司法書士★合格ブログ

司法書士を知って、学んで、夢をかなえよう!

Read Article

司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法担保物権「先取特権」>

<問題1> 一般の先取特権も、不動産について登記することができ、その登記がされたときは、これに後れて登記された不動産売買の先取特権に優先する。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 一般の先取特権と特別の先取特権が競合する場合、原則として特別の先取特権が優先される(民329条2項本文)。しかし、登記された一般の先取特権と、同じく登記された不動産売買の先取特権が競合する場合は、一般原則に従って、両者の優劣は登記の先後によって決定される。【平16-14-イ】

 

<問題2> 動産の売主は、その動産が買主から第三者に転売され、現実の引渡し又は占有改定による引渡しがされたときは、当該動産について、動産売買の先取特権を行使することはできない。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 先取特権の目的物が動産である場合、債務者が動産を第三者に譲渡し、引き渡した後は、先取特権者はその動産について追及できない(民333条)。動産の「引渡し」の方法については、占有改定も含む(大判大6.7.26)。【平16-14-エ】

 

<問題3> 株式会社Aに電気を供給していたE電力会社が株式会社Aから電気代の支払を受けていない場合、E電力会社の電気代に関する債権は、日用品の供給を原因として生じた債権といえるから、株式会社Aの総財産の上に先取特権が認められる。○か×か?

解答

【解答3】 × 日用品の供給の先取特権は、債務者又はその扶養すべき同居の親族及びその家事使用人の生活に必要な最後の6か月間の飲食料品、燃料及び電気の供給について存在する(民310条)。ただし、民法310条にいう「債務者」は自然人に限られ、法人が債務者である場合には日用品の供給の先取特権は認められない(最判昭46.10.21)。したがって、E電力会社の電気代に関する債権には、先取特権は認められない。【平17-11-ウ】

 

<問題4> 株式会社Aが、Bから事務所として賃借した甲建物の賃料を3か月分滞納していた場合において、賃貸借契約の締結の際に敷金として2か月分の賃料相当額を支払っていたときは、賃貸人Bの3か月分の賃料について、株式会社Aが甲建物に備え付けた動産の上に先取特権が認められる。○か×か?

解答

【解答4】 × 不動産の賃貸の先取特権は、その不動産の賃料その他の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について存在する(民312条)。ただし、賃貸人が敷金を受け取っている場合は、被担保債権から敷金相当額を控除した残額についてのみ先取特権を有する(民316条)。したがって、賃貸人であるBは、敷金として支払われた2か月分の賃料相当額を控除した残額である1か月分の賃料について、株式会社Aが甲建物に備え付けた動産の上に先取特権が認められる。【平17-11-エ】

 

<問題5> 建物を新築する場合における不動産工事の先取特権の効力を保存するためには、当該建物の新築後直ちにその工事の費用の額を登記しなければならない。○か×か?

解答

【解答5】 × 不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない(民338条1項前段)。【平26-11-イ】

 

<問題6> 雇用関係の先取特権は、不動産について登記をしなくても、当該不動産について登記をした抵当権を有する債権者に対抗することができる。○か×か?

解答

【解答6】 × 雇用関係の先取特権は、一般の先取特権である(民306条2号)。そして、一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない(民336条)。【平26-11-オ】

 

<問題7> 動産売買の先取特権の目的物に質権が設定された場合、当該質権は、当該動産売買の先取特権に優先する。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、民法330条の規定による第1順位の先取特権者と同一の権利を有する(民334条)。動産売買の先取特権は第3順位となるため、第1順位となる動産質権が優先することになる。【平28-11-ア】

 

<問題8> 不動産の工事の先取特権は、工事によって不動産の価格が一旦増加した場合には、先取特権の行使時点において当該価格の増加が現存しないときであっても、行使することができる。○か×か?

解答

【解答8】 × 不動産の工事の先取特権は、工事によって生じた不動産の価格の増加が現存する場合に限り、その増価額についてのみ存在する(民327条2項)。【平28-11-イ】

 

<問題9> 動産売買の先取特権の目的物である動産が第三者に売却された場合には、その引渡しが占有改定の方法によりされたときであっても、先取特権者は、その動産に対して先取特権を行使することができない。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない(民333条)。この「引渡し」には、占有改定を含む(大判大6.7.26)。【平28-11-ウ】

 

<問題10> 登記されていない一般の先取特権は、登記されていない抵当権と同一の順位となる。○か×か?

解答

【解答10】 × 一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる(民336条本文)。したがって、登記されていない一般の先取特権は、登記されていない抵当権に優先することになる。【平28-11-オ】

 

<問題11> 動産の買主Bが、売主Aに対する代金の支払を怠っているにもかかわらず、その目的動産をCに転売して引き渡し、転売代金がすでに支払われてしまっている場合、Aは、動産売買の先取特権に基づく物上代位権の行使としてBの代金債権を差し押さえることはできず、Cのところにある目的動産に対して直接に動産売買の先取特権を行使することになる。○か×か?

解答

【解答11】 × 物上代位権の行使は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない(民304条1項ただし書)ので、目的物の転売代金がすでに支払われてしまっている場合には物上代位権は行使できない。また、先取特権は、債務者がその目的である動産を第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない(民333条)。【平18-15-ウ】

 

<問題12> 不動産売買の先取特権については、売買代金及び利息の支払がされていない旨の登記がされていても、権利を行使し得る利息の範囲は最後の2年分に限られるが、根抵当権については、利息は元本と合わせて極度額を超えなければ最後の2年分に限られない。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 不動産売買の先取特権の被担保債権は、不動産の売買代価及びその利息である(民328条)。そして、先取特権の効力に関しては、抵当権の規定を準用しているので、利息の範囲は原則として最後の2年分に限られる(民341条、375条1項)。一方、根抵当権は極度額までであれば、普通抵当権の担保範囲のように利息、損害金の最後の2年分に限定されることはない(民398条の3第1項)。【平15-13-ウ】

 

<問題13> 工事着手後にされた不動産工事の先取特権の登記は、無効であるが、根抵当権の登記の有効性は、根抵当権が有効に存続している限り、登記のされた時期にかかわらない。○か×か?

解答

【解答13】 ○ 不動産工事着手後に、不動産工事の先取特権の登記をしても、その登記は無効である(大判大6.2.9)。つまり、登記が先取特権の効力要件となっている(民338条1項本文)。一方、根抵当権では登記は対抗要件にすぎない(民177条)。したがって、根抵当権の場合は設定行為があれば、根抵当権が有効に存続している限り、登記のされた時期にかかわりなく有効である。【平15-13-エ】

 

<問題14> 不動産の売買の先取特権は、売買契約と同時に、不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨を登記した場合には、その前に登記された抵当権に先立って行使することができる。○か×か?

解答

【解答14】 × 不動産の売買の先取特権の効力を保存するためには、売買契約と同時に、不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨を登記しなければならない(民340条)。この先取特権と抵当権とは原則どおり対抗関係に立つため、当該先取特権は、先取特権の登記の前に登記された抵当権に先立って行使することはできない(民177条)。なお、登記をした不動産保存の先取特権及び不動産工事の先取特権は、その登記の前後を問わず、抵当権に先立って行使することができるが(民339条)、この規定の不動産売買の先取特権への適用はない。【平29-11-ウ】

Return Top