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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法担保物権「根抵当権等」>

<問題1>根抵当権の極度額を変更するには、利害関係人全員の承諾を得なければならない。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 根抵当権の極度額の変更は、利害関係人の承諾がなければすることができない(民398条の5)。極度額の変更は、担保価値を支配する権利の範囲自体を変更するものであり、利害関係人には重大な影響を有するからである。【平16-15-ウ】

 

<問題2> 元本の確定後の被担保債権の額が根抵当権の極度額を超えている場合において、抵当不動産の第三取得者は、根抵当権者が極度額に相当する額の金額の受領を拒んだときは、同額の金銭を供託して根抵当権の消滅を請求することができる。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 民法398条の22第1項。根抵当権は極度額という枠の中で担保価値を支配する権利であるから、物上保証人や抵当不動産の第三取得者・用益権者との関係では、極度額相当の満足が得られるならば根抵当権を消滅させてもよいからである。【平16-15-オ】

 

<問題3> 元本の確定前においては、根抵当権者及び根抵当権設定者の合意があれば、後順位抵当権者の承諾がなくても、その根抵当権の被担保債権の範囲を変更することができる。○か×か?

解答

【解答3】 ○ 元本の確定前においては、根抵当権者及び根抵当権設定者はその合意で根抵当権の担保すべき債権の範囲を変更することができ、その変更には、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない(民398条の4第1項、2項)。【平26-14-イ】

 

<問題4> 元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。○か×か?

解答

【解答4】 ○ 元本確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない(民398条の7第1項前段)。【平26-14-エ】

 

<問題5> 元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権の順位を譲渡することはできず、先順位の抵当権者から抵当権の順位を譲り受けることもできない。○か×か?

解答

【解答5】 × 元本の確定前においては、根抵当権者は、順位の譲渡等の民法376条1項の規定による根抵当権の処分をすることができない(民398条の11第1項本文)。しかし、元本の確定前でも、根抵当権者は、先順位抵当指者からその順位の譲渡又は放棄の利益を受けることができる(民398条の15)。【平29-14-ウ】

 

<問題6> 第三者が振り出し、債務者が裏書をした手形上又は小切手上の請求権は、債務者との一定の種類の取引によって生ずるものでなければ、根抵当権の担保すべき債権とすることができない。○か×か?

解答

【解答6】 × 根抵当権の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して定めなければならない(民398条の2第2項)。ただし、特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権は、民法398条の2第2項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる(民398条の2第3項)。したがって、手形上又は小切手上の請求権は、債務者との一定の種類の取引によって生ずるものでなくとも根抵当権の担保すべき債権とすることができる。【平29-14-オ】

 

<問題7> 元本の確定前に、根抵当権者が死亡し、相続が開始した場合、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続開始の後に取得する債権を担保することになるが、当該合意について相続の開始後6か月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなされる。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する(民398条の8第1項)。この合意について相続の開始後6か月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなされる(民398条の8第4項)。【平25-15-エ】

 

<問題8> 抵当権は、特定の債権を被担保債権とする必要がある。これに対し、根抵当権は、債権者と債務者が確定していれば、それ以上に被担保債権の範囲を限定する必要はない。○か×か?

解答

【解答8】 × 根抵当権は、不特定の債権を担保するものであるが、不特定とはいえども、その範囲は民法上限定されており(民398条の2第2項、3項参照)、「債権者と債務者が確定していれば、それ以上に被担保債権の範囲を限定する必要はない」というような包括的な根抵当は否定されている。【平17-16-イ】

 

<問題9> 根抵当権の担保すべき元本が確定する前は、被担保債権が消滅しても根抵当権は消滅せず、被担保債権が譲渡されても、その譲受人が根抵当権を行使することはできない。もっとも、被担保債権につき代位弁済をした者は、その根抵当権を行使することができる。○か×か?

解答

【解答9】 × 元本確定前に根抵当権の被担保債権を譲り受けた者又は根抵当権の被担保債権につき代位弁済をした者は、その債権について根抵当権を行使することができない(民398条の7第1項)。元本確定前においては根抵当権の付従性及び随伴性は否定されている。【平17-16-ウ】

 

<問題10> 自己が所有する土地に譲渡担保権を設定した者は、その土地を正当な権原なく占有する者に対して土地の明渡請求をすることができない。○か×か?

解答

【解答10】 × 譲渡担保においては、目的物の所有権は設定者から譲渡担保権者に移転するが、設定者は、担保権の実行が完了するまでは債務の全額を弁済して目的物を取り戻す権利を有しており、全くの無権利者となるわけではない。したがって、譲渡担保の設定者は、正当な権原なく目的物を占有する者がある場合には、特段の事情のない限り、不法占有者に対して目的物の返還を請求することができる(最判昭57.9.28)。【平21-15-イ】

 

<問題11> 譲渡担保権の設定者が目的物である動産を売却した場合、譲渡担保権者はその売却代金に物上代位することはできない。○か×か?

解答

【解答11】 × 譲渡担保の目的である動産を、譲渡担保権者から処分権限を得て債務者である設定者が譲渡した場合、譲渡担保権者は、その譲渡代金に対して物上代位権を行使できる(最判平11.5.17)。【平21-15-ウ】

 

<問題12> 被担保債権の弁済期後は、譲渡担保権者による目的不動産の換価処分が完結する前であっても、譲渡担保権を設定した債務者は、債務の全額を弁済して目的不動産を受け戻すことができない。○か×か?

