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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■不動産登記法(登記申請手続 Ⅱ)>

<問題1> 債権者代位によって第1順位の法定相続人のために共同相続を原因とする所有権移転の登記がされたが、当該相続登記より前に当該第1順位の法定相続人全員が相続放棄をしていた場合には、当該第1順位の法定相続人と第2順位の法定相続人とが共同して、第2順位の法定相続人の相続による所有権移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答1】 × 第1順位の法定相続人全員が相続の放棄をしていたのであるから、これらの者を相続人とした相続による所有権移転登記は、その全部が誤っているものであり、抹消すべきものである。第2順位の法定相続人を不動産登記法62条による登記権利者とし、当該第1順位の法定相続人全員を登記義務者として相続登記の抹消をし、その後第2順位の法定相続人に相続による所有権移転登記をしなければならない(昭52.4.15-2379号)。【平16-26-ウ】

 

<問題2> 売買による所有権の移転の登記がされた後に売主が死亡したが、当該売買は、無効であった。この場合には、当該売主の共同相続人の一人は、買主と共同して、当該売主を登記権利者、当該買主を登記義務者として、当該所有権の移転の登記の抹消を申請することができる。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 所有権移転登記の抹消は、当該抹消によって登記名義が回復する前所有権登記名義人が登記権利者、抹消される現所有権登記の名義人が登記義務者となってする共同申請である。しかし、当該登記の申請前に登記権利者である前所有権登記名義人が死亡したのであれば、その相続人が当該登記を申請することができる(不登62条)。そして、登記権利者の相続人が共同相続人である場合には、共同相続人の一人から当該登記を申請することができる。当該登記を申請することは、共同相続人の共有財産であるところの、相続財産についてする、保存行為(民252条ただし書)となるからである。【平17-12-エ】

 

<問題3> 「判決による登記の申請書に添付する判決は、被告に対して一定の登記申請手続をすべき旨を命じた給付判決でなければならず、不動産物権変動に関する確認判決では足りない。」という見解がある。「判決により物権の存在が確認されたとしても、被告が登記申請に協力すべき義務を負っているとは限らない。」という記述は、この見解の根拠となる。○か×か?

解答

【解答3】 ○ 確認判決だけでは足りず、給付判決を要することの根拠である。【平11-15-エ】

 

<問題4> 甲土地の所有者Aが死亡してB、C及びDがその共同相続人となったが、B、C及びDがその相続分を第三者Eに譲渡した場合には、Eは、E一人を相続人とする相続の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答4】 × 相続分の譲渡を受けた者が共同相続人ではない場合には、その者に対する「相続」を原因とする所有権移転登記を申請することはできない。まず、共同相続人名義の所有権移転登記をし、次いで「相続分の売買(贈与)」を原因として、共有者全員持分全部移転の登記を申請すべきである。【平15-25-イ】

 

<問題5> 「判決による登記の申請書に添付する判決は、被告に対して一定の登記申請手続をすべき旨を命じた給付判決でなければならず、不動産物権変動に関する確認判決では足りない。」という見解がある。「判決によって登記義務者の登記の申請意思が擬制されるからである。」という記述は、この見解の根拠となる。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 確認判決には登記の申請意思まで擬制する内容は含まれていないから給付判決を要することの根拠となる。【平11-15-オ】

 

<問題6> Aを所有権の登記名義人とする不動産につき、Aを売主、Bを買主とする売買契約が締結された後、その旨の登記を申請する前にAが死亡し、Aの相続人がX及びYであった場合において、Xが民法第903条第2項によりその相続分を受けることのできない特別受益者であっても、B及びYのみでは共同して所有権の移転の登記を申請することができない。○か×か?

