「税理士試験は全く合格できない試験などではない」H.Sさん

H.Sさん(44歳、女性)

【合格科目】財務諸表論(1)
【受講コース】1.5年簿財アドバンス プランD
【職業】学生(大学院生)
※合格科目のカッコ内の数字は受験回数です。

目次

はじめに

私は2021年の税理士試験で簿財2科目を初受験しました。受験した2科目のうち、財務諸表論が合格しました。試験に向けて、どのように学習を進めてきたのかということをお伝えしたいと思います。

受験の動機

私が税理士試験を受験しようと思った理由を、ひと言で端的に説明するのは難しいです。様々な物事を検討した結果、チャレンジしてみようと思ったので、そのことを説明したいと思います。
私は40代の女性で、この10年ほど経理や税務関連を中心に事務の仕事をしてきました。高校を卒業後に最初に描いたキャリアプランは、福祉関係の相談員でした。ですので、当初描いていたキャリアプランを現在は変更しています。
短期大学を卒業後、福祉関係の仕事に実際に就きました。利用者様との関わりはとても充実しており、素晴らしい仕事でした。ただ、福祉関係の文章を書いて、会議や地域の同業者との発表会に参加するということがどうしても苦手でした。他の職員の何倍も努力しているはずなのに、自分は一人前に仕事ができず悩みました。
そこで、子どもの頃の自分を振り返って、苦手だったこと、得意だったことを思い出してみました。学校の授業であれば、得意だった科目は数学と英語、苦手だった科目は社会です。また、小学校から中学校まで習っていた珠算は、検定試験で段を取っており、塾を代表して競技大会に出場していました。特に暗算が得意で、学校で歩く計算機であると言われたこともありました。
福祉関係の仕事は今でも好きなのですが、もしも学校の科目で分類するのならば社会かなと思いました。私は、苦手を自分の職業として選択してしまったのではないかと考えました。そして、社会の中で長く働いていくためには、好きか嫌いかという判断規準よりも、自分にとって得意か苦手かを判断基準にして職業を選びたいと考えるようになりました。そこから数字を扱うこと、特に珠算で扱っていたようなお金を計算することを活かす方向に少しずつシフトしていきました。そのように考えたのが30才の頃です。
その後、パートタイムで事務の仕事をしながら、簿記、税法、会計ソフトの扱い方などを少しずつ学んでいきました。そして、それを始めた最初の段階から、税理士試験を目指すかどうかということは頭の片隅にありました。ただ、あまりに大きすぎる目標で、自分が目指すなんて相応しくないのではないかという思いがありました。それなので、少しずつ勉強してみて、学習内容の方向性と自分の適性があっているか、慎重に確認していました。そして、やってみればやってみるほど、お金の計算をすることが自分に向いていると感じるようになりました。しかし、そうは言っても、すぐに税理士試験を目指す勇気は持てませんでした。
そして、地域の一般事業会社での経理の職を探しました。しかし、ここで安定した就職をすることが難しいという壁にぶち当たりました。経理などの管理部門は、企業内では規模縮小の対象になりやすい部門だと思います。就職活動をする時に、求人一覧を眺めると一見多くの仕事があるように見えます。でも、実際に活動してみると、私の暮らす地域では女性の場合短時間のパートタイムか派遣社員でなければ就業できないことが多いことがわかりました。その時点の自分のスキルでできる就職活動は必死で頑張ってみたのですが、限界を感じるようになりました。
私は40代で、新卒の方と違い就職市場において若いと受け取ってもらうことができない年齢です。それでも、私にとってはまだまだ20年以上は社会の中で働いて暮らしていかなければいけません。それにあたっては、私はお金を計算するのが得意であるという部分を活かしていった方がいいはずです。それならば、その分野で自分を高めていくしかないと考えました。長くなってしまいましたが、それまでチャレンジしてこなかった税理士試験を受験しようと思い至ったのは、このような経緯です。

