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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法物権「所有権」>

<問題1> 甲土地を所有し、乙土地について囲繞地通行権を有するAが、Bに対し、甲土地を賃貸し、その賃借権について対抗要件が具備された場合には、Bは、乙土地について囲繞地通行権を有する。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 袋地の所有者から当該袋地を賃借した者も、賃借権の対抗要件を具備すれば、囲繞地通行権を有する(最判昭36.3.24)。【平26-9-イ】

 

<問題2> Aが、その所有する一筆の土地を甲土地と丙土地に分筆し、公道に通じない甲土地をBに譲渡した後、公道に通じている丙土地をCに譲渡した場合には、Bは、丙土地について無償の囲繞地通行権を有する。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 分筆によって公道に通じない土地が生じたときは、その袋地の所有者は、公道に至るため、分筆による他の一方の土地のみを通行することができる。この場合、償金を支払う必要はない(民213条1項)。また、この囲繞地通行権は、分筆による他の一方の土地が譲渡された場合であっても消滅しない(最判平2.11.20)。【平26-9-ウ】

 

<問題3> Aの所有する甲土地と、Bの所有する乙土地とが、互いに相隣地の関係にある。この場合において、Aが甲土地に家屋を建てるときは、雨水が乙土地に直接注ぐ構造の屋根を設けることができる。○か×か?

解答

【解答3】 × 土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない(民218条)。隣地の利用を妨げるような工作物は設置できないからである。したがって、Aは雨水が乙土地に直接注ぐ構造の屋根を設けることはできない。【平23-10-ウ】

 

<問題4> Aの所有する甲土地と、Bの所有する乙土地とが、互いに相隣地の関係にある。この場合において、Aは、甲土地と乙土地との境界に境界標を設けたいと考えたときであっても、Bに対し、共同の費用でこれを設けることを求めることができず、自己の費用でこれを設けなければならない。○か×か?

解答

【解答4】 × 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる(民223条)。境界標が相隣者の土地所有権の及ぶ範囲を明確に標示するという点において、相隣者に共通の利益を与えるからである。したがって、Aが自己の費用でこれを設けなければならない、としている点で誤り。【平23-10-エ】

 

<問題5> A所有の建物甲及びB所有の建物乙が工事によって一棟の建物丙となった場合において、甲乙間に主従の区別をすることができないときは、甲について設定されていた抵当権は、丙のうちの甲の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして、存続する。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 互いに主従の関係にない甲、乙の二棟の建物が、その間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合においても、これをもって、甲建物あるいは乙建物を目的として設定されていた抵当権が消滅することはなく、右抵当権は、丙建物のうちの甲建物又は乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続する(最判平6.1.25)。【平15-10-ウ】

 

<問題6> 共有者間の協議に基づかないで一部の共有者から共有地の占有使用を承認された第三者に対し、他の共有者は、明渡しを請求することができる。○か×か?

解答

【解答6】 × 一部の共有者から承諾を得て共有地を占有している第三者に対して、他の共有者は、当然には明渡しを請求することはできない(最判昭63.5.20)。この場合、第三者は使用を承認した共有者の持分に基づいて使用権限を与えられているからである。【平15-11-ウ】

 

<問題7>A、B及びCが父親Xから甲土地を共同相続した(相続分は平等であり、遺産分割協議は未了である。)ところ、A、B及びCの間で甲土地の分割について協議が調わない場合に、甲土地の共有関係を解消するためには、家庭裁判所に対して遺産分割を請求すべきであり、地方裁判所に対して共有物分割請求の訴えを提起しても、その訴えは、不適法である。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 判例は、遺産の共有状態の解消は、共同相続人間においては、遺産分割手続によるべきであり、分割前に共有物分割請求の訴えをすることはできないとする(最判昭62.9.4)。【平17-10-イ】

 

<問題8>A、B及びCが父親Xから甲土地を共同相続した(相続分は平等であり、遺産分割協議は未了である。)ところ、AがBに対し甲土地についての管理費用の立替債権を有している場合において、BがDに甲土地の持分を譲渡したときは、Aは、Dに対し、当該管理費用の立替金の支払を請求することができる。○か×か?

解答

【解答8】 ○ 共有物の変更・管理・保存に要した費用は、共有者各人がそれぞれその持分に応じて負担する(民253条1項)。このような費用を立て替えた場合などに生じる共有物に関する共有者の相互間の債権は、債務者の共有持分の特定承継人に対しても行使できる(民254条)。したがって、本肢の場合、AはDに対して管理費用の立替金の支払いを請求できる。【平17-10-オ】

 

<問題9>共有者の一人が共有者間の協議に基づかないで農地である共有地を造成して宅地にする工事を行っている場合には、他の共有者は、当該共有者に対して、当該工事の差止めを請求することができる。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 共有物の変更には、共有者全員の同意が必要である(民251条)ところ、農地を造成して宅地にすることは、共有物の変更にあたる。そこで、他の共有者は、共有者間の協議に基づかないで共有物を変更した共有者に対して、妨害排除請求権の行使として、工事の差止めを請求することができる(最判平10.3.24)。【平19-10-ア】

 

<問題10>第三者が共有地を不法に占有している場合において、当該第三者に対して不法行為に基づく損害賠償の請求をするときは、各共有者は、自己の持分の割合を超えて損害賠償を請求することができない。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 共有物に対する不法行為に基づく損害賠償請求権は、各共有者が自己の持分権についてのみこれを行使すべきであり、他人の持分に対しては、何ら請求権を持たないから、自己の持分の割合を超えて損害賠償を請求することはできない(最判昭41.3.3、最判昭51.9.7)。【平19-10-エ】

 

<問題11>A、B及びCが甲土地を共有している場合において、Aが、B及びCの同意を得ずに、甲土地の全部を占有し、使用しているときは、B及びCは、Aに対し、甲土地の全部をB及びCに明け渡すことを請求することができる。○か×か?

解答

【解答11】 × 各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる(民249条)。したがって、B及びCは、Aに対し、甲土地の全部をB及びCに明け渡すことを請求することはできない(最判昭41.5.19)。【平27-10-イ】

 

<問題12>A、B及びCが甲土地を共有している場合において、A、B及びCの間で甲土地についての共有物分割の協議が調わず、Aが裁判所に甲土地の分割を請求したときは、裁判所は、Aが甲土地の全部を取得し、B及びCがそれぞれの持分の価格の賠償を受ける方法による分割を命ずることはできない。○か×か?

解答

【解答12】 × 全面的価格賠償の方法による分割について民法上の明文規定は存在しないが、共有物を共有者のうちの特定の者に取得させるのが相当であると認められ、かつ、その価格が適正に評価され、当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共有者にはその持分の価格を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情が存するときは、全面的価格賠償の方法による分割をすることも許される(最判平8.10.31)。【平27-10-エ】

 

<問題13>A、B及びCが共有する建物を分割する場合において、協議により分割するときは、Aに当該建物を取得させ、B及びCに持分の価格を賠償する方法によることができるが、裁判により分割するときは、このような方法によることはできない。○か×か?

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