第843条【成年後見人の選任】
① 家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。
② 成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所は、成年被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求により又は職権で、成年後見人を選任する。
③ 成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは成年後見人の請求により又は職権で、更に成年後見人を選任することができる。
④ 成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。
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【解釈・判例】
1.精神上の障害により事理弁識能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判を行う(7条)。
2.成年後見人は複数でもよい。追加的選任も認められる。
3.法人も成年後見人になることができる。その資格については、法律上の制限は特にないが、法人の適格性は、家庭裁判所が個別具体的に判断する。