第576条【定款の記載又は記録事項】
① 持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 社員の氏名又は名称及び住所
五 社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別
六 社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準
② 設立しようとする持分会社が合名会社である場合には、前項第5号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。
③ 設立しようとする持分会社が合資会社である場合には、第1項第5号に掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。
④ 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第1項第5号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。
暗記
持分会社の定款の絶対的記載事項
共通の記載事項 |
特有の記載事項 |
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合名 |
目的、商号、本店の所在地 社員の氏名(又は名称)・住所 出資の目的・価額(又は評価の標準) |
社員の全部を無限責任社員とする旨 |
合資 |
社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨 |
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合同 |
社員の全部を有限責任社員とする旨 |
解釈
①四 「名称」とあることから、法人も社員となれる。民法上の組合は不可。
六 無限責任社員の出資の目的は、金銭・現物出資等の財産出資に限られず、労務や信用などでもよい。財産出資の場合はその価額を、労務出資や信用出資の場合は、その評価の標準を定める。
問題
持分会社の社員の最低員数は、いずれの種類の持分会社においても、1人である
【平19-34-ア:×(合資会社の最低員数は2人)】
問題
持分会社の社員については、いずれの種類の持分会社においても、その全員の氏名又は名称及び住所について、これを定款に記載するとともに、登記しなければならない
【平19-34-イ:×】
問題
合資会社の有限責任社員については、労務による出資も許されるが、合同会社の社員については、その出資の目的は金銭その他の財産に限られる
【平19-34-エ:×】
問題
法人は、合同会社の社員になることができるが、合名会社及び合資会社の無限責任社員になることはできない
【平20-35-ア:×】
問題
合同会社は、社員名簿を作成し、これに社員の氏名又は名称及び住所を記載し、又は記録しなければならない
【平21-31-イ:×(持分会社にこのような規定はない。会121条参照)】