第838条
後見は、次に掲げる場合に開始する。
一 未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行う者が管理権を有しないとき。
二 後見開始の審判があったとき。
目次
【解釈・判例】
1.「未成年者に対して親権を行う者がないとき」とは、親権を行う者が法律上も事実上も存在しない場合をいい、前者は親権者の死亡、親権の喪失、親権の辞任、後見開始の審判などの場合であり、後者は親権者の長期不在、行方不明、心神喪失などの場合である。
2.「親権を行う者が管理権を有しないとき」とは、親権者の管理権喪失の審判の場合または管理権の辞任の場合などである。
3.後見開始の審判があったときは、成年後見が開始する。成年被後見人は、未成年者、成年者を問わない。未成年者が後見開始の審判を受けると、親権者がいる場合でも後見が開始する。
【問題】
未成年者Aの親権者であるBが死亡したことにより、Aに対して親権を行う者がなくなったときは、家庭裁判所は、親族その他の利害関係人の請求により、後見開始の審判をすることができる
【平29-21-ア:×】