新元号「令和」で司法書士の仕事に変化はある?

ネット上では、司法書士の仕事は“今後減少していく傾向にある”と言われていますが、果たしてそれは本当でしょうか?「司法書士になりたい」「事務所を開業したい」と考えている人にとっては、どうしても気になる点ですよね。新時代は司法書士の将来にどのような影響をもたらすのでしょうか。

令和で司法書士の仕事は増えるか?

平成も終わり、令和の新時代へ突入しましたが、今後司法書士の仕事は増えていくでしょうか、または減っていくでしょうか?一部によると、司法書士の仕事は今後減少していく傾向にあると言われています。

減少していく理由としては、AIの台頭や人口の減少、登記件数の減少が予想されるからです。特に人口の減少に伴い、登記の件数も減っていくことが予想されています。また、ロースクール制度が導入されて以降、弁護士の数が多くなっている事実と照らし合わせると、簡易裁判所などの本来弁護士にはあまり依頼がすくなかった案件も司法書士から弁護士へと分散されていくことも予想されます。ネット検索で情報が簡単に入手できるようにもなり、個人で登記を行う人も増えていくでしょう。

以上のように、確かに司法書士の仕事は今後、減っていきそうに一見思えますが、一方で、これまでの仕事の範疇を超えて司法書士が担う業務内容や形態が変化していくことも考えられます。

オリンピック開催がもたらす司法書士の仕事への影響

司法書士の仕事に変化を与える要因として、オリンピックの影響も考えられます。今後オリンピック開催に合わせてあらゆる業種が経済効果を期待して参入してくることが予想されます。

たとえば、宿泊施設や観光、土木建設業界などなど。他にも英会話や広告業など、オリンピックに合わせてあらゆる業種が経済を動かしていくでしょう。司法書士もこれらの経済状況に合わせて、新規の顧客を得るチャンスが大いに回ってきそうです。また、これからの経済変動に合わせて、司法書士以外に別の資格を取得しておくこともおすすめです。

例えば宅地建物取引士や税理士などの資格を得ておけば、更なる顧客を獲得することもできるのではないでしょうか。特にコンサルティング業は新たな令和の時代にも突入し、今後の推進計画を求める企業が増えていくと考えられますので、需要も高まっていきそうです。

更に、司法書士を始めとした士業には基本的に定年が無い為、時代が移り増々高齢化が進んだとしても長く続けられる仕事です。オリンピック以降も安定した仕事と言えるでしょう。

AIの成長による司法書士の仕事への影響

AIの成長による司法書士の仕事への影響:その①

AIの導入によって、司法書士の人数自体が少なくなってくる可能性が考えられます。これまで発明されてきた便利な機械とAIが決定的に違うとされる点は、“自ら学習する機能が備わっているかどうか”にあります。

例えばインプットされたことを忠実に実行する便利な機械はこれまでたくさん存在してきましたが、AIそのものが相手が何を知りたいのかを予測し、自ら学習し情報を蓄積していくことができるという点において、これまでの機械と圧倒的な違いがあります。この学習能力こそ、士業や医療などのあらゆる分野で活躍していける要素といえます。現在、既に様々な分野においてAIの導入が求められており、司法書士の世界においてもそれは例外ではありません。今後もAIが導入され、司法書士の人数自体が少なくなっていく可能性は考えられるでしょう。

AIの成長による司法書士の仕事への影響:その②

AIの導入が進むと、司法書士が扱う登記業務がシステム化、オンライン化が進んでいき、AI相手に個人で行うという人も増えていきそうです。これまでは登記業務は司法書士の独占業務とも表現されてきたので、これらの業務が減少していくとすれば、司法書士の仕事内容に影響を及ぼすものと考えられます。もちろん、どんな仕事にも例外業務などがありますから、この部分はAIでは対応できない部分はもちろんあります。

AIの成長による司法書士の仕事への影響:その③

AIの導入によって、司法書士の仕事内容や業務範囲自体が変容していく可能性があります。上記に示した理由を見る限り、AIが台頭すれば司法書士の主な業務の一つである登記業務がなくなってしまうように感じますが、実際は、AIが導入されることで司法書士の人数こそ減る可能性はありますが、業務内容自体が変容していく可能性の方が高いといえるでしょう。

何故なら、AIが得意な分野と人間が得意な分野は異なり、一概に全ての業務をAIが代行できるわけではないからです。

今後の司法書士の仕事で“増える”仕事、“減る”仕事

今後オリンピック開催や万博の開催に向けて、新事業の参入などで一気に登記の案件が増えていくことが予想されますので、この3~4年は登記案件は増加する傾向にはありますが、徐々にAIの導入や登記業務の自動化が進み、更には人口減少が進んでいくと、登記業務は長期的には減少傾向にあると言わざるを得ません。また、マイナンバーを戸籍情報とリンクさせることも検討されているので、そうなれば法定相続人の決定も自動化されてしまう可能性も出てきます。すると相続登記の必要も自動化が進むことが予想されますので、司法書士が関与する業務は減少していく可能性もあります。ただし先述した通り、AIには得意と不得意分野が存在します。より早く、正確にという点においては、人間以上の能力を発揮するAIですが、場の空気を読み、その都度対応を変化させる応用力という面に関しては、人間よりも当然劣ってしまいます。

例えば民事信託など、こちらから提案していくような形での業務であれば、高齢化社会に突入していくこれからの時代にも即し、大いに適しているのではないでしょうか。人の心に寄り添う、法律の良き相談相手という位置づけがこれからの司法書士には求められてくるのかもしれません。

まとめ

司法書士は、令和の時代に突入した現在、大きな転換期を迎えていると思われます。AIの導入により、これまで当たり前のように行ってきた登記件数も徐々に減少が始まり、司法書士が請け負う登記案件に関しても、より手軽に、早く、正確性を出せる大規模事務所に依頼が集中する事が考えられます。

大規模事務所に依頼が集中すれば、個人の事務所は今後運営しづらくなることも予測されます。しかし、一方でAIにも不可能なことは多々存在します。これからの時代は受けた依頼を捌くのみならず、依頼者や顧客に対して積極的な提案を行っていく、より親身な司法書士像が求められていくのかもしれません。