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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法担保物権「質権」>

<問題1> 不動産を目的として質権設定契約がされ、質権の設定の登記がされた場合であっても、その不動産の引渡しがされていないときは、その質権の設定の登記は、対抗力を有しない。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 質権の設定は、債権者に対する目的物の引渡しにより効力を生じる(質権設定契約の要物契約性、民344条)。これは動産質権であろうと不動産質権であろうと変わらない。したがって、不動産質権の設定において、質権設定の登記がされても不動産の引渡しがされていない場合は、その登記は実体のないものであり、対抗力を有しない。【平17-13-ア】

 

<問題2> 動産質権者が質権の目的である動産の占有を継続していても、これによって質権の被担保債権の消滅時効の進行は、妨げられない。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 質権の行使は質権の被担保債権の消滅時効の進行を妨げない(民350条、300条)。質権を行使して動産を継続して占有することは、被担保債権の弁済を促す作用を有するが(質権の留置的効力)、被担保債権の請求それ自体ではないからである。【平17-13-エ】

 

<問題3> 動産質権者が、質権設定者の承諾なく質物を他人に賃貸した場合、債務者は、質権の消滅を請求することができる。○か×か?

解答

【解答3】 ○ 動産質権者は、質物の保存に必要な範囲内での使用を除いて、債務者に無断で質物を使用、賃貸又は担保に供することができず(民350条、298条2項本文)、この制限に反して無断で質物の賃貸等をした場合には、債務者は、質権の消滅請求をすることができる(民350条、298条3項)。【平21-12-ア】

 

<問題4> 動産質権者が目的物を他人に奪われた場合、動産質権者は、質権に基づいて当該他人にその返還を請求することはできず、占有回収の訴えによってのみ、その返還を請求することができる。○か×か?

解答

【解答4】 ○ 動産質権については、質権に基づく質物の返還請求権は認められておらず、占有回収の訴えの方法によってのみ、その返還を請求することができる(民353条)。【平21-12-ウ】

 

<問題5> 動産質権は、設定行為に別段の定めがあるときを除き、質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償をも担保する。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保する(民346条)。質権者が直接に占有している目的物は、その担保価値の全部が質権者に把握されていると考えるのが常であるからである。【平24-12-ウ】

 

<問題6> 動産質権者は、被担保債権の元本及び利息の支払を請求することができるが、不動産質権者は、特約がない限り、被担保債権の利息の支払を請求することはできない。○か×か?

解答

【解答6】 ○ 質権の担保範囲は、別段の定めがない限り、動産質では元本、利息、違約金、質権実行の費用、質物保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償である(民346条本文)。一方、不動産質においては、設定に別段の定めがある場合又は担保不動産収益執行が開始された場合を除き、(民359条)、目的物の使用収益権(民356条)が認められる代わりに、利息請求することができない(民358条)。【平15-14-ウ】

 

<問題7> 質権者が質権の設定を受けた後に質権設定者に質物を返還した場合、動産質では質権を第三者に対抗することができなくなるが、不動産質では質権の効力に影響はない。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 動産質の場合、目的物の占有継続は第三者対抗要件であり(民352条)、存続要件ではない。したがって、目的物を設定者に返還すると対抗力を喪失するだけで、質権は消滅しない(大判大5.12.25)。一方、不動産質の場合、対抗要件は登記(民177条)なので、目的物を設定者に返還しても何ら効力に影響しない。【平15-14-エ】

 

<問題8> 不動産質権は、抵当権と異なり、債務者以外の者は、その設定をすることができない。○か×か?

解答

【解答8】 × 民法342条に「質権者は、その債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し」と規定されているので、不動産質権の設定者は、債務者だけでなく第三者でもよい。この場合、第三者とは、物上保証人のことである。【平20-13-ア】

 

<問題9> 不動産質権の設定は、抵当権と異なり、現実の引渡し、簡易の引渡し、占有改定などの方法によって債権者に目的物を引き渡すことによって効力を生ずる。○か×か?

解答

【解答9】 × 不動産質権の設定も、動産質権と同様、要物契約であり、目的不動産を「引き渡す」ことによってその効力を生じる(民344条)。この「引渡し」には、現実の引渡し(民182条1項)、簡易の引渡し(民182条2項)、指図による占有移転(民184条)が含まれるが、占有改定(民183条)は含まれない(東京高判昭35.7.27)。【平20-13-イ】

 

<問題10> 質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができる。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができるとされている(民366条1項)。【平29-11-エ】

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