解答

【解答6】 ○ 登記義務者が登記の申請をする前に死亡した場合には、その相続人全員が登記申請義務を承継し、申請人とならなければならない(昭27.8.23-74号)。民法903条2項によって相続分を受けることができない者も、相続人であることに変わりはなく、登記の申請人とならなければならない。【平19-14-ア】

 

<問題7> 甲土地の所有者Aが死亡してB、C及びDがその共同相続人となったが、Aの相続開始後にCが死亡し、Cの相続人FとDがその相続分をBに譲渡した場合には、Bは、B一人を相続人とする相続の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答7】 × Bに譲渡されたFの相続分は、Cの相続にかかるものである。したがって、Aを被相続人とする相続の登記において当該部分をBが直接取得した旨の登記を申請することはできない(平4.3.18-1404号参照)。この事例におけるFの相続分については、①A→BC「相続(Dの相続分の譲渡があったことを証する情報付)」、②C→F「相続」、③F→B「相続分の売買(贈与)」の順で登記の申請をすべきである。【平15-25-エ】

 

<問題8> 遺贈により不動産を取得したことを確認する旨の記載のある訴訟上の和解調書に基づき、登記権利者は、単独で遺贈を登記原因とする所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答8】 × 不動産登記法63条1項の判決(和解調書等、確定判決と同一の効力を有するものを含む。)は、登記義務者に対して一定内容の登記手続を命じた給付判決でなければならず、確認判決では足りない。したがって、遺贈により不動産を取得したことを確認する旨の記載のある訴訟上の和解調書に基づき、登記権利者は、単独で遺贈を登記原因とする所有権移転登記を申請することはできない。【平2-31-ウ、昭59-17-1】

 

<問題9> 甲から乙への所有権移転の登記がなされた後に、乙が丙のために抵当権の設定登記をした場合には、甲は、乙に対して、甲から乙への所有権移転登記の抹消登記手続を命じる判決を得た場合でも、申請書に丙が承諾したことを証する書面又はこれに対抗することができる裁判があったことを証する書面を添付しなければ、その判決により単独で所有権移転登記の抹消登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 甲から乙への所有権移転の登記がなされた後に、乙が丙のために抵当権の設定登記をした場合には、甲は、乙に対して、甲から乙への所有権移転登記の抹消登記手続を命じる判決を得た場合でも、申請書に丙が承諾したことを証する書面又はこれに対抗することができる裁判があったことを証する書面を添付しなければ(不登68条、不登令別表26)、その判決により単独で所有権移転登記の抹消登記を申請することはできない。登記手続を命じる判決によっては、利害関係人の承諾の意思表示は擬制されないからである。【昭59-17-3】

 

<問題10> AがB所有土地を買い受けたが、Bが死亡し唯一の相続人Cが所有権移転登記手続に協力しない場合、Aは、Cを被告として所有権移転登記手続を命ずる判決を得れば、判決理由中にBの他の相続人についての記載がないときでも、Cの相続があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した書面を添付することなく、単独でBからAへの所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答10】 × 相続人全員が登記義務者にならなければいけないので、判決により相続人全員であることが明確でない限り、相続があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報の提供が必要になる(不登62条、不登令7条1項5号イ)。【平13-26-エ】

 

<問題11> Aには離婚をした配偶者Bと子C及びDがいて、Aは公正証書による遺言をして死亡した。遺言の内容が「全財産をC及びDに2分の1ずつ相続させる。」であった場合において、CがAより先に死亡したため、Aが唯一の財産である土地の持分2分の1をBに贈与し、その登記をした後であっても、Dは、相続を原因として持分2分の1の登記申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答11】 ○ Cの死亡後にBに2分の1を贈与しその旨の移転登記をしても、その行為は「Dに2分の1相続させる。」という遺言の内容に抵触する生前処分(民1023条2項)ではないと解される。したがって、Dは当該遺言書を相続があったことを証する情報(不登令7条1項6号、別表22)の一部として添付し、相続を原因として持分2分の1の移転の登記を申請することができる。【平15-18-オ】

 

