開業の成功率は?司法書士が地方で働くメリット・デメリット

地方での司法書士開業数は減少傾向にありますが、その反面、日本司法書士会連合会から財政支援が行われるなど地方での開業は推進されています。果たして地方で開業する利点はどこにあるのでしょうか?今回は、司法書士として地方で開業する場合のメリット、デメリットを中心に解説していきます。

目次

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司法書士が独立して地方で開業する割合は……

難易度が高いとされている司法書士試験ですが、資格を取得したあとに、司法書士登録をする割合は近年増加傾向にあります。以前は景気に左右されるところもあり、バブル期には年間で150名以上の司法書士登録の増加がありましたが、バブル崩壊後の数年間は低迷期と言われ、年間50名程の微増傾向となっておりました。しかし、司法書士に簡裁代理権が付与された平成14年より増加傾向となり、200名以上の増加へと転じました。司法書士の登録者数は現在、22,900名を超えています。

司法書士の増加傾向は都市部のみ?

とはいえ、増加傾向にあるのは東京や神奈川、愛知といった都市部であり、地方ではむしろ減少傾向にあります。人口の多い都市部では需要がある事は想像に難しくありませんが、地方で開業するメリットがないわけでは決してありません。法律の窓口ともいえる司法書士は街になくてはならない存在。日司連は司法書士の減少が著しい地方での独立や開業を行う司法書士や法人に開業貸付金や定着貸付金などの財政支援を行う特例を出しており、地方での開業を後押ししている程です。これは司法過疎の地域をゼロにしていきたい意向にもよるところです。

関東圏(都市部)の司法書士の実情

司法書士の絶対数は減ってきている

先ほど司法書士の新規登録をする割合は年々増加傾向にあるとご紹介しました。確かに、平成4年の司法書士数は約1万6500人で、令和4年では約2万2900人と増加傾向にある事は間違いありません。ただし、司法書士の資格を取得したからと言って、その人数全員が司法書士として就職、開業を行っているというわけではありません。また、企業内司法書士などといった就業形態も増えてきています。そのため、個人事務所が乱立しているようなイメージではありません。

司法書士に世襲などの習慣はない

また、事業承継の問題もあります。新規登録者が増えたことが司法書士の登録者数の増加と無縁ではありませんが、高齢の司法書士が登録を抹消しないことも一因です。しかし、医者とは違い、世襲がほぼない司法書士業界において、子どもが事務所を継ぐという事はほぼあり得ません。新規登録者の数だけ事務所が増えて飽和状態にあると思われている都市部においても、実情は、司法書士の登録をしているだけで実際には積極的に営業をしていない、事務所を引き継ぐ若手がおらず、開店休業状態の事務所もあるなど、その絶対数が減ってきているのが現状かもしれません。
※登録司法書士の平均年齢は54歳を超えています。(2022年版司法書士白書による)

司法書士は地方でも需要があるか

都市部では登記のスペシャリストとしても位置する司法書士ですが、地方では法律の窓口として存在するケースが非常に多いようです。弁護士事務所の数も限られている地方にとっては、広く浅く法律に関わる事を何でも相談に乗ってくれる司法書士の存在は大いに価値あるものとして受け入れられます。これが「街の法律家」と言われる由縁です。都市部に比べて広大な土地売買が行われる傾向にある地方においては、例えば農地の立ち退きや、土地売買におけるトラブルなどの手助けを行える存在は重宝されるでしょう。商業土地の取引が多い都市部では登記専門として開業しても支障はありませんが、地方では法律全般を請け負う方が需要は高いと考えられます。地方で独立しようと思っている人は認定司法書士資格を取得しておく事をお勧めします。

司法書士が地方で開業するメリット

都市部に比べると地方は法律事務所が少ないという傾向にあります。先ほど紹介したように、司法書士の数も地方にいくに従い減少傾向にあります。しかし一方で、そこが大きなメリットともいえるのです。

メリット①司法書士の地方開業はライバルが少ない

つまり競合相手が少なく、ほぼ独占で運営が出来るのが地方で開業する大きな魅力となるのです。とはいえ都市部に比べると仕事の案件も多くはない為、報酬が伸び悩みがちになる事も事実です。

メリット②地方の司法書士はパイプがあれば仕事が絶えない

単発での依頼が多い都市部とは違い、人との繋がりや関係を重視する地方では、自分という人物像を周囲に受け入れられなければ、中々仕事が来ない傾向にあります。そこで、地域に根付いた人脈を獲得する事が重要となってきます。地盤に影響を持っている人と繋がりを持ったり、農協や生協などとのパイプがあったりすれば、たとえ未経験であっても、仕事の依頼件数が自ずと伸びていくのも地方ならではの利点と言えるでしょう。

司法書士が地方で開業するデメリット

デメリット①地方開業の司法書士は報酬が少ない?

地方で開業するデメリットは、都市部に比べると報酬が少ないという点が挙げられるでしょう。地方での報酬が少ないのは、単純に依頼件数が少ないという事に加えて、経済規模の差にも起因します。都市部と比較すると経済規模の小さい地方では、利益を出す規模もやはり小さくなってしまうのが現状です。

デメリット②司法書士が地方開業すると不動産登記に偏りやすい?

また、企業も少ないため、業務も不動産登記に偏りがちになってしまうという点もデメリットとして考えられるでしょう。そのため、将来性を考えて色々な案件を経験し、失敗を通して様々な経験を積んでみたいという人にとっては、依頼件数が多い都市部での経験をした上で、自分が開業する際に、都市部なのか地方を選ぶのかを考えた方が理にかなっているかもしれません。

まとめ

司法書士を地方で開業するのは様々な面においてメリットとデメリットが存在します。メリットは競合が少ない事や、一度人脈づくりが成功すれば確固たる地位を確立しやすい事などが挙げられます。一方デメリットとして考えられるのは、報酬が伸び悩む可能性がある事、業務に偏りが出てしまい経験値が中々伸びにくい事などが挙げられるでしょう。都市部で開業を行う人もいれば、地方で独立を果たす人もおり、その利点や難点の捉え方は様々です。ぜひ自分に適した方法で開業を行ってください。

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