合格体験記『司法書士試験は、「択一式でなるべく多くの点を取り、記述式では基準点を超えれば良い」くらいの気持ちで臨むのが良い』F.Hさん

F.Hさん

目次

何故司法書士資格を目指したか

私が司法書士資格を目指したのは、司法書士試験に挑戦する前に行政書士試験に合格したことがきっかけでした。もともと独立開業することを最終的な目標としていたのですが、行政書士の資格に加えて司法書士の資格を取得すると独立開業しやすいということを知りました。それに加えて行政書士の試験と司法書士の試験で「試験科目が重複している部分がある」という点も司法書士の資格を目指すきっかけになったと思います。

何故クレアールを選んだか

私が司法書士試験に挑戦すると決めてから試験の本番まで約半年しかありませんでした。「半年では難しいだろう」とは思っていましたが、他の予備校やいろいろなことを調べているうちにクレアールに「合格ルート超短期全力投球コース」という短い期間で合格を目指すコースがあることを知りました。まさに今自分が置かれている状況にぴったりと合致したコースであったので、クレアールに申し込むことを決めました。それにもう一つ重要な部分として、いろいろな予備校や教材がある中で、私が見た限りで値段がとても安かったことも決め手の一つでした。

クレアールで学習して良かった点

クレアールで学習して良かった点は、1単元の講義が1時間前後であり、倍速で講義を受けることができるなど自分に合ったペースで学習することができる点です。さらに、送られてくる教材や択一六法がとても分かりやすく、過去問で問われた部分や、暗記すべき部分などが示されているので繰り返し勉強するのにとても役に立ちました。また、答練の答案を提出する期限が設定されているので、自分の学習状況を把握することができ、今自分がやるべきことも明確になる点も良かったと思います。

クレアールのカリキュラムで有益または活用しやすかった点

クレアールのカリキュラムで有益だった点は、答練の答案を定期的に提出することによって、自分が今どの地点にいるかを確認することができる点です。特に記述式の問題は自分で採点することができないと思うので、自分が記述式でもどのくらい点を取れているかを確認することができたのはとても助かりました。司法書士試験では皆が正解する問題や基本的な問題を落とさないことが大切だと思うので、答案を採点してもらって正答率を知ることができた点も大変有益であったと感じています。

科目別学習法

午前の部

〈民法、商法・会社法〉

司法書士試験は試験科目が多いため、必然的に試験科目によって勉強する時間が違ってくると思います。午前の部の科目ではやはり民法と会社法(商法)が問題数も多いですし、重要になります。民法では過去問で繰り返し問われている論点や答練で問われた論点を中心に一度覚えたことを忘れないようにするために、定期的に繰り返し問題を解き、択一六法などをうまく活用して、重要な部分の暗記をしていくことが大切だったと思います。会社法は、条文の数が膨大で、かつ分かりにくい論点が多いため、民法とは違って条文を暗記するということは困難だと思います。そのため、「自分なりに条文をかみ砕いて理解していくしかない」と感じました。ただ、会社法においては比較することによって覚えられることが多いような気がしたので、自分で表を作るなど工夫して学習するのが良いと思います。商法はどちらかというと条文知識がそのまま問題として出ていることが多いと思うので、過去問や答練で問われているところを繰り返し学習していけば良いと思います。しかし、商法は1問しか出ないので、あまりじっくり時間をかけて学習することは難しいです。かといって全く勉強しなくて良いというわけでもないため、学習の時間配分が難しいです。司法書士試験では1問の正否が合格か不合格につながるため、やはり対策は必要であると思います。そのため、過去問や答練の問題で全体的に学習しつつ、前年の本試験問題を見て、去年はどんな問題が出ているのかを確認した後に「おそらく去年出た問題は出ないだろう」と予想し、私は学習を進めていました。

〈憲法〉

憲法は、判例と条文のバランスが大切だったと思います。過去問で出ているところの判例問題を繰り返し学習していけば大丈夫だと思います。国会や内閣などの統治機構の分野では条文知識が重要ですが、再議決の要件などの数字がややこしかったりするのでこれも表にしたりして自分なりにしっかり覚えられる工夫をしていくことで対策を立てる必要があります。憲法は午前の部の最初の3問で出てきますが、問題文が長かったり、少し複雑だったりするので時間がとられてしまう可能性があります。なので、自分が解ける問題から始めるなどの工夫をするのが良いと思います。ただ、私は最初に問題を飛ばすやり方はあまり好きではなく、1問目から順番に解いていくようにしていました。もちろん、3問すべて正解するつもりでいましたが、最悪2問取れれば良いくらいのつもりでいました。最初の憲法でスラスラと解けていくとすごく心も落ち着いてきますし、心に余裕ができるので最初から順番に解いていくタイプの人は、3問しかないですが、憲法をしっかりと学習することをお勧めします。

