吉田 直樹さん
司法書士を志した理由
私は大手IT企業でSEとして約14年間働いてきました。
業務内容自体は自分に合っていると思っていましたが、今後の自分の働き方を考えた際、
組織に依存しない、個人の力を活かした働き方をしてみたいと思うようになりました。
その為には資格取得が確実だと考え、所謂、士業を比較検討した所、司法書士は独立開業が十分に可能である点、受験資格上の制約がない点、合格後は実務に比較的スムーズに入って行き易い点に魅力を感じ、司法書士試験に挑む決意をしました。
クレアールを選んだ理由
主な理由は、以下の通りです。
- 価格が安い
- 単元という単位(約60分)で講義が構成されている為、連続してまとまった時間が取れなくても講義が受講可能である
- 安心保証プランというオプションがある
特に惹かれたのが安心保証プランで、万が一、不合格でも次年度は追加料金が発生しない為、経済的にかなり助かると思いました。
安心保証プランという制度を採用しているのはクレアールだけかと思います。
また、複数のコース設定があり、どのコースが自分に最も当てはまるのか検討する際も フローチャートで判断する事が出来て、迷う事が無かったのも良かったです。
実際のクレアールの印象
テキスト、過去問、答練、模試のいずれをとっても無駄を削った、非常にシンプルな構成でした。
会社法の条文等、条文のままではなかなか理解する事が難しい箇所については、択一六法の超訳を確認する事で要点を掴む事が容易に出来ました。
権利関係をイメージするのが難しいものや情報が複雑に入り組んでいるものについては、講義中にパワーポイントのスライドを使用して丁寧に解説して下さる為、記憶や知識の定着に役立ちました。
1000問ノックWebテスト
1000問ノックWebテストはかなり重宝しました。
私は兼業受験生で平日はまとまった勉強時間が取りにくい為、通勤時や空き時間に何度も活用していました。
本試験当日も直前まで1000問ノックWebテストでウォームアップをしていました。
約1000問というボリュームも丁度良いと思います。
答練・模試
答練や模試について、正答率という指標を活用する下記の方針は効果的でした。
- 正答率50%以上の問題で間違えたものは、本番までに必ず正解出来るようにしておく事
- 合格レベルにある受験生は、正答率40%台の問題についても正解出来るようにしておく事
今までは全ての問題を復習対象にしていた為、復習作業にかなり時間が掛かっていました。
しかし、上記の観点で復習作業を進めると、スムーズに答練や模試の復習作業を終える事が出来、残りの勉強時間を弱点補強に充てる等、時間を有効活用する事が出来ました。
また、各教材をPDFで配布している点も助かりました。
私は実施済の答練について、時間を空けてから再度問題を解いていました。
その際にPDFでダウンロード、印刷して、メモ書等の無い新しい状態で問題を解いていました。
結果、前回実施時と比較して実力がついているかどうか、間違えてはならない問題が正解出来ているかどうかを正確に確認する事が出来ました。
講師
講師の先生方では、浅沼賢治講師が印象に残っています。
今までは商業登記の記述式問題の情報整理の方法について深く考えた事が無く、得点に波がありました。
講義で答案構成用紙を使って時系列に情報を整理していく方法を教わった事で得点が高いレベルで安定する様になりました。
また、直前期の過ごし方についての講義では、様々な助言を頂けました。
その中でも特に印象に残っているものは、以下です。
- 自分だけに合った作戦(解く順番を決めておく等)を確立しておく事
- 楽しんでいる暇は無い
- 最後は気力
サポート体制
クレアールは受験生へのサポートも手厚いと思います。
法務省からの情報や法改正等、学習管理システムのダッシュボードを通じて遅滞無く知る事が出来ました。
こちらから請求しなくとも、本試験の願書を提供頂けたのは有難かったです。
受験業界も情報が氾濫し、誘惑も多い為、私はクレアールから展開される情報のみを確認対象として受験勉強に集中していました。
結果、情報戦で後れを取る等の不都合は一切ありませんでした。
長期化した理由
私は他校で5年間、クレアールで1年間受験勉強を続け、記念受験を含めると、6回目の受験で合格しました。「予備校の方針に素直でなかった」「受験勉強自体を軽く見ていた」が私の場合の長期化要因です。
受験生1年目に初学者向けの講座を受講していたのですが、講師の先生が「チェックした所だけ押さえれば良い」と仰っていたにもかかわらず、「これでは足りないだろう」と自分の判断でチェック箇所以外の箇所も押さえようと躍起になり、結果、消化不良に陥りました。
