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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法債権「債権の目的・効力」>

<問題1>特別の事情によって生じた損害については、債務者は、その債務の成立時に当該特別の事情を予見すべきであった場合に限り、債務不履行に基づく賠償責任を負う。○か×か?

解答

【解答1】 × 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる(民416条2項)。ここで言う「当事者」とは債務者であり、予見可能性の判断時期は、債務の履行期までである(大判大7.8.27)。債務の成立時ではない。【平29-16-ア】

 

<問題2> 不動産の買主は、売主が当該不動産を第三者に売却し、かつ、当該第三者に対する所有権の移転の登記がされた場合には、履行不能を理由として直ちに契約を解除することができる。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 不動産の二重売買の場合において、売主の一方の買主に対する債務は、特段の事情のない限り、他の買主に対する所有権移転登記が完了した時に履行不能となるとされている(最判昭35.4.21)。また、債務の全部の履行が不能である場合には、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる(民542条1項1号)。したがって、不動産の買主は、第三者に登記を移転された時点で、履行不能を理由として直ちに契約を解除することができる。【平29-16-エ】

 

<問題3> 金銭債務の不履行が不可抗力による場合であっても、債務者は、その金銭債務の遅延損害金を支払わなければならない。○か×か?

解答

【解答3】 ○ 正しい。金銭債務の不履行による損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない(民419条3項)。【平28-16-ア】

 

<問題4> 債務の不履行について損害賠償の額の予定があっても、債権者は、債務の不履行によって被った損害額がその予定額を超えることを立証すれば、その超過する部分について損害賠償の請求をすることができる。○か×か?

解答

【解答4】 × 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる(民420条1項)。債権者は、債務不履行の事実さえ立証すればよく、損害額及び損害の発生の事実を立証することなく予定賠償額を請求できる(大判大11.7.26)。しかし、実損害の方が大きいことを挙証して増額を請求することはできない。【平28-16-イ】

 

<問題5> AがBに対して有する金銭債権を被担保債権として債権者代位権を行使する場合には、その被担保債権が発生する前からBがCに対して有していた金銭債権を債権者代位権の目的とすることはできない。○か×か?

解答

【解答5】 × 債権者代位権の行使において被保全債権の成立時期は問題とならない。被保全債権の成立時期が問題となるのは債権者取消権である。【平17-17-ア】

 

<問題6> Bの債権者であるAがBのCに対する動産の引渡請求権を代位行使する場合には、Aは、Cに対し、その動産を自己に直接引き渡すよう請求することはできない。○か×か?

解答

【解答6】 × 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が金銭の支払又は動産の引渡しを目的とするものであるときは、相手方に対し、その支払又は引渡しを自己に対してすることを求めることができる(民423条の3前段)。【平17-17-オ】

 

<問題7> BのAに対する債権を目的として、BがCのために質権を設定した場合において、BがAに対して質権設定の通知をしないときは、Cは、Bの資力の有無にかかわらず、Bに代位して、Aに対して質権設定の通知をすることができる。○か×か?

解答

【解答7】 × 債権を質権の目的とした場合、その対抗要件の具備は民法467条(債権の譲渡の対抗要件)の規定に従うとされているところ(民364条)、債権譲渡の通知は、譲渡人から債務者に対してしなければならず、譲受人が代位してすることはできない(大判昭5.10.10)。【平22-16-イ】

 

<問題8> Dが、Aから賃借した甲土地上に乙建物を所有し、これをCに賃貸していた場合において、Dが乙建物をBに売却したが、甲土地の賃借権の譲渡につきAの承諾が得られないときは、Cは、乙建物の賃借権を保全するために、Bの資力の有無にかかわらず、Bに代位して、Aに対する建物買取請求権を行使することができる。○か×か?

解答

【解答8】 × 借地上の建物の賃借人は、自己の賃借権を保全するために、建物賃貸人(借地人)の有する借地借家法14条による建物買取請求権を代位行使することはできない(最判昭38.4.23)。【平22-16-エ】

 

<問題9> 債権の譲受人は、譲渡人に代位して、当該債権の債務者に対する債権譲渡の通知をすることができる。○か×か?

解答

【解答9】 × 債権譲渡の対抗要件としての通知は、法律関係を確実にするという対抗要件の性質上、債権の譲渡人がすべきであり、債権の譲受人が譲渡人に代位して通知をすることはできないとされている(大判昭5.10.10)。通知をするかどうかは、譲渡人の意思によって決せられるべきだからである。【平29-17-ア】

 

<問題10> 債権者が被代位権利を行使し、その事実を債務者が了知した場合であっても、当該債務者は、被代位権利について、自ら取立てその他の処分をすることができる。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者は、被代位権利について、自ら取立てその他の処分をすることを妨げられない(民423条の5前段)。たとえ債権者が被代位権利を行使した事実を債務者が了知した場合であっても、債務者の処分権限には何ら影響しない。【平29-17-イ】

 

<問題11> 土地の賃借人がその土地上に建築した建物を当該土地の賃貸人に無断で第三者に譲渡した場合において、当該建物をその第三者から賃借した者は、賃借権を被保全債権として、その第三者が当該土地の賃貸人に対して有する借地借家法第14条に基づく建物買取請求権を代位行使することができる。○か×か?

解答

【解答11】 × 建物賃借人は、その賃借権を保全するために、建物賃貸人に代位して、借地借家法14条の規定による建物買取請求権を行使することはできない(最判昭38.4.23)。債権者が民法423条により債務者の権利を代位行使するには、その権利の行使により債務者が利益を享受し、その利益によって債権者の権利が保全されるという関係を要するが、建物買取請求権の代位行使によって得られるのは代金債権にすぎず、建物の賃借権は保全されないからである。【平29-17-ウ】

 

<問題12> 債務者が既に自ら権利を行使している場合には、その行使の方法又は結果の良否にかかわらず、債権者は重ねて債権者代位権を行使することができない。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 債権者代位権の行使は、債務者が自ら権利を行使しない場合に限り許されるものであり、債務者が既に自ら権利を行使している場合には、その行使の方法又は結果の良いと否とにかかわらず、債権者は、重ねて債権者代位権を行使することができない(最判昭28.12.14)。【平29-17-エ】

 

<問題13> 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が金銭債権であるときは、第三債務者に対し、その支払を自己に対してすることを求めることができる。○か×か?

解答

【解答13】 ○ 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が金銭の支払又は動産の引渡しを目的とするものであるときは、相手方に対し、その支払又は引渡しを自己に対してすることを求めることができる(民423条の3前段)。代位債権者の権限には弁済受領権限も含まれると解され、仮に債務者がそれらを受領しないときには、代位権行使の目的を達することができなくなるからである。【平29-17-オ】

 

<問題14> 共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権の行使の対象とすることができる。○か×か?

解答

【解答14】 ○ 共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となり得る。遺産分割協議は、その性質上、財産権を目的とする行為であるといえるからである(最判平11.6.11)。【平20-18-ア】

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