〈刑法〉

刑法は、午前の部の科目の中で私が最も時間をかけなかった分野です。刑法においては、ひたすら過去問を解いており、条文やテキストはほぼ読んでいませんでした。今の試験の出題傾向が変わらない限りは十分対応できると思います。ただ、過去問や答練の中には時々全く分からないような問題も出てくるので時間をかけていないといっても過去問に出てくる問題は正解の肢だけではなく、不正解の肢でもなぜそのようになるのか理解できるようになるまで学習を進めていました。午前の部の択一式問題では105点満点中、常に90点は取れるようにすることを意識していました。例年、基準点は70点台前半から80点台中盤位のため、常時90点台を取れれば基準点(足切り)にかかることはないだろうと考えていたからです。

午後の部

〈不動産登記法〉

午後の部の科目に関しては午前の部の科目よりも比較的難しい印象を受けました。その中でもやはり一番重要に感じたのは不動産登記法です。覚えなければならないことが多く、択一式で学習する部分は記述式にもつながるため、時間をかけて過去問や答練を繰り返し学習し、覚えるべきところはしっかりと覚えなければなりません。不動産登記法は午後の部の科目の中で一番問題数が多いので簡単な問題も多いと思いますが、後で採点してみると「意外に間違えている問題が多いな」と感じることもありました。午後の部は記述式問題もあるので絶対に時間が足りないため、自分がマークした肢について問題を解き終えた後に再度検討している時間はなく、覚えた知識をどれだけ正確に使えるかということを意識して問題を解くのが良いと思います。

〈商業登記法〉

商業登記法については全体的につかみどころのない印象でした。記述式の問題と合わせて択一式の過去問を解くことで力はついてくると思いますが、商業登記法が得意科目と言えるまでにはならなかったです。とはいっても不動産登記法に次いで問題数が多いので勉強しないわけにもいきません。ということで、商業登記法においては、「過去問をひたすらにやりこむ」の一択に限ります。

〈民事訴訟法、民事執行法、民事保全法〉

午後の部の科目において最初一番面倒だったと思っていたのが、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法でした。不動産登記法、商業登記法はやればやるだけ理解できるような感覚はありましたが、民訴等に関してはその感覚はあまりなかったです。では、どのようにそれを克服したのかですが、私の場合は「択一六法」の利用でした。クレアールから送られてくる択一六法には条文をわかりやすく解説したものと「暗記」と書かれているところがあります。私はまずその暗記と書かれているところをひたすら暗記しました。次にとりあえず全部暗記した後に過去問を解きました。そうすると以前よりも理解できている感覚がありました。その後はもう暗記と過去問の繰り返しです。ただただひたすらに。それだけです。

〈供託法、司法書士法〉

供託法についても他の科目とほぼ同様です。司法書士法においては1問しか出題されないのであまり手を広げるべきではありません。確かに問題を解いているとよくわからない問題にあたってしまい不安になることもあるかもしれませんが、そこはぐっと我慢です。過去問に集中しましょう。

〈記述式〉

記述式問題については、合格レベルに達している受験生であれば心配ないと思います。記述式で一番大切なのはまず「ひな形」を覚えることです。問題を読み取ることに意識が行ってしまいがちですが、それは問題ありません。択一式が合格レベルに達するようであれば間違いなく解ける問題であると思います。ですので、記述式は不動産登記であれ、商業登記であれ、まずは「ひな形」を意識することが重要です。

本試験を受けて感じたこと

私が本試験を受けてみて感じたことは、まず午前の部において時間が1時間以上も余ってしまったことです。第1問目から順番に解いていって特に1つの問題に時間を取られることもなくスムーズに解くことができ、見直しをする時間も十分に取れました。そのため、午前の部の出来に関してはそれなりに自信がありました。問題は午後の部です。始まってすぐに思ったのは「午後の部は難しいな」ということでした。とりわけ不動産登記法が特に難しいなという印象でした。そのため、記述式の問題に着手する頃には「択一式の見直しはできないだろうな」と思っていました。記述式に関しては答練と違って問題文の量がやたらと多く複雑でわかりにくくなっています。不動産登記で「枠ズレさえ起こさなければ基準点は取れる」と思っていましたが、やはり不動産登記の問題が思いのほか難しかったです。一方で、商業登記の問題は比較的簡単だったのであまり迷うことなく進めることができました。すべて終わったのは試験終了10分前でした。それからできる限りの見直しをして試験時間が終わりました。本試験の感想としては「午後の部の択一式の基準点が取れていればおそらく合格しているだろうな」といった印象でした。私は最初に試験勉強を始めた時に一番不安だったのは「記述式の問題が解けるのか」ということでした。結果から言うとそれは全く問題ありませんでした。むしろどちらかというと択一式の方が大切ではないかと思います。基準点を超えても総合点が合格点を越えなければ試験には落ちます。ですが記述式で基準点は取れても上乗せ点を多く取ることは難しいと感じます。そのため、「択一式でなるべく多くの点を取り、記述式では基準点を超えれば良い」くらいの気持ちで本試験に臨むのが良いと私は思いました。

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