第735条の2【社債権者集会の決議の省略】
① 社債発行会社、社債管理者、社債管理補助者又は社債権者が社債権者集会の目的である事項について(社債管理補助者にあっては、第714条の7において準用する第711条第1項の社債権者集会の同意をすることについて)提案をした場合において、当該提案につき議決権者の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社債権者集会の決議があったものとみなす。
② 社債発行会社は、前項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされた日から10年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
③ 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求
二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
④ 第1項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされる場合には、第732条から前条まで(第734条第2項を除く。)の規定は、適用しない。
目次
解釈
1.社債権者集会の目的である事項について提案がされた場合に、当該提案につき議決権者の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社債権者集会の決議があったとみなされる(本条1項)。
2.本条1項の規定により、社債権者集会の決議があったとみなされた場合は、当該社債権者集会の決議について裁判所の認可を受けることを要しない(本条4項)。議決権を行使できる社債権者の全員が同意をしていることから、その保護に欠けることはないと解されるためである。