民法 第251条【共有物の変更】

第251条【共有物の変更】

① 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。事項において同じ。)を加えることができない。
② 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。

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【解釈・判例】

1.「変更」とは、山林の伐採のような物理的変更のほか、売却や抵当権の設定等の法律的処分も含むと解されている。抵当権の設定は所有権喪失の可能性があるからである。

2.共有者全員の同意を要する「変更」には、共有物の形状又は効用の著しい変更を伴わないもの(軽微変更)は含まれない(本条1項括弧書)。

3.所在等不明共有者がいる場合、裁判所の決定を得て、所在等不明共有者以外の共有者全員の同意により、共有物に変更を加えることができる(本条2項)。

4.関連判例
 (1)共有者の一部が他の共有者の同意を得ることなく、共有物に変更を加える行為をしている場合、他の共有者は、各自の持分権に基づき、当該行為の全部の禁止を求めることができる(最判平10.3.24)。
 → 特段の事情のある場合を除き、当該行為により生じた結果を除去して共有物を原状に回復させることを求めることもできる。

 (2)AとBが共有する土地をAが勝手に自己の単独所有に属するものとしてCに売却した場合、Aの持分を超える部分については、他人の権利の売買としての法律関係を生ずる。また、Aは、自己の持分の範囲内では約旨に従った履行義務を負う(最判昭43.4.4)。

【問題】

A及びBが甲土地を共有している場合において、Aが甲土地の自己の持分に抵当権を設定するときは、Bの承諾を得なければならない

【平24-9-イ改:×】

【問題】

A、B及びCが甲土地を共有している場合において、Aが、B及びCの同意を得ずに、農地である甲土地について宅地造成工事をしているときは、Bは、Aに対し、その工事の差止めを請求することができる

【平27-10-ア改:○】

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