

宮根 答練と模試は時間を計ってやるということが、とても大切だったと思います。

清水 きちんと試験終了時間になったら問題を解くのをやめていたということですね。

宮根 はい、そうです。

清水 それは重要なことだと思います。

宮根 答案構成用紙を下書きみたいにして、もうあと答案に書くだけという時でも、試験時間終了になったらその時点でやめてしまっていました。ここまで書けたということで区切るのはいいですが、その後も少し書き続けて最後まで仕上げたほうが良かったのかとは思いました。

清水 それをやっていたおかげで、時間感覚が養えたところがありますよね。

宮根 そうですね。一番初めに問題演習を行った時は、午後の部は択一だけで2時間ぐらいかかってしまって、あとは不動産登記法の記述式の問題文を読む時間くらいしか残されていなかったです。この時は非常に焦りました。この後は、午後択一を1問3分以内、択一全体を1時間内と時間の設定をしました。

清水 少しずつ時間感覚が養われていったということですね。

宮根 そうですね。とにかく答練の問題が届いたら時間を計って取りあえず進めていくという感じでした。時間配分は答練を重ねるにつれて、できるようになっていったと思います。

清水 合格体験記を拝見して1つ面白いと思ったのが、答練で時間が来て演習時間が終了しても、すぐに正解を見ないのですね。

宮根 そうですね。記述とかは、もう少しじっくり考えると、他の解答が思い浮かぶ時があり、そうすると迷います。演習時間終了後すぐに解説を読むと、その迷う選択肢を思いつく時間がない。ですから、直感で出した解答と熟慮して出した解答が異なる場合が私にはあり、迷って選んだ最終的な解答を決定した後に、正解を見た方が自分の判断ミスを確認できることがありましたので、正解を見る前にもう一度検討しました。

クレアールの通信講座で学習を開始した直後の感想

清水 それでは続いて、クレアールの通信講座で学習を開始した直後の感想について伺います。司法書士試験の学習は、民法、不動産登記法、会社法等の早い段階で挫折してしまう方もいらっしゃいます。学習を開始して、辛かったことや工夫したことがあればお聞かせください。また、辛かった時期があった場合は、どのようにして乗り越えて学習を続けていったかお聞かせください。

宮根 学習を開始して辛かったことは、あまりなかったです。

清水 例えば、不動産登記法や会社法など、少しイメージがつかみづらいということはありましたか。

宮根 会社法の組織再編の分野については、初めはイメージすることが難しかったです。その時は、図を描いて理解を進めていきました。それでも理解できなかった時はeメールでの質問制度を利用しました。あとは、監査役の同意が必要であるとか、監査役の役割は最後まで理解できなかったです(笑)。

具体的な学習計画の立て方と実行方法

清水 次に、クレアールのカリキュラムで学習を進めていく上で、具体的に学習計画を立てる際の注意点をお聞かせください。

宮根 目指すのは司法書士試験合格ですし、暗記が必要なものが多いですから、本試験当日にマックスに持っていくようにしないといけないと思っていました。

清水 本試験当日にピークを迎えるということですね。

宮根 はい。私の場合は飽きやすく、そんなにコツコツと長い間勉強を積み重ねることができない性格ですので、年内にインプット、年明けからアウトプットということで、一応ですが、おおざっぱな計画は立てました。択一式の過去問はもちろん年内に講義が終わるたびにその講義の範囲はやっていたのですが、記述式を始めたのは年明けからでした。その時にちょっと遅かったかなと思っていたのですが、なんとか間に合ったという感じです。

清水 本試験から逆算して、大まかなスケジュールを立てて学習していったということですね。

宮根 はい、そうです。記述式は1月に不動産登記、2月に商業登記、3月からは不動産登記と商業登記を毎日1問ずつ解いていました。

教材の利用方法

清水 では続いて、学習に際して工夫したところについてお聞きしていきます。まず、教材の利用方法ですが、司法書士試験は出題される科目が多く、クレアールではいろいろな復習教材をご用意しています。学習を進めていく上で、どの時期にどのような教材を使用しましたか。実際に学習した教材、そしてご自身で作成したノートを拝見しながら、利用方法をお聞かせください。また、教材PDFデータの活用の有無や活用方法もお聞かせください。

