合格体験記『司法書士試験は誰も解けない論点を覚える試験ではなく、みんなが押さえている論点をキッチリ押さえることで必ず合格できる試験です』山本 将太さん

山本 将太さん

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なぜ司法書士を目指したか

大学4年生の夏、特に興味のある職業がなく就職活動も行っていませんでした。そんな時司法書士の大叔父から「司法書士にならないか?」と言われて勉強を始めました。自分は経済学部だったので法学の勉強は一切していなかったのですが、就職先の選択肢を増やすために宅建や行政書士などを受験しており、それらの資格の勉強を通じて「法学をもっと学びたい」という気持ちも芽生えたため、司法書士を志すことを決めました。

予備校選びのポイント

実は大学1年生の時にもクレアールの司法書士講座を申し込んでおり、その時送付された教材がしっかりしている印象を受けたのと値段が手頃だったため、クレアールへ申し込みました。令和4年度試験を見据えていた自分にとって合格できなかった際の安心保証プランがあったことも決め手になりました。

クレアールで学習して良かった点

自分は受講を開始したのが試験の4ヶ月前の3月というギリギリのスケジュールだったのですが、テキストや過去問題集は重要な論点に絞られており、効率良く学習をすることができました。答練も様々な論点が載っており、実際に本試験でも記述式で答練の論点が出題されました。択一六法は今回受講したコースはオプションになっていたため申し込んでいませんでしたが、大学一年の頃に受講した際にいただいたものを利用していました。民法は大幅な改正があったので使っていませんでしたが、不動産登記法や民事訴訟法・民事保全法・民事執行法の勉強をする際にはコンパクトに要点がまとめられていて、とても役に立ちました。クレアールといえば択一六法というところもあるので、申し込む方はぜひ択一六法も入手してほしいです。

また、テキストや過去問題集は冊子だけではなく、PDFでも配布されているところも魅力的でした。自分は過去問をiPadに入れて、暇な時間に見返していました。

答練の活用方法

自分は前述の通り3月から講座を受講したので、本試験同様の時間を確保して問題を解く使い方ではなく、基本的には答練も模試もすべてひたすら過去問のように問題を解き、自分の知らない・忘れていた条文や論点を潰すという使い方をしました。

ただ、答練や模試は本番での時間配分に慣れるという目的もあるため、よっぽど時間を確保することが難しいという方以外は本試験どおりに時間配分を行うべきだと思います。

択一は前述の通りに使いましたが、記述は時間以内に解ききることを意識するために50分の時間制限を設けて解きました。

初受験の際は独学で勉強していたのですが、記述式問題のちょうどいい市販の問題集はありませんでした。その結果初受験の記述式は不動産登記15点、商業登記5点という散々な結果でしたが、答練を受けて記述式問題を安定して解くことができるようになり、おかげで令和3年度司法書士試験に合格することができました。答練だけでも受講する価値があると感じます。

学習の進め方

一通り基本テキストを一読したら、とにかく過去問を回すことが大事だと思います。司法書士試験は過去問や条文からの出題が多く、基本的には過去問をとにかく回すことで対応できると感じました。

自分は、テキストを一読し終えたら過去問を回し、わからないところは条文を見て、単語の意味すら理解できない場合はテキストを見直すという勉強方法を取りました。自分は去年も受験しており、今回が2回目の受験でしたが、初受験の際もこの勉強方法で択一式の基準点を突破したため、自分にはこの勉強方法が合っていたのではないかと感じました。

ただし、憲法と不動産登記法は過去問を回すだけでは対策をしきれないので、この2科目は理解中心で学習することをお勧めします。

今年は出題されませんでしたが、憲法は定期的に穴埋め形式の組み合わせ等の推論問題が出るため、過去問だけでは対策しきれません。午前の科目での失点はできるだけ避けたいので、少し時間をかけてでも過去に推論問題として出題されている条文などは理解中心で学習をしたほうがいいと思います。

不動産登記法は過去問が変形されて出題されることが多いため、過去問を回すだけではあまり効率が良くないと思います。また、理解ができていないと不動産登記記述式でも大きな失点をしてしまう可能性が高くなります。(私は過去問で出題された条文をざっくり暗記していただけで詳しく理解をしていなかったため、アレンジされた初見の問題に対応できず、点数の大半を不動産登記法で失点していまいました。)

ですので、もし私が来年受験するとしたら不動産登記法に関してはテキストをよく読み込み、過去問を解き、なぜこの選択肢は間違っているのかわからないといったような問題がある場合は、テキストに戻ってその項目を関連知識も含めて復習するなどじっくり時間をかけて理解を深める勉強法をすると思います。

