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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法(時効)>

<問題1> 他人の債務のために自己の所有物件に抵当権を設定した物上保証人は、その被担保債権が消滅すると抵当権も消滅するので、被担保債権の消滅時効を援用することができる。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない(民145条)。したがって、他人の債務のために自己の所有物件に抵当権を設定した物上保証人は、被担保債権の消滅時効を援用することができる(最判昭43.9.26)。【平20-7-イ】

 

<問題2> 詐害行為の受益者は、詐害行為取消権を行使する債権者の債権が消滅すれば、詐害行為取消権の行使による利益喪失を免れることができるので、その債権の消滅時効を援用することができる。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 詐害行為の受益者は、取消債権者の債権の消滅によって直接利益を受ける者に該当するため、その債権について消滅時効を援用することができる(最判平10.6.22)。【平20-7-エ】

 

<問題3> AがB所有の甲土地を所有者と称するCから買い受け、これにより甲土地が自己の所有となったものと誤信し、かつ、そう信じたことに過失なく8年間平穏・公然と占有した後に、甲土地がB所有の土地であることに気付いた場合、その後2年間甲土地を占有したときであっても、Aは甲土地の所有権を取得しない。○か×か?

解答

【解答3】 × 10年の取得時効の要件としての占有者の善意・無過失は占有の開始時点で善意・無過失であればよく、以後悪意等になっても善意・無過失にはかわりはない(大判明44.4.7)。Aは占有開始時点ですでに善意・無過失であり、甲土地の占有が10年間であるので、取得時効によりAは甲土地を取得できる。【平21-7-エ】

 

<問題4> AがB所有の甲土地を借りて乙建物を建て、甲土地を15年間占有していたところ、Aが死亡し、Aの単独相続人であるCが甲土地及び乙建物がAの遺産であり自己がこれらを取得したと信じて5年間甲土地を平穏・公然と占有した場合、Cは甲土地の所有権を取得する。○か×か?

解答

【解答4】 × 賃借人や受寄者などの占有代理人は当然に他主占有者となるが、相続人が、被相続人の死亡により相続財産の占有を承継したばかりでなく、新たに相続財産を事実上支配することによって占有を開始し、その占有に所有の意思があると見られる場合においては、被相続人の占有が所有の意思のないものであったときでも、相続人は民法185条にいう新権原により所有の意思をもって占有を始めたものというべきである(最判昭46.11.30)。Aは所有の意思をもって占有したのではないため、Aの相続人CはC自身の占有しか主張することができない。Cの占有期間は5年であるため、Cは取得時効を援用することはできない。【平21-7-オ】

 

<問題5> Aが、B所有の甲土地について、Bとの間で使用貸借契約を締結し、その引渡しを受けたが、内心においては、当初から甲土地を時効により取得する意思を有していた場合、Aは、甲土地の占有を20年間継続したとしても、甲土地の所有権を時効により取得することはできない。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する(民162条1項)。この占有における所有の意思の有無は、占有取得の原因たる事実によって外形的客観的に定められるものであって(最判昭45.6.18)、Bとの間で他主占有の性質を有する使用貸借契約を締結しているAには、所有の意思を認めることができない。したがって、Aは、甲土地の所有権を時効により取得することができない。【平27-6-イ】

 

<問題6> Aがその所有する甲土地について、BのCに対する債権を被担保債権とし、Bを抵当権者とする抵当権を設定した後に、Cが甲土地の所有権を時効により取得したときであっても、Bの抵当権は消滅しない。○か×か?

解答

【解答6】 ○ 債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅するとされている(民397条)。したがって、債務者であるCが甲土地の所有権を時効によって取得しても、Bの抵当権は消滅しない。【平27-6-エ】

 

<問題7> 抵当不動産の第三取得者は抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができるのに対し、抵当不動産の後順位抵当権者は先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができない。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 抵当不動産の第三取得者は、抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる(最判昭48.12.14)が、後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができない(最判平11.10.21)。【平24-6-ア】

 

<問題8> 主たる債務者のした権利の承認による消滅時効の更新の効力は、連帯保証人に対しても生ずる。○か×か?

解答

【解答8】 ○ 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる(民457条1項)。【平24-6-エ】

 

<問題9> 所有権に基づく妨害排除請求権は、時効によって消滅しないが、占有保持の訴えは、妨害が消滅した時から1年を経過した場合には提起することができない。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 所有権は消滅時効にかからないので、所有権に基づく妨害排除請求権も消滅時効にかからない(大判大5.6.23)。一方、占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後1年以内に提起しなければならない(民201条1項)。【平18-7-ウ】

 

<問題10> 質権は、被担保債権とは別個に時効によって消滅しないが、地上権は、20年間行使しないときは、時効によって消滅する。○か×か?

解答

【解答10】 ○担保物権は、被担保債権が存続する限り、独立して消滅時効にかからないのが原則である(抵当権については、民396条により例外がある)ため、質権は、被担保債権とは別個に消滅時効により消滅しない。これに対して、地上権は、権利を行使することができるときから20年間行使しないときは、時効によって消滅する(民166条2項)。【平18-7-オ】

 

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