宮根 択一六法は、条文が読みやすいように超訳が記載されていたり、暗記事項や比較とかの図表があり、普通の六法よりも、とても頭に入ってきやすかったです。あとは過去問題集が良かったです。私は先生がおっしゃっていたように、選択肢ごとに理解が深まったら正の字を5つ書く、分からない場合は点線にして、全然分からないとしていました。

清水 理解度のレベルを書いていったということですね。

宮根 はい。初めのうちは、全部分からないくらいでしたが、少しずつ理解できるようになっていきました。教材のPDFデータは、必要な箇所はテキストに書き写しはしましたが、プリントアウトはしなかったです。

清水 ノートは作成されていましたか。

宮根 ノートは1回講義を聞いた時に、その単元ごとにポイントをまとめていました。内容はほとんど条文で、条文と条文の要件・関連事項などを青いペンで書きました。

清水 まず講義を聞いて、その講義でのポイントをノートに書き、その後、過去問を解いたら、プラスの知識としてノートに付け加えていくということですね。

宮根 そうです。過去問の知識も付け加えていく感じでした。

清水 ノートはA5サイズが良かったと思ったのですね。

宮根 はい。そうです。A5サイズだと持ち運びしやすいですし、情報がうまく1ページに収まる感じでした。また私はルーズリーフ形式のノートにしていました。学習初期の頃は間違った理解で書いています。特に会社法はそうでしたが学習が進むにつれてルーズリーフだとどんどん差し替えられます。

清水 そうですね。もう完全に覚えたというところは、削っていくこともできますよね。

宮根 はい、そうです。あと工夫したのは、付箋を壁に貼ったことです。これは主に過去問を解いた時に、何回も間違えるポイントや、覚えなくてはいけない暗記ポイントを付箋に書いて壁に貼りました。壁に付箋を直接貼ることはできなかったので、ポスターに付箋を貼ってポスターを壁に貼ったという形になりましたが。

清水 付箋を見ると暗記事項が多いみたいですね。暗記事項を付箋に書いて、このポスターを家の壁に貼って、ちょっとしたときに付箋を確認していたということですね。

宮根 はい、そうです。勉強しながら、「あれ、これはどこかに書いた記憶がある」と思って、立って見にいったり、歯を磨きながらでも見ていたりしました。

清水 そういった少しの隙間時間に知識を確認するのに役立てていたのですね。

宮根 はい。このポスターを有効活用しました。

過去問の学習方法

清水 分かりました。それでは次に、過去問の学習方法について伺います。司法書士試験の学習では、ご存じのとおり過去問の攻略が合否に直結します。過去問をどのように学習したかをお聞かせください。併せて、○×テスト、定期テストの利用の有無や活用方法もお聞かせください。

宮根 特に民法に言えると思いますが、民法は積み重ねが大切で、出るポイントが大体決まっていて、何回も出るポイントがあると思います。

清水 繰り返して出ている問題が多いということですね。

宮根 はい、そうです。繰り返し出ている問題は、やっているうちに分かってきます。この繰り返し出されている問題で、○か×かはっきりしている知識を増やしていくことが大切かなと思いました。その点でWebの○×テストは、結構短い文章で、解答を聞かれているので良かったです。頻繁には使わなかったですが、時間が空いた時は使っていました。

清水 隙間時間に使っていたのですね。

宮根 そうですね。やはり重点的にやったのは、過去問題集です。過去問題集を繰り返し、繰り返しやりました。

記述式の学習方法

清水 続いて、記述式の学習方法について伺います。初学者の方の中には、記述式の学習に不安を持つ方もそれなりにいらっしゃいます。記述式の学習を進めていく上で、注意したこと、工夫したことをお聞かせください。また、答案構成用紙をどのように使用したか、不動産登記、商業登記、それぞれお聞かせください。

宮根 記述式を始めた時は、初めはもう省略して必要書類は登記原因証明情報だったら、「げ」みたいに省略していたことです。

清水 時間の節約ですね。

宮根 はい。自分で学習する時は略語で書いていました。初学の時は、必要書類を自分で分かっているという感じで良いかと思うのですが、最終的には、就任承諾書なのか、就任承諾情報、就任を承諾したことを証する書面なのか、何が正解なのか分からないです。

