司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民事訴訟法等「訴訟の審理Ⅱ」>

問題1 証拠の申出は、証明すべき事実及びこれと証拠との関係を具体的に明示してしなければならない。○か×か?

正しい。証拠の申出は、証明すべき事実及びこれと証拠との関係を具体的に明示してしなければならない(民訴規99条1項)。裁判所が証拠申出の採否及びその限度を判断するためである。【平20-3-ア】

問題2 証拠の申出は、証拠調べが開始される前は自由に撤回することができるが、証拠調べが終了した後は一方的に撤回することはできない。○か×か?

正しい。証拠の申出は、証拠調べが開始される前は自由に撤回することができる。しかし、証拠調べが終了した後は、申出の目的を達しているので、撤回することはできない(最判昭32.6.25)。【平20-3-ウ】

問題3 裁判所は、管轄に関する事項について、職権で、証拠調べをすることができる。○か×か?

正しい。裁判所は、管轄に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる(民訴14条)。【平27-4-ア】

問題4 裁判所は、職権で、必要な調査を官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は学校、商工会議所、取引所その他の団体に嘱託することができる。○か×か?

正しい。裁判所は、必要な調査を官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は学校、商工会議所、取引所その他の団体に嘱託することができる(民訴186条)。【平27-4-オ】

問題5 証人尋問及び当事者尋問のいずれも、当事者の申立てにより又は裁判所の職権で、することができる。○か×か?

誤り。証人尋問は、当事者の申立てがなければすることができない。一方、当事者尋問は、当事者の申立て又は裁判所の職権ですることができる(民訴207条1項前段)。【平24-4-ア】

問題6 証人尋問及び当事者尋問のいずれについても、呼出しを受けた証人又は当事者が正当な理由なく出頭しない場合の制裁として、過料の規定が民事訴訟法に定められている。○か×か?

誤り。証人が正当な理由なく出頭しないときは、裁判所は、決定で、これによって生じた訴訟費用の負担を命じ、かつ、10万円以下の過料に処する(民訴192条1項)。一方、当事者尋問における当事者が、正当な理由なく、出頭しないときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができる(民訴208条)。【平24-4-オ】

問題7 文書の成立の真正が証明されると、いわゆる形式的証拠力が認められることになるので、実質的証拠力、すなわち、文書の内容が真実であるという推定が働くことになる。○か×か?

誤り。文書の成立の真正が証明されると、形式的証拠力が備わるが、実質的証拠力(文書の記載内容の真実性)の推定が働くわけではない。あくまでも文書が作成者の意思に基づいて作成されたことが認められるだけであって、実質的証拠力の有無は、裁判官の自由心証によって定まる。【平15-3-エ】

問題8 書証の申出は、文書を提出してするか、文書提出命令の申立てをしてしなければならない。○か×か?

誤り。書証の申出は、挙証者自身が文書を所持する場合には、これを提出する方法(民訴219条前段)、相手方当事者又は第三者が文書を所持する場合には、文書提出命令の申立ての方法(民訴219条後段、221条)又は文書送付嘱託の申立ての方法(民訴226条)によって行う。【平19-3-5】

問題9 参加承継は、権利主張参加の方法によるので、従前の訴訟の当事者双方を相手方として訴訟に参加する申出をしなければならない。○か×か?

誤り。訴訟の係属中、その訴訟の目的である権利の全部又は一部を譲り受け、又は訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したことを主張する第三者は、独立当事者参加の方式で(民訴47条)、当事者になることができる。したがって、片面的参加の方式によって参加することができるため、当事者双方を相手方として訴訟に参加する申出をしなければならないわけではない。【平15-4-ウ】

問題10 参加承継によって新たに原告となった者は、従前の原告で訴訟から脱退した者が自白した事実に反する主張をすることができる。○か×か?

誤り。訴訟承継においては、承継人が承継時点における訴訟状態をそのまま引き継ぐ。したがって、承継人は、前主が自白した事実に反する主張をすることはできない。【平15-4-オ】

問題11 口頭弁論が終結した後に訴訟手続が中断した場合には、裁判所は、中断中であっても、判決の言渡しをすることができる。○か×か?

正しい。判決の言渡しは、訴訟手続の中断中であっても、することができる(民訴132条1項)。【平22-3-ア】

問題12 債権者である原告が、債権者代位権に基づき、債務者の被告に対する債権を代位行使している訴訟手続は、原告の債務者に対する債権が消滅したとしても、中断しない。○か×か?

正しい。債権者代位権を行使する代位債権者は、法定訴訟担当の一種に分類されるが、その実質は自己の権利の実現を目的とするものであり、民事訴訟法124条1項5号の資格当事者には当たらず、被保全債権が消滅しても同号の中断事由には当たらない。代位債権者が自己の債権を失った場合には、訴訟要件である当事者適格を欠き、訴え却下によって訴訟は終了する。【平22-3-イ】

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