講義にもついていけなくなり、試験会場の雰囲気を確認する為だけに受験したのが受験生1年目でした。
2年目以降、心を入れ替えて真剣に、素直な姿勢で挑んでいれば、早く合格していたのかもしれませんが、「無理のない範囲で勉強を続けていけば、そのうち合格するだろう」と安易に考えていたのが災いし、択一式の基準点に届かず、足切りとなる年が続きました。
クレアールでの学習
クレアールに移籍する際に、危機感を抱いて心機一転し、素直な気持ちになれたのが今から思えば合格への第一歩だったと思います。
リベンジ宣言には、「素直な姿勢で講義を受講し、繰り返しを意識しながら、1年間を乗切る所存です」と記載しました。
実際の講義では先入観を持たず、全て新しい知識を習得する姿勢で臨みました。
ベテラン受験生にもなると、講義中に「その知識はもう知っているよ」となりがちなのも分かります。でも、それが油断や隙を生むのも事実です。油断や隙が積み重なると、本試験での得点差、順位差、合否差を生むのかもしれません。
「素直である事」は、現状を打破し、合格に近付く為の必要十分条件だと思います。
逆風を逆風と捉えない気持ちの強さが必要
令和2年度本試験はコロナ禍により、試験日が延期になる等、過去に無いイレギュラーなものでした。
但し、試験日の延期は私にとっては好都合でした。
本来は、答練と模試を消化して約1ヶ月後に本試験に突入するスケジュールでしたが、もっと準備期間が欲しいと思っていたからです。先行きが見えない事を理由に、もし延期期間中に受験勉強を止めていたら合格は無かったと思います。
延期期間中は弱点の強化や不足点を補う為、以下のメニューを主に消化していました。
- 過去問で重要だと判断した問題については既に付箋を貼っていた為、その問題のみを徹底的に何回も解く
- 科目毎に作成した間違いノートを徹底的に何回も確認する
- 答練の択一式問題を再実施し、到達度を確認する
- 記述式ハイパートレーニングを徹底的に何回も解く
重要なのは、「上限を作らない」という事です。
本試験前日までペースを落とさず上記のメニューを実施していました。
勉強期間が延長され、きつかったのは確かです。気力と体力が枯渇しそうになった時期もありました。
その状況下でも私を支えたのは、過去の本試験で落ちた時の悔しさや「何が何でも合格する」という強い気持ちでした。
「負けたままでは絶対に終わらせない」という執念が私を動かしていました。
この試験は技術も大切ですが、最後の決め手は執念や覚悟だと思います。
本試験会場
態勢をより万全にする為、試験会場の下見、持ち物リスト作成も行いました。
試験会場も当初の場所から変更され、自宅からより近くなり、最寄駅から徒歩数分の場所になりました。この点は非常に幸運だったと思います。
私は試験会場を2回、下見しました。1回目は純粋にこの目で試験会場付近の雰囲気を見ておきたいと思った為です。2回目は試験会場までのルートを再確認し、確定させておく事で、本番当日は何も考えずに試験会場まで行ける様にしておく為です。
持物リスト作成も本番前日や本番当日に慌てて荷物を準備するのはマイナスに作用すると考え、何回かリストを修正しながら、本番2週間前から詰め込む鞄等も用意して、リハーサルを複数回実施しました。リハーサルをすると、「明日が本試験なのだ」と気持ちも本番前日仕様となり、メンタル面の確認も出来ました。
試験会場から遠方にお住まいの方であっても、少なくとも1回は下見をしておいた方が良いと思います。
昨年と試験会場に変更が無かったとしても、下見は必要だと考えます。
当日いきなり知らない場所に行くと、脳のエネルギーを余計に消費する事になると思います。
また、知っている試験会場でも実際に行ってみると、気持ちが引き締まります。
ライバルは万全な準備をしている筈なので、ライバルと対等に戦う為にも必要な行動だと思います。
最後に
合格発表当日は、すぐに結果を確認するのが怖く、少し時間を置いてから確認しようと思っていました。
所用で外出していた間にクレアールの事務局から電話があり、「受験番号を確認する事が出来ました。合格おめでとうございます。」という留守電メッセージを聞いた時、心と体が震えていたのを覚えています。
実際に自分の目で番号を確認した時、言い様の無い解放感が広がりました。
妻に合格を報告すると、「良かったね。やっぱり努力は裏切らないんだね。」と言葉を掛けて貰いました。
長年、私の受験勉強を傍で支えてくれた本人からの言葉なので、重みを感じました。
最後に、私の受験勉強を支えてくれた家族、合格へと導いてくださったクレアールの関係者の全ての方々にこの場をお借りして感謝の意を表したいと思います。
本当に、有難うございました。