清水 書き方の部分ですね。

宮根 そうですね。文字が分からなくなってしまうことがありました。最後の方になると、全部正しく書いた方が良いかな、週に1回ぐらいは全部正しく一度書いた方が良いかなと思いました。答練の記述式の解答を作成するときに、就任を承諾したことを証する書面なのか、就任承諾書なのか、何と書けばいいのか分からなかったことに、初めて気付きました。取締役の就任承諾書と監査役の就任承諾書は別に書かなければいけないのか…。

清水 細かい書き方のところですね。

宮根 1つで書かなければいけないのか、1つで書いてもいいのか、いろいろ分からないと言うか、迷ってしまうところがありました。取りあえずは、そんな細かいことは気にせずに、大枠を埋めて暗記していったのは、良かったと思います。大切なのは、どんな時に、どんな登記が必要なのかということを、まず覚えることです。添付書面の書き方については、あとで修正していくという感じでした。

清水 学習の進め方としては、まず合格書式マニュアルというのがあって、その後、記述式ハイパートレーニングという応用型の問題集がありますが、大体このような順番で学習されてきましたか。

宮根 そうです。まずは合格書式マニュアル。これは最初から最後までずっと読んでいました。そして、対になっている合格書式マニュアル問題集を利用しました。その後に、記述式ハイパートレーニングの問題を解きました。

清水 合格書式マニュアルと対応問題集でひな形がある程度書けるようになって、その後、記述式ハイパートレーニングで実戦的な問題を解いていったということですね。

宮根 はい、そうです。

清水 答案構成用紙は使われましたか。

宮根 答案構成用紙ですか。とにかく日付が重要だと思っていました。商業登記で答案構成用紙に書いたのは日付と株主総会・取締役会の別、決議事項、決議要件、決議要件を満たしているかどうかを記載しました。

清水 契約日であったり、就任した日であったり…。

宮根 そうですね。あとは株主総会の日付は□で囲み、取締役会の日付は○で囲むとかですね。

清水 図とか、時系列みたいな形で書いていたのですか。

宮根 時系列で書きました。あと申請日ですよね。

清水 申請日をしっかり書くのですね。

宮根 はい。不動産登記は登記簿甲区・乙区を時系列に図で書きました。

清水 問題文のところですね。

宮根 問題文を自分に解りやすいように図にして、今回の本試験では必要なかった感じですが、一応全部書きました。

清水 図に描いて検討していったのですね。

宮根 はい、そうです。時系列に書いて検討していました。

清水 答案構成用紙は、問題によって、使ったり使わなかったり使い分けしたという感じですか。

宮根 そうですね。問題によりますが今年は使わなかったです。問題文で、問題のポイントがどこにあるのか分からなくなることがありました。聞かれていることが分かるように注意していました。

清水 問題のポイントがどこにあるか、チェックしていったのですね。

宮根 そうですね。答案の作成にあたっての注意事項は、これは重要だということで、よく読むようにしました。平成29年度の出題は、代位によって登記を申請するときは代位原因などを記載すると書いてあったのですが、代位原因を記載しなかったので、「あ、もう駄目だ」と思ったのです。普通このような注意事項が問題文にあったら、解答には書くという思い込みがあったのです。

清水 分かりました。択一式問題に書かれている○や×はなんでしょうか。

宮根 択一式問題を解く時に、マークミスをなくすために、○を聞かれているのか、×を聞かれているのかという印です。

清水 正しい解答を選べと言う問題の時には、問題のところに大きく○と書いていたのですね。

宮根 はい、そうです。○を選べばいいのか、×を選べばいいのか、はっきり書きました。
とにかく、マークミスだけは避けようと思って、最後に見直す時に×を聞かれているもので、×のところに○と書いていないかというのを確認してから、マークミスがないかを確認するという形を取りました。

