第839条【未成年後見人の指定】
① 未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。
② 親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。
目次
【解釈・判例】
1.「最後に親権を行う者」とは、未成年者に対して親権を行い、かつ、その者が死亡してしまうと親権を行う者がなくなり、後見が開始する場合の親権者をいう。
2.共同親権者の一方が財産管理権のみを失っている場合に、他方の遺言で指定された未成年後見人の職務は財産管理のみである。
3.指定は、必ず遺言でする必要がある。他の方法ではなし得ない。
4.指定後見人は、遺言の効力が生じた時に後見人に就職したものとみなされる。
5.遺言で複数の未成年後見人を指定することができる。
【問題】
夫婦であるAB間に未成年の子Cがいる場合において、Aが親権を喪失したときは、Bは、遺言で、Cの未成年後見人を指定することができる
【平29-21-オ:〇】