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民法 債権 第709条【不法行為による損害賠償】

第709条【不法行為による損害賠償】

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

解釈・判例

「解釈・判例」とは
条文には、様々な解釈論や裁判の結果(判例)が存在するものもあります。そこで、試験に必要なものを【解釈・判例】として記載しています。

1.要件
 (1) 故意又は過失による行為(加害行為)であること
  ① 故意:結果に対する認識があること
  ② 過失:普通人の注意を欠いたために、結果に対する認識がないこと
 (2) 他人の権利又は法律上保護される利益を侵害したこと
 (3) 損害が発生したこと
  → 損害は、財産的なものに限らず、精神的なものでもよい(710条、711条)。
 (4) 加害行為(1)と損害発生(3)との間に因果関係があること
 (5) 行為者に責任能力があること
  → 責任能力とは、自己の行為の結果が違法なものとして法律上非難され、法的責任が発生することを認識できる能力のことをいう。10歳から12歳程度であれば認められる。

2.損益相殺
不法行為と同一の原因によって被害者又はその相続人が第三者に対して損害と同質性を有する利益を内容とする債権を取得した場合、公平の観点から、これを加害者の賠償すべき損害額から控除すべきとする法理(最判平5.3.24)。

3.損害賠償請求権の相続性

(1) 通常の損害賠償請求権
→ 当然に相続の対象となる。
(2) 被害者が重症を負って死亡した場合
→ 重症を負ったことによって、得べかりし利益について損害賠償請求権を被害者が取得し、死亡により相続人が承継する(大判大9.4.20)。
(3) 被害者が即死した場合【平12-6】
→ 受傷と同時に被害者である被相続人に損害賠償請求権が発生し、死亡の時にそれが相続人に相続される(大判大15.2.16)。

4.関連判例【平13-14】

① 交通事故により死亡した幼児の財産上の損害賠償額の算定については、幼児の損害賠償債権を相続した者が幼児の養育費の支出を必要としなくなった場合であっても、損害賠償額の算定にあたっては、その将来得ることができたと考えられる収入額から養育費を控除することはできない(最判昭53.10.20)。
② 交通事故により死亡した者の相続人に対して給付された生命保険金は、その死亡による損害賠償額から控除すべきではない(最判昭39.9.25)。
③ 交通事故の被害者の後遺障害による財産上の損害賠償額の算定については、その後に被害者が第2の交通事故により死亡した場合であっても、当該交通事故の時点でその死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていた等の特段の事情がない限り、死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものではないと解するのが相当である(最判平8.4.25)。
④ 交通事故の被害者が事故後に死亡した場合、後遺障害による財産上の損害額の算定にあたっては、事故と被害者の死亡との間に相当因果関係がある場合に限り、死亡後の生活費を控除することができる(最判平8.5.31)。
⑤ 交通事故により介護を要する状態となった被害者が、その後に別の原因により死亡した場合、その相続人から、被害者死亡後の平均余命に至る期間までの介護費用の賠償を請求することはできない(最判平11.12.20)。

比較

「比較」とは
制度趣旨が類似する条文は比較してよく問われます。単独で理解するよりも比較して理解した方が効率的かつ効果的であるため、【比較】として記載しています。

債務不履行責任と不法行為責任 → 415条参照。

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