「『合格書式マニュアル』は、アンテナを張りながら読むのがコツ」 阿部 智成さん

『合格書式マニュアル』は、アンテナを張りながら読むのがコツ

目次

司法書士を目指した理由

自分が司法書士を目指した理由は、とにかく資格を得ておこうと思ったからです。そう考えればどの資格でも良かったのですが、以前から法律問題に興味があったので「法律系の資格」と思い、司法書士に行き当たりました。弁護士では、難しすぎるか時間がかかり過ぎると感じ、調査したわけではありませんが行政書士では、資格を取った後に仕事を取れるのだろうかという不安があったためです。

クレアールを選んだ理由

そして、予備校を探し始めました。

クレアールを選んだ理由の一つは、まず受講料です。幾つかの予備校を調べましたが、比較的安く設定されていました。そして、特待生試験による割引があることもその理由の一部です。

二つ目の理由は、学習内容の質と量です。勉強するに当たり、いきなり法律知識をたくさん詰め込んでいくので、多すぎるとモチベーションが続かないかもしれないと思っていました。クレアールの『非常識合格法』は、「質として過去問レベルの知識に絞り、必要分だけを学習する」とパンフレットに書かれていたので、量的にも幾分減って丁度良いと考えました。実際にも講義の内容が答練に出、答練でも何回か同じ内容が出ることがあったので、学習初期においては頭に入れやすかったです。

択一試験対策について

講義を聴いている時は、一気に全てを暗記できないと考えていたので、とにかくその回ごとの内容を把握してイメージを掴むようにしました。例えば、民法の「代理」であれば、「代理」と聞いて「本人→代理人→相手方」という三者の関係を思い浮かべられること、3つの表見代理がどういう場合なのかを理解し、「後でテキストを見ればいつでも思い出せる」という形にすること等です(もちろんテキストを見なくても思い出せるのが一番良いのですが)。そのとき自分は、板書ノートをテキストに書き込んでいったので、手を動かすことで眠気を防ぐことができ、ひとまず情報を一元化しておくことができました。
復習としては、クレアールの『択一六法』か条文を読んで思い返し、過去問を解いてどのように問われているのかを確認しました。もちろん一回の講義で理解しきれないものもありますし、何回も繰り返し読んだり解いたりしなければ忘れていくものなので、以前の講義で学んだことは条文と過去問で追いかける形で復習していました。定着するのにはかなり時間がかかりましたが。

講義によるインプットを終えた後は、「過去問→条文→答練のやり直し」を何回も繰り返して思い出したり、新たな知識を入れていきました。判例付の六法(三省堂のコンサイス判例六法)を買い、そこに新たな知識を書き込んで情報を一元化しました。そして、六法の余白が足りない場合、どうしても条文を見るだけでは覚えられないと感じたものをサブノートに書いていきました。サブノートについてですが、試験2ヶ月前くらいから始まる「合格論点スピードチェック講座」の幾つかの科目では、まとめられたテキストが出るので、「それの余白に書き込んでサブノート代わりにすればよかった」と後で感じました。なので、サブノートは一通り講義によるインプットが終わった後から作り出すのが良いと思います。

記述試験対策について

講義で内容を理解する点は、択一の時と同じです。暗記することに関しては、クレアールの教材である『合格書式マニュアル』を使いました。自分は『合格書式マニュアル』の目次だけを見て、「登記の目的、原因、申請人、添付情報、登録免許税」を思い出し、該当ページを見て合っているかを確認することで活用しました。そうすれば、暗記カードなどを作る必要は無くなります。また、答練で得た新たな知識も『合格書式マニュアル』に書き込んで、情報を一元化しました。その後は、「過去問(クレアールで配られる連件式や一括式の問題集の記述式ハイパートレーニング)→答練のやり直し→『合格書式マニュアル』」を繰り返して定着を図っていきました。

択一でも書式でも、条文や『合格書式マニュアル』を読んでいるときは、アンテナを張ることを意識していました。それは、判例六法の条文だけを見て「どんな判例が書いてあったか?答練でどう問われたか?他のどんな条文と比較させられていたか?他の法律ではどうだったか(不動産登記法、商業登記法などは似通っているので)?」など、思い出せることを全て思い出すことです。『合格書式マニュアル』でも同様のことをして、暗記以外の択一の知識にもアンテナを張りました。そのようにすることで、答練でも問題を解いている時に六法のページが絵として思い浮かんだり、書式では隠れた登記に気付いたりできたことがあります。

