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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■不動産登記法「相続による登記」>

<問題1>売買による所有権の移転の登記がされた後に売主が死亡したが、当該売買は、無効であった。この場合には、当該売主の共同相続人の一人は、買主と共同して、当該売主を登記権利者、当該買主を登記義務者として、当該所有権の移転の登記の抹消を申請することができる。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 正しい。所有権移転登記の抹消は、当該抹消によって登記名義が回復する前所有権登記名義人が登記権利者、抹消される現所有権登記の名義人が登記義務者となってする共同申請である。しかし、当該登記の申請前に登記権利者である前所有権登記名義人が死亡したのであれば、その相続人が当該登記を申請することができる(不登62条)。そして、登記権利者の相続人が共同相続人である場合には、共同相続人の一人から当該登記を申請することができる。当該登記を申請することは、共同相続人の共有財産であるところの、相続財産についてする、保存行為(民252条ただし書)となるからである。【平17-12-エ】

 

<問題2>Aを所有権の登記名義人とする不動産につき、Aを売主、Bを買主とする売買契約が締結された後、その旨の登記を申請する前にAが死亡し、Aの相続人がX及びYであった場合において、Xが民法第903条第2項によりその相続分を受けることのできない特別受益者であっても、B及びYのみでは共同して所有権の移転の登記を申請することができない。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 正しい。登記義務者が登記の申請をする前に死亡した場合には、その相続人全員が登記申請義務を承継し、申請人とならなければならない(昭27.8.23-74号)。民法903条2項によって相続分を受けることができない者も、相続人であることに変わりはなく、登記の申請人とならなければならない。【平19-14-ア】

 

<問題3>Aを所有権の登記名義人とする不動産につき、Aを売主、Bを買主とする売買契約が締結された後、AからBへの売買を原因とする所有権の移転の登記の申請を司法書士に委任していたBが、当該登記の申請前に死亡した場合には、当該司法書士は、Bの死亡後もその委任に基づいてAからBへの所有権の移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答3】 ○ 正しい。登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によって消滅しない(不登17条1号)。したがって、登記の申請の委任を受けた司法書士は、委任者が死亡した後でも、当該委任に基づいて、代理人として申請をすることができる。【平19-14-オ】

 

<問題4>Aは、甲土地をBに遺贈し、Bはその登記を経由することなく甲土地をCに遺贈するとともに遺言執行者を指定した場合、Cへの所有権の移転の登記の前提として、当該遺言執行者は、Aの相続人との共同申請により、AからBへの所有権の移転の登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答4】 ○ 正しい。特定遺贈の目的とされた甲土地を、受遺者Cの名義とするためには、前提として、AからBへの所有権の移転の登記の申請をする必要がある。したがって、遺言執行者は、特定遺贈の目的とされた甲土地を、受遺者Cに完全に移転させる任務があるから、本肢における所有権の移転の登記の申請の代理権限は、遺言執行者の職務権限に属することになる(民1012条1項)。【平20-24-イ】

 

<問題5>相続財産である数筆の土地のうちの一定の面積を指定して遺贈する旨の遺言があった場合には、遺言執行者は、土地の分筆の登記の申請をし、さらに、受遺者に対する所有権の移転の登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答6】 ○ 正しい。共同相続人の1人が、相続分を超える生前贈与を受けていた場合、他の共同相続人は、その者に相続分がない事実を証する情報を提供して、単独で相続を原因とする所有権移転の登記を申請することができる(昭49.1.8-242号)【平22-25-ア】

 

<問題7>Aが所有権の登記名義人である甲土地について、Bが占有を開始した時より前にAが死亡していた場合において、甲土地についてのBの取得時効が完成したとしてBを登記権利者とする時効取得による所有権の移転の登記を申請するときは、その前提としてAの相続人への所有権の移転の登記を申請しなければならない。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 正しい。時効の起算日前に所有権の登記名義人が死亡していた場合には、一度登記名義人から相続人に所有権が移転しているのであるから、時効取得を原因とする所有権移転の登記の前提として、所有権の登記名義人から相続人への「相続」を原因とする所有権移転の登記をしなければならない(登研455号)。【平26-20-イ】

 

<問題8>抵当権の設定者である所有権の登記名義人Aが死亡した後に当該抵当権が消滅した場合において、当該抵当権の設定の登記の抹消を申請するときは、その前提としてAの相続人への所有権の移転の登記を申請しなければならない。○か×か?

解答

【解答8】 ○ 正しい。抵当権の消滅前に登記権利者である抵当権設定者(所有権登記名義人)が死亡した場合には、抵当権の抹消の前提として、相続を原因とする抵当権設定者(所有権登記名義人)の相続人への所有権の移転の登記を申請しなければならない(登研564号、662号)。【平26-20-オ】

 

<問題9>甲土地の所有権の登記名義人であるAが、公正証書によって、その所有する財産の全部をAの相続人でないBに対して遺贈する旨の遺言をした。この場合、Aの生前に、甲土地について遺贈を原因とする所有権移転請求権保全の仮登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答9】 × 誤り。遺言者の生存中は「遺贈予約」を登記原因とする2号仮登記を申請することはできない(登研352号)。【平26-21-ア】

 

<問題10>甲土地の所有権の登記名義人であるAが、公正証書によって、その所有する財産の全部をAの相続人でないBに対して遺贈する旨の遺言をした。Aの遺言について家庭裁判所により遺言執行者が選任された場合に、遺言執行者がAの遺言に基づいて所有権の移転の登記を申請するときは、遺言執行者選任の審判書、遺言書及び遺言者の死亡を証する情報を代理権限証明情報として提供しなければならない。○か×か?

