確定申告の際にトクする2大控除制度を解説します。
特に、事業所得がある方・株式投資をしている方は必見です。
目次
損益通算
損益通算とは、ある種類の所得で生じた損失(赤字)を、別の所得で生じた利益(黒字)と通算(相殺)することをいいます。
10種類の所得のうち、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得(総合課税となるもの)の4種類について生じた赤字について損益通算が可能です。
損益通算のポイント
- 不動産所得の損失のうち、土地を取得するために要した借入金の負債利子は損益通算できない
- ゴルフ会員権・貴金属や保養の目的で所有する別荘等、生活に通常必要でない資産の譲渡損失は損益通算できない。
- 不動産の譲渡による損失・株式の譲渡による損失については損益通算できない。
- ただし、上場株式等の譲渡損失は、申告分離課税を選択した配当所得との損益通算は可能
繰越控除
繰越控除とは、その年に生じた損失(赤字)を繰り越して、翌年以降に生じた所得(黒字)から控除することをいいます。繰越控除ができる損失には次のものがあります。
青色申告の承認を受けている人について、損益通算してもなお控除しきれない損失の金額(純損失の金額)は、その損失が生じた年の翌年以降3年間にわたって繰り返して、翌年以後に生じた所得から控除することができる。
上場株式等の譲渡損失のうち、損益通算しても控除しきれない金額について翌年以後3年間にわたって繰り返して、翌年以後に生じた上場株式等の譲渡所得等から控除することができる。
まとめ
損失(赤字)が出た際のお得な控除制度を解説いたしました。
該当する方は、今年の確定申告で利用してみては?
クレアールのFP講座学習カリキュラム
損益通算と繰越控除については、FPの学習カリキュラムチャプター4「タックスプランニング」で詳しく学びます
こちらの記事もおすすめです。
あわせて読みたい

覚えておこう! 金融商品の金利 単利と複利 固定金利と変動金利 固定金利の金融商品は運用期間中に適用される金利が変わらず、一般的に金利の下落局面の運用には適しています。逆に変動金利の金融商品は一定期間ご…
あわせて読みたい

各種保険料控除の仕組み 会社員の方は、11月頃から年末調整について経理から案内が来るようになります。 保険に入っている人は毎年何気なく提出している「保険料控除証明書」ですが、保険料控除…