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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■不動産登記法(登記申請手続 Ⅲ)>

<問題1>「AからBへの所有権の移転の登記の抹消手続を命ずる判決が確定したが、判決確定後、Aがその抹消の申請をしない間に、BからCへの所有権の移転の登記が経由された場合、Cへの所有権の移転が売買等の特定承継によるものであるときは、Aがその所有権を第三者Cに対抗することができる場合に限り、承継執行を肯定することができる。」という考え方がある。「AからBへの所有権の移転の登記が錯誤により無効であった場合には、登記に公信力がない以上、AはCに対してBの無権利を対抗することができるから、Cは判決の効力を受けることになる。」という記述は、その考え方と矛盾しない。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 本肢の考え方によれば、AはCに対しBの無権利を当然に主張し得るから、Cを民事訴訟法115条1項3号の承継人に当たるものとして、民事執行法23条1項3号の類推適用により承継執行文の付与を受け、判決による登記申請をすることができることになる(昭32.5.6-738号)。【平20-26-イ】

 

<問題2>破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産財団に属する不動産を任意売却したときは、その不動産についてなされた破産手続開始の登記の抹消を申請することができる。○か×か?

解答

【解答2】 × 任意売却による所有権移転登記を申請したときは、裁判所書記官は、破産管財人の申立てにより、破産手続開始の登記の抹消の「嘱託」をすることができる(昭32.3.20-542号参照)。破産管財人の登記「申請」に基づいて抹消されるわけではない。【昭58-17-5】

 

<問題3>電子申請(特例方式を除く)によって不動産登記の申請をする場合において、登記識別情報を提供することができないことから事前通知の手続によるときは、書面申請の場合と同様に、書面で通知されるが、このほかに、電子申請であっても書面で行う手続には、却下決定書の交付や取下げの申出がある。○か×か?

解答

【解答3】 × 取下げの申出は、電子申請(特例方式を除く)による場合は、電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を登記所に提供する方法による(不登規39条1項1号)が、書面申請による場合は、申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法による(不登規39条1項2号)。なお、却下決定書の交付(不登規38条2項)については電子申請であっても書面でなされる。【平20-27-ウ】

 

<問題4>仮登記権利者は、仮登記義務者の仮登記の申請に関する承諾書を代位原因証明情報として、仮登記義務者である所有権の登記名義人の住所の変更の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答4】 ○ 代位原因証明情報(不登令7条1項3号)は、登記官が当事者間に債権の存在することを確認できるものであれば足り、必ずしも公文書である必要はなく、私文書でも差し支えない(昭23.9.21-3010号)ので、仮登記権利者は、仮登記義務者の仮登記の申請に関する承諾書を代位原因証明情報として提供すれば、所有権の登記名義人の住所の変更の登記を、仮登記義務者に代位して申請することができる。【平21-12-エ】

 

<問題5>登記権利者と登記義務者とが共同して自ら電子申請(特例方式を除く)をする場合には、登記権利者及び登記義務者のいずれもが申請情報に電子署名を行わなければならない。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 電子申請(特例方式を除く)においては、申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請情報に電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律2条1項に規定する電子署名をいう。)を行わなければならない(不登令12条1項)。申請人が登記権利者と登記義務者である場合には、その双方の電子署名が必要である。【平17-17-イ】

 

<問題6>登記の申請について当事者である信託の受託者から委任を受けた場合において、当該受託者の信託に関する任務が終了したときは、当該委任による代理人の権限は、消滅する。○か×か?