解答

【解答10】 × 誤り。遺言執行者が、受遺者と共に遺贈による所有権移転の登記を申請するに際しては、遺言執行者の代理権を証する情報を提供しなければならない(不登令7条1項2号)。遺言で遺言執行者が指定されている場合には、当該代理権を証する情報として、遺言書に加えて当該遺言の効力が生じたことを証するために、遺言者の死亡を証する情報も必要となる。しかし、家庭裁判所が遺言執行者を選任したときは、当該選任審判を証する情報を提供すれば、遺言者の死亡を証する情報の提供は不要である(昭59.1.10-150号)。【平26-21-エ】

 

<問題11>仮登記権利者は、仮登記義務者の仮登記の申請に関する承諾書を代位原因証明情報として、仮登記義務者である所有権の登記名義人の住所の変更の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答11】 ○ 正しい。代位原因証明情報(不登令7条1項3号)は、登記官が当事者間に債権の存在することを確認できるものであれば足り、必ずしも公文書である必要はなく、私文書でも差し支えない(昭23.9.21-3010号)ので、仮登記権利者は、仮登記義務者の仮登記の申請に関する承諾書を代位原因証明情報として提供すれば、所有権の登記名義人の住所の変更の登記を、仮登記義務者に代位して申請することができる。【平21-12-エ】

 

<問題12>登記の申請について当事者である未成年者の単独親権者から委任を受けた場合において、当該親権者が家庭裁判所から親権の喪失の宣告を受けたときは、当該委任による代理人の権限は、消滅する。○か×か?

解答

【解答12】 × 誤り。登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、法定代理人の代理権の消滅によっては消滅しない(不登17条4号)。したがって、未成年者の単独の親権者から登記申請の委任を受けた者は、その後当該親権者が親権を喪失しても、登記申請の代理権を失うものではない。【平19-21-エ】

 

<問題13>登記の申請について当事者である未成年者の単独親権者から委任を受けた場合において、当該親権者が家庭裁判所から親権の喪失の宣告を受けたときは、当該委任による代理人の権限は、消滅する。○か×か?

解答

【解答13】 × 誤り。登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人である受託者の信託に関する任務の終了によっては消滅しない(不登17条3号)。【平19-21-オ】

 

<問題14>受託者が信託の登記を申請しない場合には、受益者は、受託者に代位して、信託の登記を単独で申請することができる。○か×か?

解答

【解答14】 ○ 正しい。受益者又は委託者は、受託者に代位して信託の登記を申請することができる(不登99条)。例えば、受託者が所有権の移転の登記のみを申請し、信託の登記を申請しない場合に、信託財産であることを公示することができなくなってしまうことから、このような代位による信託の登記の申請が認められている。【平24-15-ア】

 

<問題15>債務者がした抵当権の設定行為が詐害行為に当たるとして、これを取り消し、抵当権の設定の登記の抹消手続を抵当権者に命ずる確定判決を得た債権者は、抵当権設定者である所有権の登記名義人に代位して、抵当権の設定の登記の抹消を単独で申請することができる。○か×か?

解答

【解答15】 ○ 正しい。申請人としての登記権利者とは、登記上、直接に利益を受ける者であり(不登2条12号)、実体法上の登記請求権が必ずしも登記申請上の登記権利者になるわけではない。詐害行為取消判決による所有権の抹消で、登記記録上利益を受けるのは債務者である。したがって、債権者(原告)は、判決書正本を登記原因証明情報兼代位原因証明情報として提供し、所有権の登記名義人(債務者)に代位して、判決に基づく登記を単独で申請することができる(昭38.3.14-726号)。【平24-15-オ】

 

<問題16>所有権の登記名義人が登記義務者としてする登記の申請を代理人によってする場合において、申請書を登記所に提出する方法により登記の申請をするときは、登記義務者から委任を受けた代理人の権限を証する書面には、代理人の権限を証する書面に添付した登記義務者の印鑑証明書において証明された印鑑と同一の印鑑で委任者が押印しなければならない。○か×か?

解答

【解答16】 ○ 正しい。所有権の登記名義人が登記義務者となる登記の申請を委任による代理人によってする場合には、申請人又はその代表者は、代理人の権限を証する書面に記名押印しなければならず(不登令18条1項)、その書面には、記名押印した者(委任による代理人を除く)の作成後3か月以内の印鑑証明書を添付しなければならない(不登令18条2項、3項)。【平6-27-イ】

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