<問題12> 農地法第3条の許可があることを停止条件とする所有権移転請求権を保全するための仮登記に基づく本登記をする場合において、当該許可がある前に売主が死亡していたときは、所有権移転登記の前提として相続登記をすることを要しない。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 農地法の許可前に売主が死亡したのであるから、本来ならば、売主の相続人への所有権移転登記を申請するべきである。しかし、買主への所有権移転の仮登記がされている場合には、もし相続登記をしても、公示上の問題から、仮登記の本登記に際しては当該相続登記は職権で抹消されることになる。抹消されることが予定されている登記の申請を前提として要求することは不経済であることから、先例(昭35.5.10-328号)は、相続登記を省略して差し支えないものとしている。【平15-21-3】

 

<問題13> 「甲は、乙に対し、昭和60年3月31日までに金1,000万円を支払う。もし甲が前記の期日までに前記の金額を支払うことを怠ったときは、甲は、別紙目録記載の土地につきなされた乙から甲への所有権移転登記の抹消登記手続をする」旨の和解が成立した場合において、甲が約定の期日までに約定の金銭を支払わなかったときは、乙は、和解調書に執行文の付与を受け、これを添付して、当該土地につき単独で乙・甲間の所有権移転登記の抹消登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答13】 ○ 本問は、民事執行法174条1項ただし書、3項の「債務者の意思表示が、債務者の証明すべき事実のないことに係る場合」の具体例である。したがって、乙は和解調書に執行文の付与を受けて、これを添付して申請することができる(民訴267条)。【昭60-29-5】

 

<問題14> Bから不動産を買い受けたAが所有権移転登記をしないまま死亡した場合において、BからAの相続人Cへ、判決主文中に登記原因を明示して所有権移転登記の手続を命じる判決がなされたときは、Cはこれに基づいて、単独で所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答14】 ○ 判決主文で中間省略登記が命じられている場合には、当該判決書の正本を登記原因証明情報として、登記権利者が単独で中間省略登記を申請することができる(昭35.2.3-292号参照)。したがって、Bから不動産を買い受けたAが所有権移転登記をしないまま死亡した場合において、BからAの相続人Cへ、判決主文中に登記原因を明示して所有権移転登記の手続を命じる判決がなされたときは、Cはこれに基づいて、単独で所有権移転登記を申請することができる。【平6-15-5】

 

<問題15> 共同相続を原因とする所有権移転の登記がされた後、遺産分割により所有権を取得した共同相続人の一人は、単独で、他の相続人に帰属する持分の移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答15】 × 共同相続の登記がされた後、遺産分割により共同相続人の1人が不動産の所有権を取得した場合、原則どおり共同申請により(不登60条)、当該相続人を登記権利者、他の共同相続人を登記義務者として、持分移転の登記をしなければならない(昭28.8.10-1392号)。【平16-26-エ】

 

<問題16> 共同相続人中に特別受益者があることを証する書面を申請書に添付して、法定相続分と異なる相続分による相続を登記原因とする所有権移転の登記を申請する場合において、その特別受益者が既に死亡しているときは、その書面は、その特別受益者の相続人全員が作成したものでなければならない。○か×か?

解答

【解答16】 ○ 共同相続人中に特別受益者があることを証する書面を申請書に添付して、法定相続分と異なる相続分による相続を登記原因とする所有権移転の登記を申請する場合において、その特別受益者が既に死亡しているときは、その相続人が代わりに証明することができる。ただし、その場合の証明書は、特別受益者の相続人全員が作成したものでなければならない(登研473号)。【平4-25-4、昭59-15-5】

 

<問題17> 遺言執行者が、遺言に基づき不動産を売却し、買主名義に所有権移転の登記を申請するには、その前提として相続登記を経なければならない。○か×か?

