日商簿記1級合格体験記【一発合格】M・Oさん

目次

はじめに

私の体験記を読んでいただくに当たっての前提をお伝えします。ひとつは日商簿記1級の合格が最終目標ではなく、公認会計士試験への勉強過程で簿記1級の試験も受験していたこと。もうひとつは社会人数年を経て結婚を機に離職、大学や社会人経験も含め簿記の知識は全くのゼロから勉強開始したことです。

勉強開始から1級合格までの過程は以下の通りです。

2018年3月 日商簿記3級2級の勉強開始(市販のテキスト活用)

同年6月   第149回日商簿記2級3級同時受験、ともに合格。その後、クレアール公認会計士講座3.5年トータルセーフティコースにて簿記1級の勉強を開始。

同年11月  第150回1級受験、不合格(合格率9%)

2019年6月 第152回1級受験、不合格(合格率8.5%)

2020年11月 第156回1級受験、合格(合格率13.5%)

内訳:商業簿記14/25点、会計学22/25点

工業簿記13/25点、原価計算22/25点

合計得点71/100点

簿記検定1級取得を志した動機

日本中世界中どこでも通用する専門知識を身に付けたかったからです。大学時代に中国へ留学し中国語を話すことができるので、前職は中国の電子機器メーカーで営業をしていました。その中で語学を手段として使うためには何かしらの専門性が必要と実感し、結婚を機に大きい資格試験への挑戦を考え公認会計士を志しました。

クレアールを選んだ理由

上記、志した理由の通り公認会計士試験を目指すと決めとりあえず本屋へ行ったところ、石井先生の『公認会計士試験非常識合格法』を拝見。クレアールのことを知り調べてみると3.5年のセーフティコースや受験料負担、合格祝い金など、初めて挑戦するに当たって費用面での負担が軽いことや、長期間での挑戦を見越せることが魅力で選びました。

科目別学習法

・商業簿記・会計学

まず全体を通して言える大事な視点は、計算は理論と合わせて理解し解けるようになるという意識を持ちながら学習を進めていくことだと思います。私の失敗として3級2級の勉強の流れから計算に比重を置きすぎてしまったことが挙げられます。計算の下書きなどある程度手を動かせるようになってきたら、テキスト各節の解説部分を折に触れて軽く一読することをお勧めします。この点クレアールの講義で良かったのが、山田先生の講義解説です。初めての講義では理解の難しい論点も山田先生の解説は大変わかりやすく、先生の説明したセリフを一時停止してそのままテキストに書き写し、復習時に読み返すことで講義時理解したイメージを時間がたってからでも思い出すことができました。

次に各論点の勉強方法になりますが、私はクレアールのテキストと問題演習(会計士講座のもの)、過去問の3つを使いました。そして勉強時間の7割ほどがテキスト例題を繰り返し解くことでした。この勉強方法の弱点は繰り返して解く内に問題を覚えてしまい考えずに解けるようになってしまうことでしたが、これは上述したように折に触れて解説を読むことや、初めてその問題を解くという気持ちでしっかり問題文を読み、状況を整理してから解くということで解決できるかと思います。2,3級との違いは、仕訳を切れるようになるのがゴールではなく、なぜその仕訳が切れるのか、どうしてこのタイミングなのかといった仕訳を切る状況を正しく理解して処理することが求められます。原則や例外といった処理方法がいくつかある中で、自信をもって回答できるためにはその根拠となる理論の理解が必須で、とはいえ読むだけでは身につかないと思いますので例題を活用し手を動かしながら学習していくとより定着しやすいと思います。

・工業簿記・原価計算

こちらもまず全体を通して言えることで、講義を聞いているときも問題を解くときも計算段階のなかで今どの段階の話をしているのか把握し、大きな流れをつかむことが重要だと思います。川本先生の講義では講義時この点を強調して伝えてくださり、実例を挙げながら具体的なイメージを時には絵をかきながら教えてくださったため、私の場合は割とスムーズに全体像をつかみ計算へ生かすことができたと感じています。

個別の論点の学習としては、計算に関しては問題集を中心に過去問も使い学習しました。工業簿記原価計算は一つの問題で情報がたくさん与えられるため、指示された通りの計算ができているのか、答えを出すために必要な項目を短時間で見分けられるかが大事かと思います。また同じ数字を与えられて違う計算基準や状況で解き分けられるかなど、問題を前後して解きながらその違いを理解しました。また理論についてオススメしたいのは、原価計算基準を全体通して読んでみることです。普段計算していることをより客観的に見られるようになります。2級の工業簿記との違いは出題のバリエーションが広がることで、私の場合は得意不得意な論点に差が出てきてしまいました。また情報の多さから簡単なミスが増え、計算序盤で間違えた数値が尾を引いて後の計算も間違えてしまうケースが増えました。そのため会計士講座の演習や過去問を活用しながらいろんなタイプの問題に慣れ、数をこなしていく中で自然と応用力が身についていったと感じています。

今回の本試験を振り返って

事情があり試験1週間前までの1か月ほとんど勉強ができず、1週間前から過去問を5年分くらい解いて本番を向かえました。結果的に過去3回受験した中で一番簡単だと感じる回で合格点ギリギリですが合格することができました。おそらく1、2問ミスしていたら落ちていたという結果でしたが、会計学と原価計算がほぼ合っており得点源となりました。最初は全く歯が立たなくても、実力を発揮できる回まで受け続けることも大事かと思います。

さいごに

知識ゼロから簿記3級の勉強を開始し約2年半後に1級に合格した身として思うのは、簿記1級の難しさは一言にボリュームの多さだと感じています。勉強初期の頃は一通り内容をさらうのに半年かかり、問題をいくら解いても点数に結びつかないような停滞の時期もありました。ですが最終的に合格する段階にあっては精神的にも身体的にも程よい緊張感と余裕があって本領を発揮でき、今回の1級合格は私にとって知識が定着したという実感を得ることができた大きな自信となりました。今後も公認会計士試験合格へ向けさらなる勉強を続けて参ります。

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