第390条
① 監査役会は、すべての監査役で組織する。
② 監査役会は、次に掲げる職務を行う。ただし、第3号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。
一 監査報告の作成
二 常勤の監査役の選定及び解職
三 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定
③ 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。
④ 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。
解釈
②ただし書 監査役会設置会社においても各監査役は独任的に監査を行う。監査役会の監査は各監査役の監査を統合する役割。
②一 監査役会は各監査役が作成した監査報告をもとに、監査役会としての監査報告を作成する。
③ 社外監査役であっても、常勤監査役となることは可。
比較
監査役会と監査委員会の差異
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監査役会 |
監査委員会 |
構成員の役員としての地位 |
監査役(390条1項) |
取締役(400条2項) |
職務の分掌 |
各監査役の独任制(390条2項柱書ただし書) |
委員会として監査する(404条2項) |
社外取締役・社外監査役の員数 |
監査役は3人以上で、その半数以上が社外監査役(335条3項) |
監査委員の過半数は、社外取締役(400条3項) |
常勤者の選定 |
選定必要(390条3項) |
常勤者は存在しない |
会社の業務・財産の状況の調査 |
各監査役が行使する(381条) |
監査委員会が選定した監査委員に限り行使できる(405条1項) |
会社と取締役との間の訴訟を代表する者 |
各監査役が代表する(386条) |
監査委員会が選定した監査委員が代表する(408条1項) |
監査報告の作成 |
各監査役と監査役会が作成(381条1項、390条2項1号) |
監査委員会が作成(404条2項1号) |
報酬の決定 |
定款の定め又は株主総会決議がなければ、監査役の協議(387条2項) |
報酬委員会の決定(404条3項前段) |
会計監査人の選解任・不再任に関する議案の内容の決定 |
監査役会が行う(344条3項、1項参照) |
監査委員会が行う(404条2項2号) |