解答

【解答6】 × 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人である受託者の信託に関する任務の終了によっては消滅しない(不登17条3号)。【平19-21-オ】

 

<問題7>A社所有の不動産を買い受けたBは、A社に対して売買を原因とする所有権移転登記手続を命ずる確定判決を得た。その後、A社は、C社に吸収合併された。この場合、Bは、C社に対する承継執行文の付与を受け、A社からの所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答7】 ○ Bが、A社に対する所有権移転登記を命ずる確定判決を得た後、A社がC社に吸収合併された場合、C社は民事執行法23条1項3号の承継人である。したがって、BはC社に対する承継執行文の付与を受けて、登記の申請をすることができる。もっとも、A社からC社への所有権移転登記は未だなされていないので、仮に承継執行文の付与がされていない判決によっても、形式的審査権しか有しない登記官にとって、判決に表示された登記義務者の表示と登記記録が符合しない(不登25条7号)ということはなく、Bの申請は受理されることになる。【平15-13-5】

 

<問題8>反対給付と引換えに所有権移転登記手続を命じた判決が確定したときは、原告は、執行文の付与を得れば、単独でその登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答8】 ○ 意思表示を命じる判決は、原則として判決確定時に執行力を生じる(民執174条1項本文)が、債務者の意思表示が反対給付との引換えに係るときは、執行文が付与された時に債務者が意思表示をしたものとみなされる(民執174条1項ただし書)。【平9-13-イ、平5-14-ウ、平2-31-オ、平元-20-3】

 

<問題9>被告がその債務を履行しなかったときは、登記義務者として所有権移転登記手続をする旨の記載のある裁判上の和解が成立した場合において、被告が当該債務を履行しないときは、原告は、執行文の付与を得れば、単独でその登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 債務者の意思表示が債務者の証明すべき事実のないことに係るときは、執行文が付与された時に債務者が意思表示をしたものとみなされる(民執174条1項ただし書き、民執174条3項)。したがって、被告がその債務を履行しなかったときは、登記義務者として所有権移転登記手続をする旨の記載のある裁判上の和解が成立した場合は、原告の申立てに基づき裁判所書記官が債務者に履行の有無を確認した上で執行文を付与すれば(民執174条3項)、原告は、単独でその登記を申請することができる。【平9-13-ウ、平5-14-イ、昭60-29-5】

 

<問題10>登記の申請について当事者である未成年者の単独親権者から委任を受けた場合において、当該親権者が家庭裁判所から親権の喪失の宣告を受けたときは、当該委任による代理人の権限は、消滅する。○か×か?

解答

【解答10】 × 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、法定代理人の代理権の消滅によっては消滅しない(不登17条4号)。したがって、未成年者の単独の親権者から登記申請の委任を受けた者は、その後当該親権者が親権を喪失しても、登記申請の代理権を失うものではない。【平19-21-エ】

 

<問題11>一つの申請情報で数個の不動産に関する登記の申請をしたときは、その申請の一部を取り下げることはできない。○か×か?

解答

【解答11】 × 一つの申請情報で数個の不動産に関する登記の申請をした場合でも、その申請の一部を取り下げることができる。【昭58-26-2】

 

<問題12>Aを所有権の登記名義人とする不動産につき、Aを売主、Bを買主とする売買契約が締結された後、AからBへの売買を原因とする所有権の移転の登記の申請を司法書士に委任していたBが、当該登記の申請前に死亡した場合には、当該司法書士は、Bの死亡後もその委任に基づいてAからBへの所有権の移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 

 

<問題13>電子申請(特例方式を除く)をする場合において、第三者の承諾を証する情報を申請情報と併せて提供するときは、当該第三者の承諾を証する情報に当該第三者が電子署名を行わなければならない。○か×か?

解答

【解答13】 ○ 電子申請(特例方式を除く)における添付情報には、その作成者による電子署名が行われていなければならない(不登令12条2項)。添付情報が第三者の承諾情報であるときは、当該第三者の電子署名が行われているものでなければならない。【平17-17-ウ】

 

<問題14>農業委員会の許可を条件として所有権移転登記の手続を命じた判決に基づき、登記権利者が単独で登記を申請する場合には、申請書に農業委員会が許可したことを証する書面を添付することを要する。○か×か?