解答

【解答12】 × 弁済期の経過後であっても、債権者が担保権の実行を完了するまでの間は、債務者は、債務の全額を弁済して譲渡担保権を消滅させ、目的不動産の所有権を回復することができる(最判昭62.2.12)。【平26-15-ウ】

 

<問題13> 譲渡担保権者が被担保債権の弁済期後に目的不動産を第三者に譲渡した場合には、譲渡担保権を設定した債務者は、当該第三者からの明渡請求に対し、譲渡担保権者に対する清算金支払請求権を被担保債権とする留置権を主張することができない。○か×か?

解答

【解答13】 × 不動産を目的とする譲渡担保権が設定されている場合において、譲渡担保権者が譲渡担保権の実行として目的不動産を第三者に譲渡したときは、当該第三者又は同人から更に当該不動産を第三者に譲渡したときは、譲渡担保権設定者は、当該第三者又は同人から更に当該不動産の譲渡を受けた者からの明渡請求に対し、譲渡担保権者に対する清算金支払請求権を被担保債権とする留置権を主張することができる(最判平9.4.11)。【平26-15-オ】

 

<問題14> 債務者である土地の賃借人がその借地上に所有する建物を譲渡担保の目的とした場合には、譲渡担保権の効力は、土地の賃借権には及ばない。○か×か?

解答

【解答14】 × 債務者である土地の賃借人がその賃借地上に所有する建物を譲渡担保の目的とした場合には、その建物のみを担保の目的に供したことが明らかであるなど特別の事情がない限り、当該譲渡担保権の効力は、原則として土地の賃借権に及ぶ(最判昭51.9.21)。【平24-15-イ】

 

<問題15> 譲渡担保権の設定者は、被担保債権の弁済期を経過した後においては、譲渡担保の目的物についての受戻権を放棄して、譲渡担保権者に対し、譲渡担保の目的物の評価額から被担保債権額を控除した金額の清算金を請求することができる。○か×か?

解答

【解答15】 × 譲渡担保権設定者は、譲渡担保権者が清算金の支払い又提供をせず、清算金がない旨の通知もしない間に、譲渡担保の目的物の受戻権を放棄しても、譲渡担保権者に清算金の支払いを請求できない(最判平8.11.22)。【平24-15-ウ】

 

<問題16> 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の効力は、譲渡担保の目的である集合動産を構成するに至った動産が滅失した場合にその損害を填補するために譲渡担保権設定者に対して支払われる損害保険金に係る請求権に及ぶ。○か×か?

解答

【解答16】 ○ 集合物動産譲渡担保は、譲渡担保権者において譲渡担保の目的である集合動産を構成するに至った動産の価値を担保として把握するものであるため、その効力は、目的動産が滅失した場合にその損害を填補するために譲渡担保権設定者に対して支払われる損害保険金に係る請求権に及ぶ(最決平22.12.2)。【平27-15-ア】

 

<問題17> 不動産を目的とする譲渡担保権の実行に伴って譲渡担保権設定者が取得する清算金請求権と譲渡担保権者の譲渡担保契約に基づく当該譲渡担保の目的不動産の引渡請求権とは同時履行の関係に立ち、譲渡担保権者は、譲渡担保権設定者からその引渡債務の履行の提供を受けるまでは、自己の清算金支払債務の全額について履行遅滞による責任を負わない。○か×か?

解答

【解答17】 ○ 譲渡担保権の実行に伴って譲渡担保権設定者が取得する清算金請求権と譲渡担保権者の譲渡担保契約に基づく当該譲渡担保の目的不動産についての引渡請求権とは同時履行の関係に立つと考えられる。したがって、譲渡担保権者は、譲渡担保権設定者から目的不動産についての引渡債務の履行の提供を受けるまでは、自己の清算金支払債務の全額について履行遅滞による責任を負わない(最判平15.3.27)。【平27-15-ウ】

 

<問題18> 譲渡担保権設定者は、譲渡担保権者が清算金の支払又はその提供をせず、清算金がない旨の通知もしない間であっても、譲渡担保権者に対し受戻権行使の利益を放棄することにより清算金の支払を請求することができる。○か×か?

解答

【解答18】 × 譲渡担保権設定者は、譲渡担保権者が清算金の支払又はその提供をせず、清算金がない旨の通知もしない間に、譲渡担保の目的物の受戻権を放棄しても、譲渡担保権者に清算金の支払を請求できない(最判平8.11.22)。【平28-15-イ】

 

<問題19> 甲が、乙に対する手形金債権を担保するために、乙の丙に対する請負代金債権の弁済を乙に代わり受領することの委任を乙から受け、丙がその代理受領を承認した場合において、丙が乙に請負代金を支払ったために甲がその手形金債権の満足を受けられなかったときは、丙がその承認の際担保の事実を知っていたとしても、丙は、甲に対し不法行為に基づく損害賠償責任を負わない。○か×か?

解答

【解答19】 × 甲の乙に対する手形金債権を担保する目的で、乙が丙に対する請負代金債権の代理受領を甲に委任し、丙が甲に対し代理受領を承認しながら、請負代金を乙に支払ったため、甲が手形金債権の満足を受けられなくなった場合において、丙が承認の際に担保の事実を知っていたなどの事情があるときは、丙は、甲に対し、過失による不法行為責任を負うことになる(最判昭44.3.4)。【平29-15-イ】

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