日商簿記1級合格体験記【会計士試験合格】森 大地さん

日商簿記3級 合格体験記

明治大学卒業

目次

簿記1級の取得を目指したきっかけと予備校選び

私は、大学4年の就職活動をきっかけに公認会計士を志し、その第一ステップとしてクレアールの簿記講座を受講しました。

専門学校を選ぶ上で考慮したのは、第一に合格までのスピード、第二に受講料の安さでした。クレアールはその点、WEB講義をフルに活用してハイペースで講義を進めたり、通信専門だから他の学校と比べてかなり安かったりと、自分にぴったりでした。また、日商簿記2級、1級とステップアップしていく公認会計士講座のカリキュラムも、目の前の目標が明確で勉強しやすかったです。加えて、クレアールは比較的小規模なため、事務局や講師の方との距離が非常に近いことが魅力です。

今現在も会計士試験勉強中ですが、その多大なサポートは勉強の励みになりとても感謝しています。

具体的な学習法

森 大地さん

日商簿記1級の勉強は、2月頃から始めて11月の試験で合格することができました。6月からは会計士試験講座を受講していましたが、1級の各科目に関してはそれらをベースにやや応用的な論点を学習していくだけで、ほとんどの学習範囲は共通していました。合格した回の本試験では、合格率が例年通り10%程度だったにも関わらず、試験当日は解いていて「とても簡単だ」という感覚でした。

本試験で問われたどの論点もクレアールのテキストの例題及び問題集で問われているところで、そのレベルをマスターしていたからだと思います。逆に、基礎レベルの力とはいえ膨大な試験範囲を網羅的に抑えることは容易でないと思いますので、1級の難易度の高さはその学習範囲の多さにあると改めて感じました。

商業簿記の学習

1級の勉強をし始めた当初、無謀にも6月合格を目指していたので、講義は2月から4月までに、1日3~6コマずつぐらいのハイペースで受講していました。すべて倍速で聴いていたので、1日の勉強時間のうち2~3時間を講義の時間に充てていました。

ただ闇雲に講義を進めるのではなく、商業簿記の山田先生がおっしゃっていた「講義は問題を解くための最低限の知識を得る手段」という言葉を常に意識して勉強に取り組んでいました。従って、合格するためにはひたすら問題を解くのが最も効率的かつ効果的だと思います。特に、苦手な問題を中心に同じ問題を即答できるレベルまで繰り返し解くことが合格への近道ではないでしょうか。

その為には、各問題を解いた日の日付と正解・不正解の記録を付けることが効率的だと聞き、個人的には答えを見ずに正解で◯、答えを一部見て正解または惜しい不正解は△、ほとんどわからず不正解は×といった具合に記録していました。即答できるレベルまで達したものに関しては◎をつけ、復習リストから削除することでメリハリを付けた学習を心がけていました。

具体的な1級の論点で苦手だったのは、商業簿記・会計学では連結会計、本支店会計でした。この2つの分野には、複数の財務諸表を1つにまとめ、その際に生ずる内部取引や期末に残った内部利益を消去するという考え方が共通しています。はじめはそうした大きな考え方ではなく、個別の手続きに目が行ってしまい、複雑に見える会計処理に混乱していました。しかし、そうした土台をしっかり理解することで細かな手続きも自然に習得できました。

はじめは計算方法の暗記だけで繰り返し解いていた論点も、解き続けると全体像が見えてきたので、やはり問題演習の量が重要だと改めて感じました。とはいえ、時間には限りがあるので、分からない問題に悩む時間を削り、多くの時間を解答にある仕訳の理解に費やすことを意識していました。そうすることで、次に復習する際の理解力が格段に増し、学習効率も良いように感じられたからです。そうなると当然、疑問点がたくさん生まれてくると思います。それに対しては、クレアールの質問制度をフル活用して解決を図っていました。質問するにも疑問点をまとめるという作業を伴うので、考えを整理する時間というのも意外と大切だったように思います。