記述式はまずひな形を覚え、記述式ハイパートレーニングや答練で申請書のひな形を書くことに慣れるようにしました。クレアールの合格書式マニュアルはそれほど分厚くないため、コツコツ覚えていけばなんなく全部覚えることができると思います。本番で急に知らない申請書のひな形を書くことは難しいので、ひとつでも多く本番までにひな形を覚えることに努めました。

記述式ハイパートレーニングや答練は見落としやすい申請や論点などをキッチリ押さえているため、繰り返し解くことで本番でも見落とさずに解くことができると思います。

今年の試験で合格できた秘訣

私は今回で2回目の受験だったのですが、2回目で合格できた理由としては時間配分にあったと思います。

司法書士試験の合格の要は午後の部の試験にあります。どれだけ時間をかけて択一を解いても、記述に割く時間がなくて点数を取れずに基準点落ちしてしまっては意味がないですし、逆に記述のために時間を取ろうとして択一の正解を吟味せずに点数を落としてしまって合格点に届かなくても意味がありません。

私は記述で解く時間を確保するために、マイナー科目を早く解くと決めました。民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、司法書士法、供託法は過去問を回せばほぼ100%対策できるので、とにかく過去問を回し、正解肢を素早く選択する練習をしました。本番でもその練習を活かすことができ、マイナー科目全11問を7分程度で解き、満点を取ることができました。民事執行法・民事保全法は各1問しか出題されない割に範囲が広いため対策をしにくいとは思いますが、出題難易度自体は毎年高くはないのでキッチリ押さえておくと大きな武器になります。

また、自分のわからない論点に直面した際にどれだけ冷静になれるかも大事だと思います。今年の不動産登記の記述は自分にとって本当に難しく、問2、問3をほぼ丸々わからないまま書いてしまいました。その時の焦りから、問題を解けない状態に陥りかけましたが、なんとか冷静さを取り戻し無事に解き切ることができました。

午後の部の試験で大事なのはとにかく冷静さです。「冷静さを欠いているな」と感じたときは、一度鉛筆を置いて深呼吸をしてもいいかもしれません。

本試験当日

自分はまとめノートなどを一切作っておらず、過去問をとにかく周回するだけの勉強方法を取っていたため、試験会場に持っていく教材も多く、おそらく会場で一番重い荷物を持っていたのではないかと思います。本試験を受けたことのある方ならわかると思うのですが、全科目の過去問を持って行ったところでたいして過去問を見ることはないと思います。(見る時間もそこまでないですし…)

なので、時間がある方は自分がわからない・理解していない項目を手書きでもパソコンでもいいのでまとめて、ひとつの冊子にして持って行くことをお勧めします。クレアールはPDFでも過去問を配布しているので、間違えた問題だけプリントアウトして、自分だけの問題集を作るのもいいかもしれません。

午前の部は民法がまったくわからない問題が2つほどありましたが、概ね自信を持って解くことができ、良い精神状態で午後の部の試験に臨むことができました。

午後の部は前述のとおり、マイナー科目を高速で解くことで択一にかかる時間を圧縮し、記述に使う時間を確保する作戦を取りました。結果的には不動産登記法の択一で大幅に時間をかけてしまい、結局記述を解く時間がそれぞれ50分まで減ってしまったため、もしちゃんとマイナー科目対策をしていなかったら、今こうして合格体験記を書いていることはなかったかもしれません。

不動産登記記述は私があまり得意ではない傾向で出題され、残り50分の時点でまだ不動産登記記述が半分しか終わっていない上、解いた問題も枠ズレしているという状況になり、「もう今年は無理だな」と諦めかけました。

ですが、諦めなければ合格する可能性はありますが、諦めてしまうと可能性は0になります。必死に自分を奮い立たせ、最後の数分まで記述を解き、なんとかすべて解き切ることができました。

筆記試験の結果について

午前90点、午後択一式78点、不動産登記記述式13.5点、商業登記記述式32.5点でした。

商業登記記述式が信じられないほど点数が高く助かりました。初受験である去年の試験では商業登記記述式は5.0点だったため、約9ヶ月で27.5点の点数アップに成功したことになります。

午後の部択一式で失点した9問のうち8問は不動産登記法でした。不動産登記法は記述式の点数も低く、この科目は過去問中心だけではなく、理解中心の学習が大事だと痛感しました。

最後に

司法書士試験は誰も解けない論点を覚える試験ではなく、みんなが押さえている論点をキッチリ押さえることで必ず合格できる試験です。クレアールの教材は無駄がなく、合格に必要なことをキッチリ押さえています。人によって効果的な勉強方法が違うため、自分に合った勉強方法を模索し、自分を信じて勉強を続けて是非合格を掴み取ってほしいです。

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