清水 正しいものを選べという問題なのに、誤っているものを選んでしまうというミスを防ぐために、しっかりと工夫したということですね。

宮根 そうです。そういう正しい肢を二つ選ばなくてはならない時に、誤っている選択肢の解答をマークしてしまうミスが答練の時に何回かありました。

清水 答練の時で良かったですね。

宮根 そうですね。「あれ?」と思ったら、○を選んでいたとか。○が2つ、×も2つの時が、間違いやすいです(笑)。ということが答練でよく分かりました。

学習を効率良く進めていくうえで工夫したこと

清水 それでは続いて、学習を効率よく進めていく上で工夫したことですが、効率よく進めるために、1日1週間をどのように過ごしていたのか、そして、クレアールの通信講座をどこで、どのように学習したか、音声学習の活用の有無をお聞かせください。

宮根 私は、一人暮らしなので規則正しい生活が自分でできます。朝、毎日決まった時間に起きて、通勤は毎日1時間ぐらい早く最寄りの駅に着いて、コーヒーショップで1時間程度、過去問の勉強をしていました。平日は帰ってから3~4時間勉強していました。学習の前半の土日は、甥っこがいたので、甥っこの面倒を見るために実家に帰っていて、ちょっと勉強はできなかったですが、それがいい息抜きになったのかと思います。音声学習については、通勤時間に利用していました。

清水 先ほどもおっしゃっていましたね。

宮根 そうですね。ダウンロードして1.5倍速で最初の単元から順番に基本講義を繰り返し、繰り返し聞いていたのですが、聞くたびに基本的な事項や忘れている事項を思い出すことができて、なかなか良かったと思います。最後まで苦手だった分野は歩きながら繰り返し聞いていました。

清水 苦手な部分は何度も反復してきたということですね。

宮根 そうです。

苦手科目、苦手分野の克服法

清水 続いて、苦手科目、苦手分野の克服ということについて伺います。学習を重ねていくと、例えば民法の○○の分野が分かりにくくて辛かったとか、会社法のイメージがつかみにくかった、記述式に戸惑いがあって苦労した等があったかと思います。このような苦手となりそうな分野、あるいは、ご自身が苦手と感じた科目や分野をどのように克服したかお聞かせください。

宮根 民法では、連帯保証人や保証人のところですね。

清水 苦手な分野は、先ほどもおっしゃっていたように、繰り返し学習して、それで付箋に貼ったり、ノートに書いたりして、とにかく繰り返し見るようにしていたということですよね。

宮根 そうですね。あとは繰り返し苦手な分野の過去問を解いていました。ネットで一般的に検索にかけて、図で見るとか…。そういうのを使って調べて、それでも分からなければ、また質問するという感じですね。質問をすると回答をいただけて理解するようにしていました。苦手克服するためにはもう繰り返しやりました。

清水 とにかく、何度もやるということですね。

宮根 はい、そうです。

答練・模試について

清水 それでは続いて、答練や模試について伺います。初学者にとっては、答練で思うように問題が解けないこともあれば、点数が伸びなくて辛いと思うことがあると思います。答練を解く時の心構え、注意したこと、工夫したことや、返却された答案、個人成績表の利用方法や定期テスト、解法マスター講義の利用の有無や活用方法をお聞かせください。

宮根 どちらかと言うと答練は、わくわくしながらやった記憶があります。

清水 書式解法マスター答練で初めて記述式問題を解いたときはどうでしたか?

宮根 その時はとてもショックを受けました。あまりにもできなくて。でも解説講義を聞くと、とても単純なことのようにおっしゃっていて、そうですよね、と思いながらやっていました。やっているうちに、これは慣れるしかないなと思いました。問題文を読んで、聞かれていることを把握して、書くということですが…。

清水 あとは、先ほどお話がありましたとおり、問題を見て、なるべくマークミスを防ぐ工夫をされたり、時間配分をしっかりできるように、きちんと時間を区切ってやったというところも、工夫した点かもしれないですね。

宮根 答えが分かってから、ちょうど1週間ぐらい置いて、もう1回やってみようと思いました。

清水 きちんと覚えているかということの確認ですね。

宮根 はい、そうです。最初の頃は答えが分かっているのに、どうしても時間内に書き終わらない時が多かったのです。それで択一をもっと早く、もっと早く終わらせなければならないという意識は生まれましたね。

清水 成績表の順位や正答率は気にしましたか?

