昨年、雇用保険料率が2回にわたり引き上げられたことでも話題になった「雇用保険」。
そんな「雇用保険」のしくみについて最低限覚えておいた方が良いことを解説します。
目次
雇用保険とは
労働者の生活および雇用の安定と就職の促進のために、求職者給付(いわゆる失業給付)等の給付や雇用安定事業・能力開発事業の2事業を行うもので、労働者を雇用する事業所は加入が強制されます。
加入義務
正社員・パートタイマー・アルバイト等雇用形態に関係なく次の条件を満たす労働者に加入義務があります。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 31日以上雇用される見込みがあること
注意点
法人の役員や個人事業主、個人事業主と同居する親族は労働者とはされず加入対象となりません。
保険料
保険料は事業の種類ごとに異なっており、事業主と労働者の双方で負担します。
労働者災害補償保険(労災保険)と併せて労働保険料として納付します。
POINT
2022年は4月に事業主負担分のみ、10月に事業主負担分と労働者負担分の両方が引き上げられました。
雇用保険の主な給付
①基本手当(求職者給付)
雇用保険の被保険者が会社都合や自己都合により離職し、働く意思があるにもかかわらず職業に就くことができない状態にある場合に給付される。
給付を受けるためには、離職前2年間に被保険者期間が12カ月以上(倒産や解雇等の理由により離職した場合には離職前1年間に6カ月以上)あることが必要。
給付日数や被保険者期間は次の通りです。
給付日数と被保険者期間
区分\被保険者であった期間 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
---|---|---|---|---|---|
一般の離職者 (自己都合や定年退職等) | 支給無し | 90日 | 120日 | 150日 | |
倒産・解雇等による離職者 | 90日 | 年齢・被保険者期間により90日~330日 |
まとめ
昨年の保険料率引き上げは、コロナの影響を受けて雇用保険の財政が悪化したためですが、今後の状況次第では、さらなる引き上げもあるかもしれませんね。次回は、基本手当(求職者給付)以外の雇用保険の主な給付について解説します。
クレアールのFP講座学習カリキュラム
雇用保険については、FPの学習カリキュラムチャプター1「ライフプランニングと資金計画」で詳しく学びます
こちらの記事もおすすめです。
あわせて読みたい

FP試験にもよく出る!事業者賠償責任保険 事業者賠償責任保険は、事業者の営業上における偶然の事故等により、他人の財産や身体に損害を与えたことに対する損害賠償責任を負った場合を対象とする保険です。 具体…
あわせて読みたい

知っていますか?採用している企業が増加中!企業年金制度 老後生活の支えとなる「公的年金」に加えて、企業負担で公的年金に上乗せして年金を支給する「企業年金制度」を採用している企業が増えてきています。 企業年金制度は、…