解答

【解答14】 × 農業委員会の許可を条件として所有権移転登記の手続を命じた判決に基づき、登記権利者が単独で登記を申請する場合は、農地法所定の許可書を裁判所書記官に提出し、執行文の付与を得て、申請書にそれを添付する(昭40.6.19-1120号)ので、申請書に農地法所定の許可があったことを証する書面を添付することを要しない。【平7-14-1、平5-14-ア、昭61-19-4】

 

<問題15>地役権の設定の登記請求権を保全するためにされた保全仮登記に基づく本登記の申請をする場合において、処分禁止の仮処分の登記は、登記官が職権によって抹消することができる。○か×か?

解答

【解答15】 ○ 保全仮登記の本登記をした場合、仮処分の効力を援用したことは明らかであるから、仮処分の登記後になされた第三者の登記を抹消したか否かにかかわらず、登記官は職権により処分禁止の仮処分の登記を抹消する(不登114条)。【平8-25-エ】

 

<問題16>1番抵当権から2番抵当権への順位の譲渡の登記がされた後、2番抵当権の登記が抹消された場合、当該順位の譲渡の登記は、登記官の職権により抹消される。○か×か?

解答

【解答16】 ○ 1番抵当権から2番抵当権への順位の譲渡の登記がされた後、2番抵当権の登記が抹消された場合、当該順位の譲渡の登記は、登記官の職権により抹消される(平21.2.20-500号、記録例446)。【平21-16-3】

 

<問題17>反対給付と引換えに所有権移転登記手続を命ずる判決が確定したときは、原告は、執行文を得れば、単独でその登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答17】 ○ 1民事執行法174条による意思擬制の強制執行においては原則的に執行文の付与を要しない。しかし、民事執行法174条は例外的に3つのパターンを規定している。この場合、執行文の付与を受けることによって、登記義務者の意思が擬制される。【昭55-19-3、平9-13-イ】

 

<問題18>甲、乙、丙と順次所有権が移転した場合において、丙が甲を被告として、「甲は、乙に対し、所有権移転登記手続をせよ。」との判決を得たときは、乙はその判決に基づき、単独で、甲から乙への所有権移転の登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答18】 × 民事訴訟法115条1項2号により乙にも既判力が及ぶ。したがって、本問の事例で、乙は登記申請できる(昭44.5.21-553号)。【昭56-15-1】

 

<問題19>書面申請の方法で登記を申請した場合において、申請が却下されたときは、申請書は、還付されない。○か×か?

解答

【解答19】 ○ 登記官は、書面申請がされた場合において、申請を却下したときは、添付書面を還付する(不登規38条3項本文)。したがって、申請書は還付されない。【平21-18-ア】

 

<問題20>添付情報が登記事項証明書であるときは、これに代わる情報を送信することにより電子申請(特例方式を除く)をすることはできない。○か×か?

解答

【解答20】 × 電子申請(特例方式を除く)の場合には、法務省令で定めるところにより、申請情報と併せて添付情報を送信しなければならない(不登令10条)。登記事項証明書が添付情報である場合は、書面を送信することはできないので、法務大臣の定めるところに従い、登記事項証明書の提供に代えて、登記官が電気通信回線による登記情報の提供に関する法律2条1項に規定する登記情報の送信を同法3条2項に規定する指定法人から受けるために必要な情報を送信することになる(不登令11条)。【平17-17-ア】

 

<問題21>法人が申請人となって電子申請(特例方式を除く)をする場合において、申請情報に電子署名を行った当該法人の代表者が、電子認証登記所の登記官が作成した電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる。○か×か?

解答

【解答21】 ○ 電子申請(特例方式を除く)の申請人が法人である場合において、申請情報に電子署名を行った当該法人の代表者が、電子認証登記所の登記官が作成した電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の代表者の資格を証する情報の提供に代えることができる(不登規44条2項)。【平17-17-エ】

 

