K.Sさん(54歳、男性)
【合格科目】法人税法(2)
【受講コース】2023・2024年合格目標講座 1年2科目合格セーフティコース法人税法+消費税法 Web通信
【職業】会社員
【1日の平均学習時間】平日4時間、休日5時間(休日:試験直前は8~10時間)
【試験までの総学習時間】1000時間
※合格科目のカッコ内の数字は受験回数です。
受験の動機とクレアールを選んだ理由
大学卒業後、一貫して経理ファイナンス畑を歩んできて50歳を過ぎ、残りの会社員人生を考えた際に、もう一度会計全般を体系的に学習しようと一念発起し、まずは簿記1級の学習に取り組みました。
経理の実務経験が30年以上ありましたので、簡単に合格できるだろうと高をくくって独学で学習を始めたのですが、2回受験し2回とも不合格となりました。
そこで、根本から学習を見直そうと考え、通信講座を探していたところ、「非常識合格法」というキャッチ―なフレーズが目にとまりました。
これが、クレアールでの学習を始めたきっかけです。
簿記の講座も非常にわかりやすく、学習半年で簿記1級に合格しました。
同時に学習範囲が重複する税理士試験の財務諸表論も受験をし、そちらも無事合格となりました(簿記論は社会人2年目の時に合格済み)。
せっかく簿記会計の勉強を始めたこと、そしてクレアールの簿記の講座がわかりやすかったこともあり、続けて税理士講座を受講することとしました。
この年齢ですので、今から税理士開業と言う訳にはいかないかもしれませんが、会社の中で法人税法などの知識を持っておくことは業務においても役立つと考えております。
私の学習方法
合格までに2年掛かってしまいましたが、1年目のスタートが1月からでしたので、1年目は基礎的なところを学習する事で精いっぱいでした。
ちなみに1回目の受験は、30点で惨敗でした。
学習時間は2年間で1000時間くらいとなったかと思います。苦戦したのは、理論の暗記でした。
理論の暗記については、覚えては忘れる、そしてまた覚えては忘れる、の繰り返しで大変苦労しました。
通勤中の時間は、主に理論集の暗記に費やしました。
まずは赤字の部分を付属の暗記シートで覆ってスラスラと言えるようになるまで覚える。
その次に、他の部分もマーカーで少しずつ塗りつぶしていき、それもスラスラと言えるようになるまで覚え、最終的にはすべてをマーカーで塗りつぶしても言えるようになるまで、何度も何度も暗唱するという作業を繰り返しました。
あまりの記憶力の衰えに、自分自身に嫌悪を覚えることも何度もありました。
暗記は、自身との我慢比べでもありました。
特に最初の段階では、1つの理論を覚えるのに1時間近くかかることも多々ありました。
また、すべての理論を完全に暗唱できたわけではなく、重要な理論を中心に完全暗記に努め、他の理論はポイントを押さえる、と言ったところで対応しました。
計算問題は、間違った論点やポイントを単語帳に書き留めて、これも通勤中に繰り返して覚えるようにしました。
単語帳は、最終的には4冊ほどになりました。
計算問題については、加藤講師からは10回は解くようにとアドバイスがありましたが、自分が実際に解けたのは6回程度でした。
仕事との両立は難しかったです。
学習2年目に突入した時に、1年目の反省を踏まえてこれだけは死守すると決めて臨んだことは、「学習スケジュールに遅れないこと」でした。
毎週アップされる学習教材は、必ずその週に終わらせるようにしました。
答練などについても、必ずその週遅くとも翌週には提出するようにし、学習ペースを守ることを心掛けました。
出張や会社の決算、予算作成、飲み会などにより、学習時間の確保が難しいこともありましたが、あらかじめ忙しくなることがわかっている週は、その前後の週で追加の時間を必ず確保するようにして学習に取り組みました。
平日は、往復の通勤時間60分、そして19時から24時までのうち夕食と入浴などの時間を除いて3時間を学習に確保しました。
往復の通勤時間は、理論問題集と単語帳の暗記。
そして夜は、昼の理論問題集の再確認、講義のビデオ視聴、そして計算問題。
週末や休日は、1日5時間程度を学習に充てるようにし(最後の3か月くらいは、8時間から10時間)、主に確認テスト、計算問題や答練の復習に充てていました。
私の場合には、消費税も同時に学習をしていたので、上記の学習時間がすべて法人税法と言う訳ではなく、およそ60%を法人税法に充てていました。
通信講座の良い点と悪い点
通信講座の良い点は、他の皆さんも合格体験記で書かれているように、時間の融通が利くところだと思います。
特に、昼間仕事をしている方にとっては、決められた時間の確保は難しいですから、通信で空き時間をうまく使えるところが最大の利点かと思います。
一方、通信講座の悪い点は、自身との戦いの部分が多く、自分に甘えが出てしまうと、つい学習を後回しにして、スケジュールから大きく後れを取ることがあると思います。
他社の講座を利用したことがないので比較はできませんが、個人的に、クレアールの通信講座を利用して良かったところは、加藤講師との相性でした。
質問制度もかなりの数を利用させていただきましたし、質問会なども開催していただき、そちらにも参加させていただきました。
また、答練を通しても答案の書き方などについてもアドバイスをいただきました。
アドバイスの中で一番印象に残っており、その後の学習の方針を変えることとなったのは、「学習の目的は税理士試験に合格する事であり、学者になることではありません。〇〇(私)さんは、細かいポイントまで抑えようとしていますが、限られた時間の中でそこまで突き詰めていくと、いくら時間があっても足りませんよ。そこは割り切って学習する事も重要です。」というものでした。
理論の細かい言い回しや微妙な表現の違いが気になり、自身で調べたり、質問をしたりして多くの時間を割いてしまい、本来の学習ができていなかった、と気づかされました。
最後に
法人税法や他の法律科目は、条文の暗記が多く、しかも範囲が広いため、年齢的な制約(特に記憶力)があったことは否めないと思います。
だからこそ、合格するためのポイントだけに絞って学習するクレアールのアプローチは、私にはあっていたと思います。
私と同じような年齢の方で、一念発起し税理士を目指そうと頑張っておられる方も多くいらっしゃると思います。
私自身50歳を過ぎて税理士試験を始めたときは、家族や周りの方から「税理士試験は記憶の試験だから、無謀だ」と言われました。
ぜひ、年齢だけであきらめることなく学習を継続していってほしいと思います。そこに道は開けていくと思います。