工業簿記・原価計算の学習

工業簿記・原価計算では、原価計算制度をしっかりと理解していなかったため、最後まで総合原価計算、標準原価計算といった根幹の部分が苦手でした。原価計算の分野では、商業簿記にも増して問題演習が大切だと言われています。仕掛品のボックス図を書き、月末仕掛品と完成品の値を計算し…といった流れは体で覚えるしかないと思いますが、個人的には、原価計算基準の原文を読むことが同じくらい重要かと思います。なぜなら、理論対策としてはもちろんのこと、計算分野のほぼ全ての方法や考え方が載っているからです。原価計算基準をもとに原価計算を行うので、当たり前といえば当たり前ですが、ひたすら問題集ばかりに取り組んでいた私にとっては意外な盲点でした。

しかし、会計法規集やインターネット上にあるPDF版の原価計算基準は、正直、非常に読みづらいと思います。そこで私は、3色のマーカーを使い、自分なりに理解しやすい原価計算を作り上げました。1色目は、すべての章ごとに(例えば、第二章実際原価計算制度)、2色目は講義やテキストで扱われている重要な項目に(例えば、七実際原価の計算手続)、3色目は普段と同じように本文の重要な部分に引く、といった要領です。その上で何度も繰り返し読み込んでいくと、原価計算の全体像を読み取り、体系的に理解できることができました。

丸暗記していた計算手順も理解を伴うと自然と身についたので、同じように苦手とされている方には計算対策、理論対策いずれに対してもおすすめしたいです。

1級の学習は、会計士試験合格に欠かせない重要なステップ

こうした1級の勉強は、現在行っている会計士試験の学習の重要なウエイトを占めています。会計士試験では、1級の各科目に比べ理論問題の比率が上がりますが、計算部分に関してはより高い精度が求められるものの、出題範囲はほとんど共通しています。

しかも、会計士試験を合格するためには、計算科目で安定的な得点を稼ぐ力が重要であることから、1級範囲のマスターが欠かせないと思います。このことは、短答式試験を1度受験して、身に染みて感じました。

1級を合格した翌月の12月短答を受けて、主に計算分野での失点から不合格という結果になりました。短答式試験では、幅広い論点を問われるため、計算力の網羅性が足りなかったのだと思います。この合格体験記を書いている現在では、5月短答・8月論文に向けて、改めて計算科目の基礎力の徹底を図っています。

以上のことから、1級の学習は会計士試験の登竜門というだけでなく、合格に欠かせない得点力を育成させる重要なステップだと思いました。

最後に

「簿記の勉強=問題演習」というスタンスを継続すること

森 大地さん

日商簿記1級の難易度は、比較的多くのビジネスマンの方が取得している2級と比べて非常に高いと言われています。しかし、2級合格者が1級を勉強し始めて強烈な難易度を感じるかというと、決してそうではないと思います。むしろ、基本的には2級で習った知識の枝葉を広げていくイメージです。連結会計や税効果会計など、一部の新たな概念もありますが、簿記の知識ゼロから仕訳や帳簿組織の概念を理解することの方が何倍も難しかったと思います。

2級まで合格された方なら、簿記の勉強=問題演習という認識を持たれていると思うので、そのまま同じスタンスで勉強をしていけば必ず合格できると思います。1級の学習の道のりは長く、社会人の方はもとより学生の方でも合格に必要な勉強時間を確保するのは大変かと思います。

しかしながら、私個人的としては、勉強ペースが早かれ遅かれ合格に必要な勉強の絶対量は必ず存在すると考えています。だからこそ、すでに1級を何度かチャレンジしている方は着実に合格レベルの勉強量に近づいていると思うので、ぜひともあきらめずに頑張って欲しいと思います。

後輩へのメッセージ

これから1級、あるいは会計士試験まで挑戦するという方は、いずれの試験も合格レベルの絶対的な力が求められる試験で、ある地点のレベルに到達したら必ず合格すると言われています。特に1級に関しては、各論点の問題を即答レベルまで繰り返し解くことができれば合格できることを実際に体感しました。

そして、合格のためには日頃の勉強から「絶対的な問題演習量」をクリアできるかを意識することが大切だと思います。その壁を乗り越えさえすれば必ず合格できるはずなので、ぜひともあきらめずに頑張ってください。

1級を受験される方の合格を心より応援したいと思います。

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