「仕事と勉強を両立して勝ち取った司法書士試験合格」足立 幸規さん

足立 幸規さん

目次

1.司法書士を目指した理由

同居の祖母が司法書士事務所を営んでおり、幼少の頃からその姿を間近で見てきました。その祖母も80代と高齢になり、他に後を継ぐ者がいないと感じ、大学4回生の時に、司法書士試験にチャレンジし始めました。今回が、7回目の受験となります。

1回目の受験は、何も対策することなく軽い気持ちで受験し、当然ながら不合格でした。2回目以降は、独学での限界を感じ、予備校に頼ろうと考えました。クレアールは、他の予備校に比べて受講料設定が良心的に感じたため、クレアールにお世話になろうと決めました。

2.クレアールで学習して良かった点

繰り返しになりますが、他の大手予備校に比べて、受講料が良心的だと思います。

教材では択一六法が非常に良かったです。各科目に分かれていて持ち運びやすかったですし、調べるときに見出しが使いやすく有効でした。特に、民法、会社法はよく持ち歩いて使っていて、とても重宝しました。この択一六法は、単に条文が載っているのではなく、参考書のようなつくりになっているため、自分で書き込みをして情報を補充して使うことにより、他の参考書を持ち運ぶことなく、知識の集約をすることができました。

3.クレアールで有益だったカリキュラム

前述の択一六法の他には、答練・模試が私には有益でした。郵送でやり取りができ、期日に遅れても採点してもらえたからです。答練・模試のセット価格が、他の予備校の答練・模試だけの価格と同じで、良心的な価格設定であった点も魅力でした。

4.答練の効果的な活用法

(1)択一について

できなかった部分の復習に尽きると思います。答練・模試の後には必ず、すべての肢に目を通して復習をしました。正解だったが、自信を持って答えられなかった肢についても、同様に復習をしました。また、正答率が高かった問題の肢については、気にして復習しました。逆に、正答率が低かった肢については、切り捨ててもいい問題だと割り切りました。

その他、何度も出てくる論点については、過去問からの抜粋であることが多いため、必ず押さえるようにしました。

(2)時間について

答練は、あくまで本試験のための演習なので、どのように時間を使うのが良いのかを意識していました。

(3)法改正やマイナー論点について

改正等で問われる部分は過去問では対処できないため、答練で対処するようにしました。
マイナー論点についても問題が出されることがありますが、そこに時間は割かず、全体の正答率と照らし合わせて押さえておかなければいけないのかを検討し、対処するようにしました。

5.私が考える、効果的な学習法

(1)インプットについて

学習時間のペース配分を意識して行いました。知識がまばらになることを防ぐため、一区切りになっている論点については、最後まで学習できるように時間を取りました。

(2)復習について

知識の定着のため、前日に行った部分のみならず、先週、先月の部分の復習も行いました。同じ内容を短いスパンで2回は行うように意識して学習していました。
加えて、理解できていない苦手部分の復習も行いました。わからない部分をそのままにしないことは大事だと考えていました。

しかし、突き詰めてもわからない部分については、捨ててしまうことも必要だと考えていました。20分考えてもわからないことは人に聞く、というように割り切っていました。

その他に、つまずいたら基礎に戻るということも大切にしていました。

6.実施していたスケジュールの組み方

以下、2回目の受験以降のスケジュールとなりますが記載します。

  • 10月〜11月は六法等を用いて、一科目ごとに再学習をしました。
  • 1月〜3月は、過去問を一通り学習しました。模試や、年内に終わらなかった範囲も学習しました。
  • 4月は、模試の見直しを行いました。
  • 5月〜6月は、過去問を学習しました(2回目)。

このように学習し、7月の試験を迎えました。

私は大学卒業後、日中はフルタイムで仕事をしていたため、学習時間は仕事が終わった後の3〜4時間でした。その時間内で学習できるように意識していました。1コマを1時間半〜2時間として自分の中でコマ割を決めていました。1日に2科目(主要科目とマイナー科目)をセットとして、1日のコマ割をしていました。マイナー科目の中で、司法書士法、民事執行法、民事保全法はコマ数を少なく取っていました。

