第881条【扶養請求権の処分の禁止】
扶養を受ける権利は、処分することができない。
目次
【解釈・判例】
1.扶養請求権は、譲渡、放棄、質入、相殺(505条1項ただし書)、相続の対象とならない。また、債権者が代位行使することもできない(423条1項ただし書)。
2.既に弁済期が到来した具体的な扶養料請求権や、要扶養者を扶養した者から扶養義務者への求償権は、放棄等の処分をしても差し支えない。
3.扶養義務者でないにもかかわらず、自発的に要扶養者を扶養してきた第三者からの扶養義務者に対する求償も認められる(神戸地判昭56.4.28)。
【問題】
要扶養者は、将来の扶養請求権を放棄することはできないが、既に弁済期が到来した扶養料請求権については、これを放棄することができる
【平17-22-イ:〇】
【問題】
要扶養者を現に扶養している扶養義務者の意思に反して、他の扶養義務者が要扶養者を引き取って扶養した場合には、当該他の扶養義務者が扶養料の全額を負担することとなる
【平17-22-ウ:×】