合格体験記『苦難の道を乗り越えて掴み取った司法書士試験合格』片桐 俊彦さん

片桐 俊彦さん

 

目次

司法書士を目指した理由

 まともな社会人として食べていけるようになるためです。自分は大学時代に堕落してしまい、社会に出てからどうなりたいか等について確固たる考えもなく、卒業後に就職した会社も半年ほどで辞めてしまい、その後はアルバイトを転々としてその日その月を暮らすという残念な人生を送っていました。さすがに「このまま中年を迎えるのはまずい」と思っていた頃に、高校の同級生が司法書士試験に合格したことを知りました。自分は高校時代成績も良く、特に記憶力には自信があったので「あいつが受かるのなら」という軽い気持ちでやってみようと思い立ちました。今振り返ると、この軽いノリが、その後の長期受験の泥沼にはまる一因だったように思います。

 そういうわけで、合格するための勉強法についてはあまりアドバイスできる立場にはありません。そこは是非とも短期合格者の方のお話を参考になさって下さい。自分は反面教師的な観点から語っていきたいと思います。

 

クレアールで学習して良かった点

 教材、WEB講義ともに徹底してムダをそぎ落とし、「試験に出るところだけ勉強する、それ以外のことはやらない」という鉄則が守られていると感じました。また、答練・模試については、単に問題冊子や解答・解説冊子を送るだけではなく、返却の際の案内の中で科目別の解答の傾向や例えば「この問題はもっと正解してほしかった」とか、記述式であれば総評でひな形のミスや実体判断の成否についての細かい指摘といった、その後の学習に役立つ丁寧なアドバイスがとてもありがたいと思いました。

 

苦難の道のり(7年目までの受験)

 実に今年がお試しも含めて11回目の受験でした。長引いてしまった理由としては、「本気度が足りなかったこと」「自分の力を過信していたこと」の2点が挙げられます。4回目までは、某有名講師の基本書シリーズを使って自己流で勉強していました。過去問もただ解いているだけの状況だったので、当然実力が伸びるはずもなく、「自己流で合格は無理だ」と気付き(←遅い!)、クレアールの中上級パーフェクトコース安心保証プランへ申し込みをしました。

 しかし、同時期に仕事がどんどん忙しくなっていったことが状況をさらに苦しいものにしていきました。勉強は朝の時間帯が最も集中できるということで、13時から21時30分位までのシフトで働くアルバイトをしていましたが、次第に0時すぎから未明、果ては日の出時刻も超えるなど、ブラック度合いが急速にエスカレートしていきました。休日は疲れを取ることに時間を費やし、勉強に身が入らない状況が4年ほど続きました。しかし、「こんなことでは、受かるはずがない」と思いながらでも、受験自体を諦めようとは思わず、本試験も毎年受けました。本試験を1年のペースメーカーにするという考えが妥当か否かはさておき、場数を踏んでおくのは有益なことだと思いましたし、受験をしないことで1年でも空白を作ることにより本試験の変化に気づけないなどのデメリットを生むおそれがあるとも考えたからです。

 そして7回目の受験1か月前には仕事を辞め、「さあ勝負に出るぞ」と思ったのも束の間、今度はそれまでの反動から開放感が先に立ってしまい、夕方には勉強を切り上げてビール片手に野球中継という従来の生活パターンのままで本試験を迎えました。結果は初めて基準点を超えましたが、上積みが全く足りませんでした。

 

苦難の道のり(8年目~合格まで)

 次の8年目では朝~夕の一般的な職場に転職し、5時起床で出勤前の2時間勉強、土日は朝から夜まで勉強というやり方で行きました。その結果、午前28問、午後択一29問、記述は40.5点、合格まであと1点でした。Aランクの問題をいくつも落とすという実にもったいない負け方でしたが、合格のための必要な勉強は「これだ!」という手ごたえは得ることができました。

 しかし、今度はメンタルの弱さという別の壁に直面します。9回目は前年の「あと1点で合格」という自信が悪い方に出てしまい、まるで合格したかのような気持ちで直前期を過ごしていました。何となく違和感を覚えながら迎えた本番では午前で基準点に届かずアウト、そして10回目の昨年は午前でかなりの手応えがあったことで(33問正解)浮ついた気持ちの切り替えができず、午後で大崩れしてしまい、基準点にあと1問及びませんでした。記述式はなぜかある程度は書けていたので、またもあと1問に泣くという結果でした。この点は、もって生まれた邪念の強さというものでしょうか。我ながら呆れるばかりです。