宮根 私は順位は気にしませんでしたが、返却された記述式の答案は、よく見ていました。自分の知らないうちに、略字を使っているなどのミスがありました。自分ではミスと思っていないところが、実は間違っていたというのが分かりました。

清水 ミスしたところは間違いノートなどを作成していましたか。

宮根 思わぬミスのところは間違いノートを作りました。思わぬミスは解説講義を聞きながら発見したことが多かったです。

清水 順位はあまり気にしないでいたのですね。

宮根 気にしないと言うか、気にする余裕がないと言うか、もうここで何番になっても、本試験でいかにできるかということが大切ですから。

清水 今の順位に気にせず、本試験の日に合格レベルに達していれば良いという考え方ですね。

宮根 はい、順位よりも何問できたかということの方が大切だと思っていました。

午後の問題の解き方について

清水 それでは続いて、午後の部の問題の解き方について伺います。先ほども話に出ていましたが、午後の部は択一式35問と記述式問題2問を解かなければならないので、必然的に時間との勝負という要素があります。午後の部の択一式問題をどのように解いたのか、時間配分はどのように考えていたのか。そして、今年の本試験では、どのような時間配分で問題を解いたのかお聞かせください。

宮根 私はとにかく知識があまりないと思っていたので、問題の肢を全部読んで全部解かないと不安でした。ですから、この肢が○だと思っても、午後の部は、すべての肢を1度しか読まず、次に進むようにしていました。そして肯定文か否定文なのかというところに、注意しながら急いで読んで、1問3分以内で解く、択一は1時間内、できれば50分で終わることを目指して進めました。

清水 例えば、組み合わせ問題で、アとイとウの肢で、もう答えが分かったという場合でも、エとオの肢も全部読むという感じですね。

宮根 全部読みます。うっかりミスをすることがあったのです。

清水 確かにすべての肢を見ないと、うっかりミスをすることはありますよね。

宮根 はい。まだまだそこまでの自信がなかったので、取りあえず全部の肢を読みました。私は不動産登記と商業登記の登録免許税の計算がとにかく苦手です。ですから、今年の本試験の出題はとてもラッキーでした。あまり計算をする必要はなかったのが良かったと思います。いつも不動産の1,000分の4、という時に単位を間違えたり、ミスをしていましたので…。

清水 桁を間違えたのですね。

宮根 そうですね。桁を間違えることなどもありました。今年は私にとって運が良かったのかなと感じました。私は記述式の登録免許税の計算ですごく時間を取られるのです。ですから、今年は時間が余ったのかもしれません。

清水 そういうことでしたか。

宮根 記述式の不動産登記で不動産の場合の添付書類を記号で書かなければいけない問題が多いではないですか。

清水 最近は、その傾向ですね。

宮根 これがすごく苦手で、添付書類は時間が余ったら書くことに決めていたのです。今年は時間が余ったのです。

清水 つまり添付書類は全部後回しにしたのですか。

宮根 はい、そうです。

清水 最初は空欄にしておいて、時間が余ったら書けばいいということですね。

宮根 そうです。最初は空欄ですね。最初は、登記原因証明情報はゲとか住所証明情報はJとか記号だけメモしておいて時間に余裕があれば後からまとめて添付書類一覧の中から選び記載していました。商業登記は、添付書面を1個ずつ書いていきました。例えば、登記の事由を書く欄に取締役の変更と書いたら、添付書面を書く欄に就任承諾書というように、書いていきました。役員の変更や募集株式の発行も同じ手順で書いていきました。

清水 1論点ごとに処理していく形ですね。

宮根 そうですね。そうでないと、答練の時に添付書面を書き忘れることがあったので、
印鑑証明書は何通かというのを、正の字で書いていきました。最終的には、一つずつ論点をまとめて解いていきました。

清水 分かりました。本試験では、普段解いている答練と同じような時間配分で、本試験当日は逆に時間が余ったということですね。

宮根 そうですね。

モチベーションの維持

清水 では続いて、モチベーションの維持についてお聞きします。司法書士試験だけでなく、1年を超える学習期間が必要な資格試験の学習を継続していくことは、心身共にきつい点が多々あります。学習を進めていく中で、もし挫折しそうになったことがあれば、どう乗り越えたか、あるいは、こんな工夫や気分転換を図ったということがあれば、お聞かせください。