解答

【解答17】 ○ 本問は、いわゆる清算型遺贈である。遺言者(被相続人)が死亡してから遺言執行者が不動産を売却するまでの間は、当該不動産の所有権は相続人に帰属しているからである(昭45.10.5-4160号)。【平元-24-3】

 

<問題18> 遺言者が、「甲不動産を相続人中の1人であるAに相続させる」との遺言をして死亡した場合において、既にAが遺言者より先に死亡しており、Aの子がBのみであるときは、甲不動産につきBへの相続登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答18】 × 相続分の指定・遺産分割方法の指定がなされたが、被相続人が死亡する前に指定を受けた相続人が死亡したときは、民法994条1項の規定に準じて、その者についての指定は効力を失い、法定相続の規定に従って処理される(昭62.6.30-3411号)。したがって、遺言者が、「甲不動産を相続人中の1人であるAに相続させる」との遺言をして死亡した場合において、Aが遺言者より先に死亡した場合には、その時点で遺産分割方法の指定の効力は失われ、甲不動産については共同相続財産に含まれることになる。【平5-26-1】

 

<問題19> Aの相続人が、Aの妻B、子CDEである場合において、CがAから相続分を超える金銭の遺贈を受けているときは、申請情報にCの相続分がない旨のCが証明したことを証する情報を提供して、その不動産につき、相続分をB2分の1、DE各4分の1として、相続による所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答19】 × 特別受益者Cに帰属するはずであった相続分の6分の1は、他の共同相続人BDEの相続分の割合に応じて、BDEに帰属する。したがって、各人が取得する相続分は、B5分の3、DE各5分の1である(民903条)。【昭58-29-1】

 

<問題20> 債権者は、詐害行為取消請求訴訟で勝訴判決を得たときは、登記権利者である債務者に代位して所有権移転の登記の抹消の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答20】 ○ 申請人としての登記権利者とは、登記上、直接に利益を受ける者であり(不登2条12号)、実体法上の登記請求権者が必ずしも登記申請上の登記権利者になるわけではない。詐害行為取消判決により所有権移転登記の抹消で登記上利益を受けるのは債務者である。したがって、債権者は、債務者に代位して登記申請することになる(昭38.3.14-726号)。【平10-18-ア】

 

<問題21> Aが死亡し、BCがAを相続したが、BCともに相続を放棄して相続人が存在しなくなったため、家庭裁判所が特別縁故者であるDに対して、Aの所有していた特定の不動産を与える審判をしたときは、Dは単独で、D名義の所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答21】 ○ 特別縁故者への財産分与(民958条の3第1項)の審判が確定したときは、特別縁故者が審判書の正本及びその確定証明書を添付して、単独で自己名義とする所有権移転登記を申請することができる(昭37.6.15-1606号、不登63条参照)。したがって、Aが死亡し、BCがAを相続したが、BCともに相続を放棄して相続人が存在しなくなったため、家庭裁判所が特別縁故者であるDに対して、Aの所有していた特定の不動産を与える審判をしたときは、Dは単独で、D名義の所有権移転登記を申請することができる。【平7-15-ウ、平4-25-5】

 

<問題22> 甲土地の所有者Aが死亡し、Aの相続人が子B・Cである事例を前提として、B・C間で、B持分4分の3・C持分4分の1とする遺産分割協議が成立した場合、Bは、相続を原因とする所有権一部移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答22】 × 

 

<問題23> 甲土地について、所有者Aが死亡し、子B・Cの共同名義による法定相続の登記がされた後に、B・Cの相続放棄の申述が受理され、Aの親Dが相続した。この事実に基づいて、B・Cを登記義務者とする所有権移転登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答23】 ○ 相続放棄により、B・Cは初めから相続人でなかったことになるから(民939条)、法定相続の登記は実体に合致しない無効な登記となる。したがって、これを実体に合致させるには、移転の登記ではなく、更正か抹消の登記によるべきである。本問は、B・C名義の登記とD名義の登記ではその間に同一性がないから抹消の登記によるべきである。そして、その後AからDへの相続による所有権移転登記をすることになる。【平11-13-3】

 

<問題24> 判決に基づく所有権移転登記を申請するときは、申請書に登記義務者の登記識別情報、印鑑証明書及び登記権利者の住所証明書の添付を要しない。○か×か?

