民法 第797条【十五歳未満の者を養子とする縁組】

第797条【十五歳未満の者を養子とする縁組】

① 養子となる者が15歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、縁組の承諾をすることができる。

② 法定代理人が前項の承諾をするには、養子となる者の父母でその監護をすべき者であるものが他にあるときは、その同意を得なければならない。養子となる者の父母で親権を停止されているものがあるときも、同様とする。

目次

【解釈・判例】

1.父母の共同親権の下にある15歳未満の子の場合の縁組の代諾は、父母が共同でする必要があるが、父母の一方が所在不明などで親権を行うことができないときは、他の一方が単独で代諾することができる(818条3項)。

2.離婚などによって父母の一方が親権者、他方が監護者であるような場合、代諾権者は親権者であるが、代諾につきその監護者の同意が必要とされる。

3.平成23年改正により、親権を停止されている父母であっても、15歳未満の子を養子とする縁組について同意権が付与された(民834条の2参照)。親権が停止された父母の同意なく15歳未満の子を養子とする縁組がなされた場合、当該父母は、当該縁組の取消しを家庭裁判所に請求することができる(民806条の3第1項参照)。

4.親権者である父母が未成年者である場合は、親権代行者または未成年後見人が代諾する(833条、867条)(昭46.10.20-3333号)。

5.15歳未満の子について真実の親子関係がない戸籍上の親がした代諾による養子縁組は、その親に代諾権がないので一種の無権代理となるが、民法総則の無権代理の追認に関する規定及び養子縁組の追認に関する規定の趣旨を類推して、15歳に達した後は、その養子は当該縁組を有効に追認することができる(最判昭27.10.3)。

6.養子縁組の追認の場合には、事実関係を重視する身分関係の本質に鑑み、民法116条ただし書の規定は類推適用されない(最判昭39.9.8)。

【問題】

他人の子を実子として届け出た者が、その子の養子縁組につき代わって承諾をしたとしても、当該養子縁組は無効であるが、その子が、満15歳に達した後に、当該養子縁組を追認すれば、当該養子縁組は当初から有効となる

【平19-22-エ:○】

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