宮根 勉強する時間は1年間と決めていましたので時間がなく常に焦りを感じつつ、必死だったのでモチベーションが下がったことはなかったのですが、挫折といえば、もうこんなことはやっていない。教わっていないと思ってノートを開くと、もうやってあったという時に、記憶喪失している、どういうことだろうとよく思ったのですが、年の近い妹がいますので、その妹と話をしていると、「忘れてしまうのは、もうしょうがないよ」と言いながら(笑)、もうやるしかないということで、もう初めの頃に学習したことを忘れるのは仕方ないと諦めましたね。忘れてもしょうがない、何度も覚えよう、若い人とは違うんだみたいに思っていました。

気分転換は、自宅の近くに公園がありますので、公園に自転車で行って、そのべンチのところで参考書を見ていたり、太陽の下で読んだりしました。過去問を解くのに飽きたときは、やはり答練や模試の問題が定期的に送られてきたことが、とても良かったと思います。

お仕事と学習の両立について

清水 続いて、お仕事と学習の両立について伺います。お仕事をしながら学習をする上で、工夫したこと、心掛けていたことなどがありましたらお聞かせください。

宮根 とにかく毎日勉強しようと思っていました。仕事は定時に終わることがほとんどなので、あまり学習の妨げにはならなくて、かえって学習できる時間に制限があるから、集中してできたということがあるかと思います。仕事をしながらの勉強というのは、特に障害にはならなかったですし、時間が限られていたからこそ継続できたのではないかと思います。

一発合格の秘訣はなんですか。

清水 それでは最後に、これから学習する人、現在学習を始めている方へのアドバイスをお願いします。見事一発合格されましたが、一発合格の秘訣は何でしょうか。

宮根 自信を持って過去問が解けるまで繰り返すことだと思います。

清水 そうですね。合格体験記を拝見して非常に印象的だったのは、「とにかく過去問を徹底して何度も解いた。正答率50%以上の問題を解くための学習に徹する」ということをおっしゃっていましたが、やはりこれは重要だと思いますか。

宮根 そうですね。試験が終わった直後は、自分は合格できなかったと思っていたので、やはり、もっといろいろな新しい判例や先例の知識を入れておいたほうが良かったのではないかなと思いましたが、結果は合格できていたので…。知っている知識・過去問を解いた過程で得た知識だけ寄せ集めた結果合格にたどり着くことができたのだと、後から分かったという感じです。私は他に参考書と言うか、他の問題集は利用していないのです。本当に使った問題集というのは、このクレアールの過去問題集だけです。他の問題集も本屋さんで買おうと思ったのですが、まだ過去問も十分に理解できていないのに、他の知識を入れても仕方がないかなと、立ち読みしながら思っていました。とにかく過去問だけやったら合格したので、これで間違っていなかったのだなと、後から分かったという感じです。

清水 過去問を徹底して、まず基礎をしっかり固めて、あまり手を広げ過ぎないということが重要ということですね。

宮根 過去問以外の分からない肢は、多分他の人もできないと考えて良いと思います。他の人が間違える問題は、間違えても、合否には関係ないということで、やはり過去問が重要だったのかなと思いました。

これからの抱負

清水 それでは、これからの抱負をお聞かせください。

宮根 これからは特別研修を受けて認定司法書士の試験を目指すのですが、最終的には、世の中はご年配の方が多くなっていますので、成年後見人や財産管理などの業務に携わっていけたら良いと思います。

最後に

清水 最後に、来年司法書士試験の合格を目指す方へのメッセージ、伝えたいことをお聞かせください。

宮根 過去問と基本的事項の知識を定着させることです。自信を持って○か×か言えるように正確に暗記している知識を多くしていくことが、重要だと思います。過去問を押さえれば、合格までいけると思います。

清水 あやふやな知識ではなく、正確な知識、確実な知識を増やしていくことが重要ということですね。

宮根 はい、そうです。正確な知識を増やしていくということが大切だと思います。

清水 本日はお忙しい中、お時間をいただきましてありがとうございました。合格者インタビューを終わらせていただきます。

宮根 ありがとうございました。

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