クレアールの良かったところ

復習に使ったクレアールの『択一六法』ですが、他の条文の引用が「超訳」として書かれており、いちいち全ての条文を開く必要が無かったので非常に使いやすかったです。例えば、一般の六法の会社法309条第2項には特別決議を要する場合として「一.第百四十条第二項及び第五項の株主総会、二.第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る)・・・」と書かれているため、その条文も開いて確認しなければなりませんが、『択一六法』には上のような条文のすぐ下に、それがどのような場合なのか説明が書かれていたので、手間が省け勉強しやすくなっていました。また、過去問や他の資格試験の問題などが条文ごとに幾つか挙げられており、インプットだけでなくアウトプットの練習もすることができました。

『合格書式マニュアル』も役立った教材の一つです。『合格書式マニュアル』には申請書の「ひな形」が一つ一つ見開きごとにまとめられており、関連する先例も書かれていたので暗記・まとめに重宝しました。

他にも、クレアールの司法書士講座を受講して良かったと感じたのは、答練の量と質です。「書式答練」は1回の中での問題数が多いので、時間配分の練習になります。質については、「実力完成総合答練」の書式の問題に「ひねり」(気付きにくい答え)が毎回1つは出ていたと思います。そのため、「何か他に気付く点はないか?隠されているものはないか?」と頭を働かせる練習ができたと思います。量と質の両方において助けになりました。

スタッフの方々が時折話を聞いてくださったこと、適度にプレッシャーをかけてくださったこと、必要なアドバイスを与えてくださったことも感謝できる点です。

昨年までの失敗の原因と感じたこと

司法書士試験は何年も勉強するために、モチベーションを保つのが非常に難しかったと思います。講義の説明がしっくり来た時や、答練で点数が上がってきた時は、自然と勉強が楽しくなってきたので良かったのですが、それでも本番で失敗した時は、しばらく勉強する気になりませんでした。

自分は3月にクレアールに通い始め、次の年の本試験前に講義は聞き終わりましたが知識はまだ全然定着しておらず、本試験での手ごたえも無かったので、本試験の後すぐにその年の「実力完成総合答練」のやり直しをして7,8月を過ごしました。そのこともあって答練の点数も上がり始めました。しかし、その年は本試験の不動産登記の書式が別紙形式になって何も対応ができず焦ったため、商業登記でも少し現実を考えれば分かる問題をミスり、落ちてしまいました。「あれだけ勉強の流れが良かったのに」と考えていたのと後悔で勉強する気力がおきず、翌年にも影響が出てその年は択一の足切りにあいました。

勉強を続けていたり「合格レベルにいる」との声があると、勉強に飽きることがあります。そのため、自分は試験に落ちた後、司法書士事務所でアルバイトを始めました。実際は、それでもしばらく勉強する気になれなかったのですが、実務の添付書面や申請を目にし、別紙形式に慣れてきたのは良かった点です。

合格した年の本試験では、約1年充電したこともあり、モチベーションが続いて合格することができました。この年は前述したように、書き込みをした六法や『合格書式マニュアル』をアンテナを張りながら読むことで、勉強の良い流れを作り出すことができました。

正直言って、試験に失敗した後どうすればすぐに切り替えができたのかは分かりません。もともと「3〜4年かかってもいいや」など気長に考えていれば失敗を引きずることも無かったのかもしれません。また、勉強に飽きることは誰にでもあると思うので、スポーツなど自分の楽しみや息抜きは週に1回は入れてもいいと思います。

これから勉強を開始する方へ

これから勉強する方にお勧めしたいのは、まず講義の予定(日付)になるべく付いていくことです。妥協してしまうと、どんどん勉強が遅れていきます。また、情報を一元化するためほぼ全科目の載った判例六法を早めに買って、ずっと同じ絵で覚えていくことも良いと思います。不動産登記令別表や司法書士施行規則など細かいのが載っていなくても、ホームページからとって印刷することもできますし、新しい判例が出てきても試験に出るのはそんなに多くないので、余白への書き込みで対応できます。

自分は、勉強開始から4年で合格しました。司法書士試験は、諦めなければ最終的に合格することができるものだと思います。自分なりの方法を確立し、諦めずに頑張っていただきたいと思います。

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