民法 第180条【占有権の取得】

第180条【占有権の取得】

占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。

目次

【超訳】

占有権は、事実上自己に利益を帰属させようとする意思を持って、物に対する事実上の支配を及ぼすことによって取得される。

【解釈・判例】

1.占有制度とは、人が現実に物を支配している状態を捉えて、それが法律上の根拠(本権)に基づくか否かに関係なく、その事実上の支配状態そのものに一定の法律上の効果を付与する制度である。

2.占有権取得の要件

(1)「所持」

物に対する事実上の支配状態をいう。必ずしも物理的に物を支配している必要はなく、社会通念上、物がその人の事実的支配内にあると認められればよい。

(2)「自己のためにする意思」

事実上自己に利益を帰属させようとする意思をいう。「自己のためにする意思」の存否の判断は、所持者の主観を問わず、所持を生じた原因から純粋に客観的に判断される(最判昭45.6.18)。

3.被相続人が相続開始の当時占有していた物は、相続により当然に相続人に承継され、占有権もその効果として承継される(最判昭44.10.30)。相続人がその物を所持・管理しているか否か、相続開始を知っているか否かを問わない。

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