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「依頼者の期待以上の成果の提供を心がける」笠原 秀紀

実務家 笠原 秀紀
中央大学理工学部卒業後、研究室や企業において研究活動・新技術開発に従事。その後、技術コンサルタントとして、主に環境関連分野で活動する。2008年に中小企業診断士資格を取得。現在は、中小企業基盤整備機構登録アドバイザー、産業能率大学講師、各支援機関のコーディネイターなどの業務を行っている。専門分野は環境関連、ソーシャルビジネス、製造業支援など。
目次

中小企業診断士を目指したきっかけ

 私は、大学卒業以来、独立して仕事をしてきました。「(技術系の)製造業」、「環境関連」、「危機管理」が専門領域です。技術開発、製品開発、開発した新製品の販売戦略を手掛けてきました。

 また、大学卒業後、ずっと、本業以外に社会貢献活動も続けてきました。社会貢献活動のテーマは「環境」「災害支援」「危機管理」「経済システム」。この活動の中で、阪神大震災の支援以来、知人の流通小売業の会社経営者から(被災が原因で経営が悪化した会社の)経営再建や経営支援依頼が多数入るも、流通小売業は専門外という事で助けることができませんでした。被災による多くの中小零細企業の経営破綻や経営難を目の前に、そのような地元中小企業の再建を果たさなければ本当の復興とは言えないと痛感しました。しかし、当時は、ノウハウがなく手が出なかったのが実情でした。

 そうこうするなかで、2005年ごろ、身内より中小企業診断士の資格の存在を知らされます。しかし、「資格」というもの自体に懐疑的だった私は、当初は斜に構えていましたが、中小企業診断士資格は、流通小売業のコンサルスキルを身につけるのに、有益な部分が多々あると感じ、2006年に本格的に学習を開始し、2007年に1次試験合格、合格できたと思った2次試験は事例2で失敗し2次試験不合格。その後、実務能力を養うには実践プログラムを体験するのが良いという事で、縁あって、中小企業大学校に入学、2008年に大学校を卒業し、2008年診断士登録をしました。

資格取得後のドメイン

前述のように、当初の診断士になる目的として、流通小売業の経営支援ができるようにと目標を定めていました。したがって、技術系や環境系は卒業して、流通小売業のコンサルティングに注力するという方向性で考えていました。しかし、資格取得の過程で、色々な方に、「折角の技術系の企業に関する経験や知識、環境系の知識があるのにその強みを生かさないのはもったいない。」というアドバイスをいただき、結局、得意分野を生かすという方向に考え方を改めました。

現在の仕事

 現在は製造業を中心に、流通小売業の経営支援も行っています。製造業70%、流通小売業25%、講演研修が5%というようなイメージです。また、最近は事業再生(経営再建)のような業務も多くなってきています。事業再生では流通小売業の企業もいくつも手掛けさせてもらっており、診断士ノウハウが非常に役立っています。

 診断士になって感じる良い部分は、「人のつながりが財産」ということだと思います。先輩診断士はじめ、そうした方々をきっかけにつながった様々な人々、以前からの友人知人(もちろん家族も)など様々な方に支えられています。こうした人の縁に感謝する毎日です。たくさんの人々に支えられてとても順調にコンサルティング業務を展開させてもらっています。

私のイメージするコンサルタント像と仕事の心構え

 私が企業や組織を支援(コンサル)する際の心構えですが、「依頼者の期待以上の成果を提供することを心がける。そのためにできる限りの事を尽くす」ということで日々業務に向き合っております。その事が、より多くの出会いを生み、次の仕事にもつながっていきます。

 私は、20代前半は研究開発の世界で生きてきました。その世界ではインスピレーションが不可欠と言われています。私は、個人的にはコンサルタントにも同じ事が言えるのではないかと考えております。

 「経営には唯一の正解はない」と言われ、外部環境が想像以上に激変する昨今、さらには、経営者の方の考え方も千差万別の中で、企業経営や企業支援はますます難しくなって行くだろうと感じます。このような様々な状況や事態に対応し、経営の支援をするためには、臨機応変に改善策や代替案に思いを巡らせる柔軟な力が必要と感じます。

 さらには、経営支援は人間相手の仕事であり、経営は、経営者やそこに働く人の意識が大きく関係すると感じています。経営者に意識変革を求める事が必須条件になる案件も少なくなく、そうした事を考えても、コンサルタントに求められるものは、支援技術・スキルはもとより、人間性も重要になってくると感じております。私個人としては、人間力、経営支援スキル、専門知識、そうしたものが熟成することによるインスピレーションが働くコンサルタントを目指しています。

これから診断士になる方々へ

 私ごときが、様々なキャリアや能力をお持ちの方々に伝えられる事はありません。ただ、私がやってきたことだけを申し上げることしかできないので、ここでは、それを記したいと思います。

 私は、最終的には、「診断士資格を取得してコンサルをやりたい」と強く思いました(2005年当初の斜に構えている時はほとんど身になりませんでした)。「何をやりたいのか」という事に従って行動してきました。経営難で、本気で困っていて自分に助けを求めてきた知人(流通小売業経営者)に対して何も手助けが出来なかった事が忘れられませんでした。だから、まず、「何が好き」、「何がしたい」、「何が願いか」。そこからスタートして、診断士を取得しました。

 その後、その思いをビジョン化して進んだのが、この1年でした。1年間で目標を立てたことは不思議とほぼすべてクリアする事ができました。それには冒頭申し上げたように、先輩診断士含めて、多くの人々との出会い、支えによって実現したと考えています。

 あくまで私の場合ですが、「診断士になって何をやりたいのか」という事があることが意外と重要に感じました。そのビジョンと具体的な目標を描くことが大切だと思います。

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