解答

【解答24】 × 登記識別情報及び印鑑証明書は、登記義務者の登記申請意思の存在を確認するために添付が要求される書面であるが、登記をすべきことを命じる確定判決に基づき登記権利者が単独で登記を申請する場合には、判決正本を添付することによって登記義務者の登記申請意思が擬制されている事実を確認することができるので、登記識別情報及び印鑑証明書の添付は要しない。しかし、確認されるのはあくまで登記義務者の登記申請意思の擬制であり、登記権利者の住所まで確認されているとはいえないので、その住所証明書の添付は要することになる(昭37.7.28-2116号)。【平5-23-イ、昭61-19-1、平18-21-オ】

 

<問題25> Aの死亡によりB、C及びDが共同相続人となり、A所有名義の甲土地をBが単独で相続する旨の遺産分割協議が成立したが、Dが遺産分割協議書への押印を拒んでいる場合には、Bは、Dに対する所有権確認訴訟の勝訴判決正本及びCの印鑑証明書付きの当該遺産分割協議書を申請書に添付すれば、甲土地について単独でBへの相続の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答25】 ○ 共同相続人の一部の者が、遺産分割協議書への押印を拒んでいる場合は、その者に対する所有権確認訴訟の勝訴判決正本及び他の相続人の印鑑証明書付きの遺産分割協議書を申請書に添付すれば、相続の登記を申請することができる(平4.11.4-6284号参照)。【平14-23-1】

 

<問題26>Aは、甲土地をBに遺贈し、Bはその登記を経由することなく甲土地をCに遺贈するとともに遺言執行者を指定した場合、Cへの所有権の移転の登記の前提として、当該遺言執行者は、Aの相続人との共同申請により、AからBへの所有権の移転の登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答26】 ○ 特定遺贈の目的とされた甲土地を、受遺者Cの名義とするためには、前提として、AからBへの所有権の移転の登記の申請をする必要がある。したがって、遺言執行者は、特定遺贈の目的とされた甲土地を、受遺者Cに完全に移転させる任務があるから、本肢における所有権の移転の登記の申請の代理権限は、遺言執行者の職務権限に属することになる(民1012条1項)。【平20-24-イ】

 

<問題27>Aが死亡し、BCがAを相続したが、相続登記未了のうちにBが持分を放棄した場合、C名義とする登記を申請するためには、AからBCへの相続登記を省略することはできない。○か×か?

解答

【解答27】 ○ Aが死亡し、BCがAを相続したが、相続登記未了のうちにBが持分を放棄した場合、C名義とする登記を申請するためには、AからBCへの相続登記を省略することはできない。Aの相続によりいったんBに持分が帰属し、その後にBが持分を放棄し、その持分がCに移転しているので、A→B→Cの権利変動の過程を登記記録に反映させる必要があるからである。【平9-22-ウ、昭63-23-5】

 

<問題28>不動産に抵当権を設定した者が抵当権の設定の登記をしないまま死亡した。この場合には、抵当権者は、抵当権設定者の共同相続人全員と共同して、自己を登記権利者、当該抵当権設定者を登記義務者として、抵当権の設定の登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答28】 ○ 抵当権設定登記は、抵当権者を登記権利者、抵当権設定者を登記義務者とする共同申請である(不登60条)。しかし、当該登記の申請前に登記義務者である抵当権設定者が死亡したのであれば、その相続人が当該登記を申請することができる(不登62条)。そして、登記義務者の相続人が共同相続人である場合には、登記義務は共同相続人全員に不可分に承継されることから、その全員が申請人とならなければならない(昭27.8.23-74号参照)。【平17-12-イ】

 

<問題29>AがBから一筆の土地の一部を買い受けたが、Bが分筆登記手続及び所有権移転登記手続に協力しない場合、Aは、Bを被告として分筆登記手続及び所有権移転登記手続を命ずる判決を得なければ、単独で所有権移転登記を申請することができない。○か×か?

