第280条【地役権の内容】
地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。
目次
【超訳】
地役権者は、ある土地(要役地)の便益のために他人の土地(承役地)を利用する権利を有する。ただし、公序良俗に反する内容の権利を取得することはできない。
【解釈・判例】
1.「便益に供する」とは、要役地の使用価値を増大させることを意味する。したがって、要役地所有者が承役地において植物を植栽することを目的とするような地役権を設定することはできない。
2.地上権者や永小作人等、土地利用権を有する者も、自己の利用権の範囲内において地役権設定の主体となることができると解されている。
3.要役地は一筆の土地であることを要し、一筆の土地の一部のために地役権を設定することはできないが、承役地の一部に地役権を設定することは差し支えない(不登令別表35添ロ参照)。
4.地役権の対価(地代)については、民法上特に規定されていない。判例は「地代支払の特約は単に債権的効力を有するにすぎない」として、地代は地役権の内容を構成しないとしている(大判昭12.3.10)。
【問題】
地役権を設定する際には、地役権者が承役地の所有者に対して支払うべき土地使用の対価の額を定めなければならない
【平30-11-イ:×】