第975条【共同遺言の禁止】
遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができない。
目次
【解釈・判例】
1.共同遺言は、法律関係が複雑になること、自由な遺言の撤回ができないことから禁止される。
2.遺言書(紙4枚を合綴したもの)について、各葉ごとに夫の印章による契印がされているが、その1枚目から3枚目までは、夫名義の遺言書の形式のものであり、4枚目は妻名義の遺言書の形式のものであって、両者が容易に切り離すことができる自筆証書遺言は、975条によって禁止された共同遺言に当たらない(最判平5.10.19)。
3.同一の証書に2人の遺言が記載されている場合は、そのうちの一方に氏名を記載しない方式の違背があるときでも、共同遺言に該当する(最判昭56.9.11)。