1週間の内、1日は完全休養日としていました。

7.自分で考える、今年合格できた秘訣

最後の1年は、司法書士事務所に勤務しながら挑みました。事務所に入所し、ある程度将来のプランニングが見えてきたことから、それまでとは異なり肩の力を抜いて本試験に臨むことができました。

特に本試験当日は、午後の部である程度時間に見切りをつけて問題を解くことができました。わからない問題は、5秒で見切りをつけて飛ばしました。試験全体を通してですが、択一式問題で立ち止まることは少なかったように感じています。これは、基本的な学習の積み重ねによる知識が一定量まで達することができたからではないかと、自分では考えています。学習時に、下手に複雑な論点に手を出さないように意識していたことも、良かったのかもしれません。

8.午後の部での効果的な時間の使い方

択一式問題は、確認のために、①問題文中の「何が問われているのか」がわかる部分に、②正しい肢、あるいは間違っている肢、どちらが問われているのかを、ラインマーカーで引きました。わからなそうな論点については、あらかじめ印をつけ、その部分で時間がかかりすぎないようにしました。また選択肢について、文頭と文末を見て、明らかに内容が噛み合っていない肢については誤っている肢として処理しました。

記述式については、このようなことを問われているんだろうなという大枠をつかみ、まず商業登記、不動産登記どちらの問題から解くかを把握するようにしました。

9.記述式の時間配分、答案用紙の効果的な使い方

不動産登記の問題に45分、商業登記の問題に45分割くようにしました。

まず、申請の順番をメモしました。特に不動産登記では申請の順番を間違えると大幅に減点されるため有効な方法だと考えます。その他、不動産登記についていえば、名変登記の有無、申請が所有権についてなのか、所有権以外の権利なのか指示を見逃さないよう注意しました。

商業登記については、問題全体の把握をし、その際に申請が不可能なものをまずは除外しました。その後、書き出した案件をひたすら答案に書き起こしていきました。そして、でてきた添付書類を書き、通数については正の字で下書きし、数を確定させた後にボールペンで記載していました。

10.苦手科目の克服法

(1)基礎的で、出題頻度の高い部分を押さえるようにしていました。また、学習した後の近日中に数回復習するようにしていました。

出題頻度の低い部分は、形だけ考えて深入りしないようにしていました。民事執行法、民事保全法、司法書士法は各1問しか出題されないので、深入りしないように学習していました。民事執行法は範囲が広いため、不動産登記法と関連が深いところは、不動産登記法で学習するようにしていました。

(2)問題で問われる場合には、答えられるものだけを答えて解答すればよいというスタンスで解いていました。組み合わせ問題、正誤問題であれば、あえてわからない肢を検討するのではなく、他のわかる肢を解ければ答えに辿り着くと考えていました。

(3)全体の問題の割合、すなわち科目、重要度等を考慮して、克服すべきか否かを考えました。70問の内、どの問題でも同様に1問3点であり、出題が読み切れないもの、難易度の高いもの、出題頻度の低いもの、どうしても苦手なもの、これらに必要以上に時間を割くこと自体が無駄だと考えるようにしました。

それよりも、できる部分を確実にし、問われ方が変わっても「このことが聞かれているんだな」と考えることができ、かつ確実に答えられることが得点源につながると意識していました。

11.時期ごとの学習法

得点割合の高い民法、不動産登記法、会社法、商業登記法は、学習期間の全期間を通じて勉強していました。特に、民法は学習範囲が広いため、効率化が必要だと考え、不動産登記法と関連の深い物権法の部分は、不動産登記法(書式の書き方)と併せて学習するようにしていました。これは、比較的時間に余裕のある10月〜12月に行っていました。

  • 10月〜12月には他に、直前期に混同しそうな部分をチェックし、直前期にすぐに見直しができるように準備しました。
  • 10月〜3月までは、(どうせ忘れてしまう)丸暗記はせずに理解で紐付けをするようにし、例えばAだからBといったように少し考えれば思い出せるように学習しました。
  • 4月〜5月は、ひたすら過去問と答練・模試を解きました。答練・模試で引っかかった部分を、過去問で見直しました。
  • 6月は、総復習及び、苦手だが重要度の高い部分や、出題頻度の高い部分の丸暗記を行いました。