クレアールを選んだ理由

クレアールを選んだ理由は二つあります。一つは他の予備校と比べて負担しやすい価格であったことです。もう一つは、私が受験生活を始める時点で、既に新型コロナウイルスによる感染症により外出しづらい状況になっており、予備校は通信教育で完結する方がいいと考えたことでした。この判断は適切であったと思います。私が受講していたのは、簿財アドバンスコースです。

学習方法

まず、ウェブ講義を受講するスケジュールが遅れないように気をつけました。それは、私がラストスパートの利かない性格だからです。そのように気をつけたいと思っていても、急用が入ったり、体調を崩してしまったり、思うとおりにいかないことが多々ありました。その度に気持ちは焦りました。でも、動画を再生するだけで内容を理解できていなければ次に進む意味もなくなってしまいます。そんな焦りと、でも立ち止まって理解しようという思いとの両方を抱えながら過ごしました。そんな日々は、じれったいばかりでつらく、気持ちの整理をつけるのが難しかったです。ただ、気持ちの整理がついてもつかなくても、目の前のことを一生懸命やるしかできることがないじゃないか、とも考えていました。この部分の悩みは、克服できなかったように思います。
3月でそれまでの仕事を退職し、4月からは大学院に入学しました。3月までは、平日の学習時間は一日平均で1時間ほど、週末は土日の合計で10時間ほどだったと思います。4月以降は、学校のある日は一日2時間ほど、休みの日は一日6時間ほどだったと思います。試験前の一か月間は学校の授業がなかったので、毎日8~10時間勉強しました。総学習時間は700時間ほどでしょうか。
慣れない学校生活と初めての簿財受験が重なり、直前期は非常に苦労しました。理論の暗記を進めているのに、学校で違う分野の授業を受けたり提出課題を作成したりすると、財務諸表論の理論を忘れてしまうのです。
初学だったため、会計学で使われる言葉そのものにも聞きなじんでいない状態でした。それで、一日にひと項目ずつ、重点的に覚える単語やフレーズを決めました。それを、自分の腕に書きました。恥ずかしいですが、こうすることで学習時間の他に、赤信号で車を停車した時、スーパーでレジに並んで待っている時、次の授業が始まるのを待っている時など、何度も同じ言葉を見て、口で唱えて、言葉に慣れるようにしました。時々、うっかり文字が消えやすいボールペンを使ってしまい、その日着ていた洋服の袖をひどく汚してしまうこともありましたが…。それなので、万人に勧められる方法ではないのですが、私にとっては都合のいい覚え方でした。また、講義の中で早い段階で覚えておくように教えていただいた内容については、テキストの写しなどを自分の部屋の壁に貼って、普段から目に入るようにしました。

受験勉強での注意点

受験勉強をするにあたり、意識的にやめたことがあります。それは、税理士試験に関するインターネット検索です。受験経験が無いからこそ、情報が欲しいと思い、当初はインターネット検索をしていました。でも、インターネット検索をかけると、税理士試験に対するネガティブな情報がたくさん出てきてしまいました。そして、受験経験の無い私には、どれが信憑性のある情報なのかさえ判断することができませんでした。それが判断できない私にとっては、信じる必要があるかないかわからないネガティブな情報に触れてしまうこと自体がつらいことでした。
ただ、インターネット検索をやめたことによって、本当に有用な情報を逃していた可能性もあります。それなので、これも万人にいい方法ではないかもしれません。でも、私はビクビクしやすい性格なので、税理士試験に関するインターネット検索をやめたことは、私にとってはいい判断だったと思います。

おわりに

税理士試験を受験してみるまで、一体この試験に合格する人はいるのか、いるとすれば一体どういう人なのか、わかりませんでした。今も完全に把握しているわけではないのですが、実際に受験を経験してみて、全く合格できない試験などではないということはわかりました。
地道な努力は求められると思います。また、そうは言っても予定通りに学習が進まないこともあります。そんな時でも投げ出してしまわずに、もう一度やってみよう、試験当日も怖いけどとにかく受験会場に行ってみよう、と目の前のやらなければいけないことを大切に過ごすのがいいのではないかと思いました。

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