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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■憲法(地方自治)>

<問題1> 地方公共団体が条例により税率や税目を定めることは、許されない。○か×か?

解答

【解答1】 × 税率や税目については、租税法律主義の観点から国会の議決(法律)によって決せられるべきであるのが原則である。しかし、地方公共団体が地方税についての税目や税率などを決定する場合には、国会が制定する法律ではなく、地方公共団体に設置されている地方議会が制定する条例で決定することが認められている。つまり、租税法律主義を定めた憲法84条の「法律」には「条例」も含まれると解されているのである。地方議会は地方公共団体の住民の代表者が集まる機関であるので、その機関が地方税について条例で決定しても財政民主主義、租税法律主義の理念(税などの経済的負担はその負担者が決定する)に反することがないからである。【平18-2-1】

 

<問題2> 憲法第92条にいう「地方自治の本旨」には、一般に、国から独立した団体が自己の事務を自己の機関により自己の責任において処理するという団体自治の原則が含まれると解されている。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 地方自治の本旨(憲92条)には、団体自治と住民自治という2つの意味がある。団体自治とは、国から独立した団体が自己の事務を自己の機関により自己の責任において処理することを意味し、住民自治とは、地域の住民が地域的な行政需要を自己の意思に基づき自己の責任において充足することを意味する。【平22-3-①改】

 

<問題3> 憲法第29条第2項において、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」と規定されていることから、財産権の規制は法律によってのみ可能であり、地方自治体の議会が制定する条例によっては財産権の制限をすることはできない。○か×か?

解答

【解答3】 × 判例は、「ため池の決壊の原因となる使用行為は、財産権の保障のらち外にあり、県の条例によって、ため池の堤とうに竹木や農作物を植え、又は建物その他の工作物を設置する等の行為が禁止され、財産権の行使をほとんど全面的に禁止される結果となっても、憲法29条に違反しない。」としている(最判昭38.6.26)。条例は住民の代表機関である議会の議決によって成立する民主的立法であり、実質的には法律に準じるものであるから、条例による財産権の内容の規制も許されると解されている。

 

<問題4> 地方自治の一般原則として、憲法第92条において「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」と規定されているが、ここにいう「地方自治の本旨」とは、地方自治が住民の意思に基づいて行われるという住民自治のことを指す。○か×か?

解答

【解答4】 × 憲法92条にいう「地方自治の本旨」には、住民自治と団体自治の2つの要素がある。住民自治とは、地方自治が住民の意思に基づいて行われるという民主主義的要素であり、団体自治とは、地方自治が国から独立した団体に委ねられ、団体自らの意思と責任の下でなされるという自由主義的・地方分権的要素である。

 

<問題5> 憲法第94条の条例制定権の根拠について、判例は、条例は、地方自治の本旨に基づき、直接憲法第94条により法律の範囲内において制定する権能を認められた自治立法であるという立場を採っている。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 条例制定権(憲94条)の根拠について、判例は、地方公共団体の制定する条例は、憲法が特に民主主義政治組織の欠くべからざる構成として保障する地方自治の本旨に基づき、直接憲法94条により法律の範囲内において制定する権能を認められた自治立法にほかならないとしている(最判昭37.5.30)。【平22-3-⑤改】

 

<問題6> 地方公共団体の議会は、住民の直接選挙によって選出された議員によって構成される代表機関及び議決機関であることから、国政において国会が国権の最高機関であるのと同様に、最高機関たる地位にある。○か×か?

解答

【解答6】 × 地方公共団体の議会は、住民の直接選挙によって選出された議員によって構成される代表機関及び議決機関である。しかし、地方公共団体の議会は、国政における国会と異なり、執行機関と独立対等の立場にあるとされている。

 

<問題7> 特定の地域の地方公共団体のみに負担を課すような内容の法律を作る場合、衆参両院の議決のほか、その地域の住民に賛成か反対かの投票をさせ、その過半数の賛成を得られなければ、当該法律は成立しない。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない(憲95条)。地方特別法は、国会で法律案が議決された後、住民投票の過半数の同意があった時に法律として確定する。

 

<問題8> 選挙権を有する者によって組織される総会は、議員によって組織される議会よりもいっそう強い程度において住民を代表する機関であるといえるので、町村においては、議会を置かずに、このような総会を設けることができる。○か×か?

解答

【解答8】 ○ 地方自治法94条は、町村において、条例で、議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる旨規定し、町村総会制を認めている。この点、憲法93条1項に反しないかが問題となるが、町村総会は憲法にいう議事機関としての「議会」に当たるので、同条項には反しないと解されている。

 

<問題9> 憲法上の地方公共団体の意義について、判例は、憲法上の地方公共団体であるといえるためには、住民の共同体意識という社会的基盤が存在し、沿革上及び行政上の実態として地方自治の基本的権能を付与された地域団体であることを必要とするという立場を採っている。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 判例は、憲法上の地方公共団体といえるためには、単に法律で地方公共団体として取り扱われているということだけでは足らず、事実上住民が経済的文化的に密接な共同生活を営み、共同体意識をもっているという社会的基盤が存在し、沿革的にみても、また現実の行政の上においても、相当程度の自主立法権、自主行政権、自主財政権等地方自治の基本的権能を付与された地域団体であることを必要とするとしている(最判昭38.3.27)。【平22-3-③改】

 

<問題10> 憲法第93条第2項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味し、在留外国人に対して地方公共団体における選挙権を保障したものということはできないが、在留外国人のうちでも永住者等であって、その居住する地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至った者について、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務に反映させるべく、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する立法措置を講ずることが憲法上保障されているというべきである。○か×か?

解答

【解答10】 × 憲法93条2項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味し、在留外国人に対して地方公共団体における選挙権を保障したものということはできないが、在留外国人のうちでも永住者等であってその居住する地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至った者について、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務に反映させるべく、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する立法措置を講ずることは、憲法上禁止されていない(最判平7.2.28)。したがって、在留外国人の地方公共団体における選挙権は、憲法上保障されているわけではないため、本肢は誤りである。なお、判例は、国会議員の選挙権を有する者を日本国民に限っている公職選挙法の規定は憲法15条、14条に違反しないとして、国政選挙に関しては外国人に選挙権は保障されないとしている(最判平5.2.26)。

 

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