 

今年合格できた要因

 以上の経緯を踏まえ、今年は基礎のさらなる徹底と判断力の追求、そして本番当日は気持ちの切り替えを特に意識して臨みました。

 加えて去年から取り入れたのがいわゆる「情報断ち」です。これは、試験勉強に関する情報(解説講義等)と天気予報以外は一切頭に入れない、目や耳に触れないというものです。これは本当に集中力と判断力の向上を実感できるのでお勧めです。さらにこれをする期間も、去年の本番1週間前から今年は本番2週間前に延ばして追い込みをかけました。

 結果は午前31問、午後択一30問、記述は計52点取ることができました。本試験当日の夜に自己採点をしてみて、午後は難問が多かったので多少不安でしたが、思ったよりもはるかに出来が良くて正直驚いたのを覚えています。正誤の判断に自信が持てない問題はむしろ去年より今年の方が多かったのですが、そういった問題をことごとく拾えたのは、やはり去年の惜敗で得た教訓をきちんと生かせたこと、さらには運も引き寄せることができた結果だと思いました。

 

答練・模試の活用法

 話が前後しますが、自分は中上級コースから始まって上級コース、書式コース、民法と会社法で択一基準点攻略マスター講義を受け直し、そして直前パックと受講してきました。習熟度や弱点克服に合わせて多様なコースがリーズナブルな価格で受けられるのは本当に助かりました。

 この答練・模試の中で案内されている「正答率に着目し」という文言は実に重要です。自分は復習の際に正答率40%~70%の問題が特に合否を分けると考えて、正解・不正解に関わらず入念に分析をしました。また、「この問題は思いのほか正答率が低かった」などの指摘があった問題についても同様に扱いました。

 そして、これはどの予備校でも似たようなものだとは思いますが、今年も的中した問題がいくつもあって、本番中も自分に勢いをつけてくれる要素となりました。

 

勉強に向かう姿勢

「① 本気でやること」「②覚悟を決めること」「③謙虚でいること」。今更と言われようがこれらが不可欠だと思います。本気度が上がれば、自然と言い訳もしなくなるし、できる方法を考えようとするものです。先に紹介した「情報断ち」は、自分が一人暮らしをしているから容易だったのは確かです。家族のいる方には難しいことではありますが、例えばウィークリーマンションを利用するという手もあります。見つける気になれば、選択肢は現れるということです。他に自分は断酒もしましたが、これはさすがにどんな効果があったかはわかりません。しかし、「決めて断つ」のが決断です。今の生活の延長線上に合格があるわけではないと覚悟を決めることで、合格に不要なものは全て遠ざけ、それがより集中力を高めていくことを実感できます。

 そして、自分のように「記憶力には自信がある」といった動機で始めた人は特に謙虚さは重要です。昨今は実にたくさんの成功談に触れることができます。人間はとかく自分に都合の良い点だけを拾って取り入れようとするものなので「そんなやり方でも受かるのか」と思うことも多々あるでしょう。「あの人だから出来た」は当然禁句ですが、一方で世の中にはとんでもなく地頭の良い人が一定数存在するのも事実です。今の自分の立ち位置を冷静に見て、本当にその人と同じやり方で合格できるのか、謙虚な気持ちで考えようということです。実際、短期合格者の体験談を読んでいると、誰にでもできることを「そこまでやるのか」というくらいやっているのがわかります。あと1点、あと1問というところで足踏みが続くことのないよう、これらのことに少しでも早く気付いてほしいと思います。

 

「苦節10年」で感じたこと

 まずは40代後半まで続けさせてくれた両親に感謝です。10年も続けられたことをよく賞賛されますが、それは紛れもなく両親のおかげです。

 さらに自分の支えにしていたのが「吐いた唾は飲まない」「自分にウソをつかない」この2つの想いです。自分には受かる力があると思って始めたわけですから、たとえ仕事との両立が思ったよりきついからと言って投げ出してしまうのは誰が見てもカッコ悪いですよね。「何が何でも」という気持ちがあれば、体裁を取り繕うことなく前に進んでいけるものだと実感しています。そして何より、皆さんは自分と同じ轍を踏むことなく、本気で取り組んで短期での合格を勝ち取ってほしいと願っています。

 

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