解答

【解答29】 × 所有権移転登記を命ずる判決を得れば、その判決により認められた登記請求権を保全するために代位により分筆登記の申請が可能なので、AはBに対して分筆登記手続を求める訴えを提起することはできない。【平13-26-ア】

 

<問題30>農地の遺贈者があらかじめ農地法所定の所有権移転の許可を受けていた場合における当該遺贈による所有権移転登記の原因日付は、遺贈者が死亡した日である。○か×か?

解答

【解答30】 ○ 農地を特定遺贈する場合には原則として農地法所定の許可が必要であるが、本問の場合、農地法所定の許可は、遺言者が死亡する前に既に得られているので、遺言者が死亡した時に遺贈による所有権移転の効力が生じることになる(民985条1項)。【昭63-27-4】

 

<問題31>被相続人A名義の土地について、共同相続人BCDのうち、Cがその相続分をBに譲渡した場合、Dは、CからBへの相続分の譲渡があったことを証する書面を添付すれば、単独でBDの共有とする相続による所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答31】 ○ CがBに相続分を譲渡したときには、相続分の譲渡があったことを証する情報を提供して、BD名義で相続登記をすることができる。また、相続登記は保存行為として相続人の1人から申請できる(登研157号)。【平13-12-5】

 

<問題32>被相続人から不動産を買い受けた者は、共同相続人の1人に対する登記手続を命じる確定判決に基づき、単独で所有権移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答32】 × 登記義務者の相続人が登記を申請するときは、相続人全員が申請人とならなければならない(昭27.8.23-74号)ので、相続人全員を被告としなければならない。登記義務者の登記申請義務は相続人全員に不可分に帰属しているからである。【平2-31-イ】

 

<問題33>相続財産である数筆の土地のうちの一定の面積を指定して遺贈する旨の遺言があった場合には、遺言執行者は、土地の分筆の登記の申請をし、さらに、受遺者に対する所有権の移転の登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答33】 ○ 本肢の場合、遺言執行者は、受遺者に対する所有権の移転の登記はもとより、その当然のなすべき行為として、遺贈部分の特定(遺贈義務者がなすべきであった目的物の特定)のために分筆の登記を申請することができる(昭45.5.30-435号、民406条、1015条)。【平20-24-ウ】

 

<問題34>甲土地の所有者Aが死亡し、Aの相続人が子B・Cである事例を前提として、AがDに対して甲土地の持分2分の1を遺贈する旨の公正証書遺言を残していた場合、Dへの遺贈の登記が完了していなくても、B・Cは、相続を原因とする所有権一部移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答34】 × 被相続人と相続人が共有する形になるので、遺贈の登記の前に相続による一部移転登記をすることはできない(登研523号)。【平12-23-ア】

 

<問題35>甲乙に権利を取得させる旨の遺産分割協議書を添付して、甲乙名義に相続登記がなされたが、後にこれを錯誤を登記原因として抹消した場合、新たに甲丙に権利を取得させる旨の遺産分割協議書を添付して、甲丙名義に相続登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答35】 ○ 甲乙に権利を取得させる旨の遺産分割協議書を添付して、甲乙名義に相続登記がなされたが、後にこれを錯誤を登記原因として抹消した場合、新たに甲丙に権利を取得させる旨の遺産分割協議書を添付して、甲丙名義に相続登記を申請することができる(登研428号)。最初になされた相続登記が錯誤を原因として抹消されている以上、その相続登記がなされなかったものとして処理することが可能だからである。【平3-27-1】

 

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