12.仕事との両立

(1)仕事と勉強の両立は、やってやれない事はないと感じています。むしろ、制限のあった方が自己管理をしっかりするように思います。

(2)仕事は勉強と異なり、必ず決まった時間拘束されるため、時間の使い方が考えやすく、9時〜18時は仕事で、往復2時間の通勤時間もプラスと考えていました。

通勤は電車移動のため、六法や過去問を見る時間と割り切れました。帰宅後は3〜4時間勉強し、朝の電車通勤時に翌日の復習をしました。仕事をした後の帰りの電車では仮眠を取り、また3〜4時間の勉強をしていました。

(3)使える時間がはっきりする事で、無駄な時間が明らかになり、ダラダラと勉強することがなくなります。そして少ない学習時間を有効に活用するために、時間だけでなく、勉強の範囲をしっかり決めることを考えます。勉強後にさらに時間があれば、自由時間に充てられます。

(4)試験勉強も仕事の一環として捉えると、両立という発想もなくなり、資格が取れたら勉強をしていた時間を、仕事や別の勉強に活用できると考えられます。そう考えると、生活のバランスだけを考えれば良いのだと思っていました。

13.来年度の合格を目指す方へのアドバイス

(1)勘で解答した部分が合否を分けることもあり得るため、最後の最後は運もあると考えます。学習時に身につけたパターンや、演習で解答可能な問題もあります。パターンを身につけ、演習をすることにより勘の精度を上げることができます。経験と、その積み重ねは無駄にはなりません。(もちろん、深入りすると無駄に終わるようなマイナーな問題も複数問ありますので、ご注意を。)
基本ができていれば解ける応用問題もあります。基本を大事にしてください。

(2)一定ラインに達すると、伸び悩んだり頭打ちになり、精神的に辛くなる事があるかと思いますが、気持ちを強く持つ事も大切です。精神維持のために、自分なりのリフレッシュ方法を見つけることも大事だと思います。

(3)演習により、本試験でどこから問題を解くのかを意識することができますし、問題文の読み間違いの防止、時間短縮方法の工夫等といった事を考えることもできます。また、問題の解答パターンを作っておくことができ、本試験でパニックになることを予防できます。

14.モチベーション維持の秘訣、気分転換の方法

(1)行き詰ったときには、趣味や仕事といった別の事に意識を飛ばすようにしました。

(2)長時間学習していると、ただやっているだけ、読んでいるだけの状態に陥りがちです。このような状態の場合、学習内容は頭に入らず、問題を解いていても解けておらず、モチベーション低下の原因になりかねません。この状態を防ぐため、必ず目標(時間、範囲)を決めて勉強を行うことが大切です。

(3)やった科目、内容の見出し(例えば、抵当権とか)に日付をつけて記録することにより、自分のやった記録をつけるとともに、どのくらい取り組んだかを見えるようにします。これにより、学習計画の修正がその都度できますし、直前期に記録を見ることにより自分の努力を振り返り、自信を持って本番に挑むことができます。

(4)休みを含めたコマ割を考え、オンとオフのメリハリをつけることも大切だと思います。勉強をしない時には、徹底的に勉強しないと割り切ります。中途半端だと、リフレッシュにも勉強にもなりません。

(5)辛くなる前にやめるという判断も大切です。きつい、つらい、と感じてからでは、気持ちの回復に時間がかかり、かえって勉強時間を圧迫しかねません。
できない、わからない、忘れたといった事で、一喜一憂しない強い気持ちを持つことも大切です。どうせ3ヵ月もしたら忘れてできなくなっている事は他にもあるはずなので、何がどうできなかったのか、に考えを巡らす方がよほど健全です。

15.最後に

皆さんの健闘をお祈りしています。

以上

講座パンフレットや特別セミナーDVDなどを無料でお届けします。
講座についてのご相談を受け付けております。お気軽にお問合せください。
講座のお申し込み案内ページです。講座をお申し込みの方もこちらからどうぞ。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次