第377条【抵当権の処分の対抗要件】
① 前条の場合には、第467条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。
② 主たる債務者が前項の規定により通知を受け、又は承諾をしたときは、抵当権の処分の利益を受ける者の承諾を得ないでした弁済は、その受益者に対抗することができない。
目次
【超訳】
① 転抵当、抵当権の譲渡・放棄、抵当権の順位の譲渡・放棄をした場合、債務者や物上保証人などに対抗するためには、その登記をするだけでは足りず、債務者に対して譲渡等の通知をするか、承諾を得なければならない。
② 主たる債務者が、抵当権の処分の通知を受け又は承諾をしているときは、抵当権の譲受人その他の受益者の承諾なくなされた弁済は、受益者に対抗できない。
【暗記】
抵当権の処分の対抗要件
① 債務者・設定者以外の第三者対抗要件 | 登記(177条)。
→ 数人のために処分がなされた場合の権利の順位は、付記登記の順位による(376条2項)。 |
② 債務者・設定者への対抗要件 | 抵当権の処分者からの債務者に対する通知、又は債務者の承諾(本条1項、467条)。 |
※ 対抗要件が具備された後は、抵当権の処分の受益者の承諾がなければ、処分をした抵当権の被担保債権について弁済をしても、受益者に対抗できない(本条2項)。