簿記は確定申告に役立つ？複式簿記を学び、青色申告で最大65万円控除も可能に？！

はじめに

確定申告は、毎年2月中旬～3月中旬に実施されています。
実は、個人事業主・自営業、フリーランスの方だけでなく、副業で20万円以上の収入がある方、給与所得が原則2か所以上ある方なども、確定申告の義務があります。

しかし、いざ確定申告をする際には、書類作成や手続きに戸惑い、悩まれる方も多いのではないでしょうか。

「帳簿はどのように作成するのか」
「どこまでが経費に認められるのか」
「この経費はどのような項目に分類できるのか」

こうした疑問は、簿記の知識で解決できるかもしれません。

さらに、簿記を学習し、複式簿記を理解することで、青色申告による 最大65万円の控除まで狙える可能性があります。
今年こそ確定申告で嫌な思いをせず、有利に手続きをするために、簿記の学習を始めませんか？

確定申告とは

確定申告とは、「個人の1年間の所得とそれに係る税金を計算し、正しく納税するための手続き」のことです。

自営業の方やフリーランスの方など、すべての個人事業主には、事業にかかわる収入や必要経費などを記録する帳簿を作成し、確定申告をする義務があります。

近年は、個人事業主の方ではなく、会社員の方であっても、年間20万円以上の副業収入がある方や、給与所得が原則2か所以上ある方で、確定申告の必要な方が増えています。
※確定申告が必要な方の詳細については、こちらの国税庁HPよりご確認ください。

令和7年分　確定申告について

令和7年分（2025年分）の所得税・贈与税の確定申告期間は、原則として2026年（令和8年）2月16日（月）から2026年（令和8年）3月16日（月）までとなっています。確定申告が必要な方は、忘れずに手続きをしましょう！

なお、令和7年分（2025年分）確定申告書の提出方法には、次の2つからお選びいただけます。

・お手持ちのスマートフォン・パソコンで自宅などから「e-Tax」で送信（提出）
・郵便等により住所地等の所轄税務署へ送付する、または所轄税務署の窓口（確定申告会場）で提出

※必要な書類やお手続きの詳細については、こちらからご参照ください

確定申告の種類　～白色申告と青色申告とは～

確定申告には、白色申告と青色申告の2つの方法があります。
白色申告は、申請に条件がある青色申告以外の確定申告を指しています。白色申告は、比較的簡単に提出できますが、控除額が少なく、節税メリットも限られます。

一方、青色申告は、事業所得・不動産所得・山林所得に該当する所得があり、提出期限までに「青色申告承認申請書」を提出した人が選択できます。
青色申告を行うと、特別控除で10万円、55万円、最大65万円の控除を受けられます。

※最大65万円の控除は、e-Tax（国税電子申告・納税システム）を使用する必要があります。

確定申告に使われている単式簿記と複式簿記

実は、これらの確定申告には簿記の知識が使われています。
白色申告の場合は「単式簿記」、青色申告（※）の場合には「複式簿記」で申請書類を作成する必要があります。
（※10万円控除を除く青色申告の場合）

単式簿記とは、収入と支出といった金額の増減のみを記帳するシンプルな方法です。
例えば、現金の残高がどのように増減したかを記録する、お小遣い帳などが単式簿記になります。

一方、複式簿記とは、「お金の動きには必ず2つの側面がある」という考え方に基づき、取引を二面的に記録する方法です。一般的に「簿記」というと「複式簿記」のことを指しています。

複式簿記は、「資産」「負債」「収益」「費用」「純資産（資本）」の5つのグループに仕分け（分類）して管理します。
例えば、商品を売ったときには「売上が増える」と同時に「現金（または売掛金）が増える」、商品を買ったときには「仕入が増える」と同時に「現金が減る」というように、1つの取引を2つの側面から記録します。

この仕組みを理解すれば、自然と青色申告の書類作成にも役立ちます。

簿記が確定申告に役立つ理由

簿記を学ぶことにより、青色申告の場合に提出しなければならない「決算書」、「貸借対照表」や「損益計算書」を作成できるようになります。

簿記のルールに沿って整理すれば、漏れや重複のない正確な帳簿を作れます。
つまり、確定申告時に「どこに何を記入するのか」が明確になり、間違いや修正も減ります。

そして、複式簿記の知識を活用して、売上・仕入・経費などの取引を正しく記録できるようになることで、最大65万円の青色申告特別控除といった税制上のメリットも受けられる可能性があります。

※日商簿記3級講座の単元(2)では、「貸借対照表」・「損益計算書」とは何か、簿記の意義ついて解説しています。
以下、URLより日商簿記3級～1級講座の講義動画を体験いただけますので、ぜひご確認ください。

※以下、URLより日商簿記3級～1級講座のサンプルテキストについてもご覧いただけます。

さらに、簿記の知識を活かし、「貸借対照表」や「損益計算書」を作成できるようになることで、決算書の数字の意味が理解できるようになります。

現金の出入りだけでなく、「後でお金を払う・もらう」といった「掛取引」、時間の経過で価値が減っていく「減価償却」など、より実務上の経理処理にもつながる内容が分かるようになります。

さらに、「どの経費が多いか」「どのくらい利益が出ているか」など、数字で把握できるようになることで、単なる「所得の申告」ではなく、事業の経営管理・改善にも役立つのではないでしょうか。

なお、「経費の計算」については、2級の工業簿記で学ぶことができます。より実践的に活かしたい方は、2級まで学習されるのが最適と考えます。

「簿記」を学ぶなら、日商簿記検定の通信講座がおすすめ！

確定申告に役立つ簿記の知識を体系的に効率的に学ぶなら、日商簿記検定の通信講座がおすすめです！

インターネットがつながる環境であれば、スキマ時間でいつでも、どこでも学習できます。
簿記の基礎知識である日商簿記3級の講座については、1日1単元（40分程度）の講義視聴時間が取れる場合、概ね2～3ヶ月程度で視聴が完了できます。

※ちなみに、日商簿記検定3級の合格を目指される場合には、試験対策トレーニングのため、一般的に講義視聴時間の2倍～2.5倍の学習時間が目安になります。

なお、クレアールの簿記検定講座の講義動画は一括配信しており、確保できる学習時間に合わせて受講を進めていただけるため、忙しい社会人の方々にも、スキマ時間を活かして多数受講いただいております。

まとめ

確定申告は、1年間の「お金の流れ」を整理する大切な手続きです。
その基礎となるのが簿記であり、簿記を学ぶことで確定申告の仕組みがしっかり理解できるようになります。

簿記を身につけると、「数字の意味が分かり、申告ミスを防げる」、「青色申告の帳簿を自分で作成できる」、「事業や家計の管理・節税にも活かせるようになる」といった多くのメリットがあります。

「簿記」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、「簿記」を学ぶと確定申告の流れやお金の動きが分かりやすくなります。

ちなみに12月なら、まだ確定申告に間に合います！
毎年の確定申告を少しでも楽に、そして自信をもって行うために簿記を学び始めてみませんか？