<問題22>A名義の不動産について、Bのために所有権移転登記手続を命じる判決の確定後、その登記前にBが当該不動産をCに贈与した場合、Cは、承継執行文の付与を得ることにより、Aから自己名義に所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答22】 × A名義の不動産について、Bのために所有権移転登記手続を命じる判決の確定後、その登記前にBが当該不動産をCに贈与した場合、Cは、承継執行文の付与を得ることにより、Aから自己名義に所有権移転登記を申請することはできない。この場合、不動産の所有権はA→B→Cと移転しており、中間者Bを除いて、直接A→Cの移転登記をすることは中間省略登記に当たるからである。この場合、当該判決に基づきB名義とする登記をした後、BとCとの共同申請により、BからCへの所有権移転登記を申請する(昭44.5.1-895号)。【平9-13-エ、平5-14-オ、昭60-29-3】

 

<問題23>委任による代理人によってされた登記の申請を当該代理人が撤回を理由として取り下げるには、当該取下げについての特別の授権を要し、その旨の代理権限証明情報を提供しなければならない。○か×か?

解答

【解答23】 ○ 委任による代理人によってされた登記の申請を当該代理人が取り下げる場合、取下げの理由が補正のためであれば、特別の授権を要しないが、その他の事由による取下げについては特別の授権を要し、その旨の代理権限証明情報を提供しなければならない(昭29.12.25-2637号)。したがって、撤回を理由として取り下げる場合には、特別の授権を要し、その旨の代理権限証明情報を提供する必要がある。【平21-18-エ】

 

<問題24>処分制限の登記の嘱託により、職権でした所有権保存の登記については、その後、嘱託により錯誤を原因としてその処分制限の登記を抹消するときは、これを職権で抹消する。○か×か?

解答

【解答24】 × 登記官の職権によって所有権保存登記がなされた後、処分制限の登記が嘱託により抹消された場合でも、登記官は職権で所有権保存登記を抹消することはできない(昭38.4.10-966号)。登記官の職権抹消を認めた規定は存在しないからである。【平4-21-3】

 

<問題25>起業者からの収用による所有権移転の登記の申請をする場合において、裁決手続の開始の登記は、登記官が職権によって抹消することができる。○か×か?

解答

【解答25】 ○ 裁決手続開始の登記は、処分制限の登記であるから(土地収用45条の2、3)、起業者への所有権移転登記がされれば、登記官が職権で抹消する(不登118条6項)。【平8-25-ア】

 

<問題26>A所有の甲土地とB所有の乙建物についてCを債務者とする共同抵当権の設定登記がされ、乙建物についてのみBを債務者とするDの後順位抵当権の設定登記がされている場合において、乙建物につき抵当権が実行されたときは、Dは、代位によってBの甲土地に対する弁済者代位による抵当権移転の付記登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答26】 × Bは甲土地について弁済者代位による抵当権移転登記を申請することができ(民500条)、後順位抵当権者DはBに代位して、Bへの抵当権移転登記の申請をすることができる(昭43.5.29-1834号)。【平12-15-エ】

 

<問題27>差押債権者が承諾したことを証する情報を提供してする所有権移転の登記の抹消の登記の申請をする場合において、差押えの登記は、登記官が職権によって抹消することができる。○か×か?

解答

【解答27】 ○ 所有権移転登記の抹消について、移転登記の後にされた差押権者は登記上の利害関係人に該当する。本問の抹消登記を申請する場合、利害関係人の承諾が必要になる。その抹消登記後の第三者の権利に関する登記の抹消は登記官が職権で抹消する(不登68条、不登規152条2項)。【平8-25-オ】

 

<問題28>書面を提出する方法により登記を申請する場合に、登記義務者の登記識別情報を提供することができないため、申請代理人である司法書士が作成した本人確認情報を提供して登記を申請する場合には、当該本人確認情報に添付した司法書士の職印に係る印鑑証明書については、原本の還付を請求することができる。○か×か?

解答

【解答28】 ○ 遺産分割協議に基づいて相続による所有権移転登記の申請をする場合には、登記原因証明情報の一部として遺産分割協議書と当該協議書に押印された申請人以外の相続人全員の印鑑証明書を要するが(昭30.4.23-742号)、登記原因証明情報の一部として添付された印鑑証明書は、不動産登記規則55条1項ただし書によって原本還付できない書面とはされていない。【平19-16-ウ】

 

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