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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■憲法(財政)>

<問題1> パチンコ球遊器を、通達により、従前の取扱いを改め、物品税法上の「球遊器」として課税することを認めることは、法の解釈の変更で非課税とされたものが容易に課税されるものとなり、納税義務の根拠を法に認めた憲法の趣旨が失われることになるから、当該通達課税は違憲であるとするのが判例である。○か×か?

解答

【解答1】 × 判例は、パチンコ球遊器に対する物品税の課税がたまたま通達を機縁として行われたものであっても、通達の内容が法の正しい解釈に合致する以上、それに基づく課税処分は法の根拠に基づく処分と解するに妨げがなく、合憲であるとしている(最判昭33.3.28)。【公務員平12年】

 

<問題2> 内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出し、その審議、議決を経なければならないが、その際、衆議院が先に審議しなければならない。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 憲法86条、60条1項。予算作成権限は内閣にあるが、内閣はそれを国会に提出して国会の審議議決を受けなければならない。予算は税の使い道を決定するものゆえ、納税者の意見を聞く必要があるのである(財政民主主義)。

 

<問題3> 予算は、内閣が作成し、国会に提出するものであって、国会において予算を修正することは、許されない。○か×か?

解答

【解答3】 × 国会は内閣が作成した予算を審議・議決するが、その際に内閣提出の予算を修正することは可能であると解釈されている。内閣の予算発案権を害さない程度の修正であるのなら、財政民主主義の理念に合致するからである。【平18-2-3】

 

<問題4> 国の収入支出の決算は、すべて毎年内閣がこれを検査して会計検査院に提出しなければならない。○か×か?

解答

【解答4】 × 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない(憲90条1項)。つまり、決算を検査するのは内閣ではなく会計検査院である点に注意。

 

<問題5> 文化財の管理や修理のための補助金の支出であっても、その支出がその文化財の所有者である宗教団体に対してなされた場合は、宗教活動への支出に該当するので憲法第89条前段違反となる。○か×か?

解答

【解答5】 × 憲法89条前段では、公金その他の公の財産は、宗教上の組織・団体に支出・供用してはならないと規定している。これは、政教分離を財政面から保障したものである。したがって、宗教法人に対して公金による補助を与える行為は憲法89条前段に反することとなる。一方、一見すると宗教団体への公金の支出のようにみえるが、例えば、文化財の管理や修理のための補助金の支出が、その文化財の所有者である宗教団体に対してなされた場合は、宗教活動への支出とはいえないため、憲法89条前段に反しないと解されている。

 

<問題6> 予備費の設置については国会の承諾が必要だが、予備費の支出については国会の承諾は不要である。○か×か?

解答

【解答6】 × 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる(憲87条1項)。よって、問題文前段は正しい。しかし、すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない(憲87条2項)。よって、予備費の支出につき国会の承諾不要としている後段が誤っている。

 

<問題7> 憲法第89条において公の財産の支出や利用提供が禁止されている「宗教上の組織若しくは団体」とは、特定の宗教の信仰、礼拝又は普及等の宗教的活動を行うことを目的とする組織や団体には限られず、宗教と何らかのかかわり合いのある行為を行っているすべての組織や団体を指す。○か×か?

解答

【解答7】 × 箕面忠魂碑事件において判例は、憲法89条にいう「宗教上の組織若しくは団体」とは、宗教と何らかのかかわり合いのある行為を行っている組織ないし団体のすべてを意味するものではなく、特定の宗教の信仰、礼拝又は普及等の宗教的活動を行うことを本来の目的とする組織ないし団体を指すものと解するのが相当であるとしている(最判平5.2.16)。【平22-2-エ】

 

<問題8> 租税法律主義とは、租税の賦課及び徴収は、必ず国会の議決する法律に基づかなければならないという原則のことをいう。○か×か?

解答

【解答8】 ○ あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする(憲84条)。これを租税法律主義という。

 

<問題9> 決算は、会計検査院が検査して、内閣が国会に提出するものであって、国会における審査の結果は、既にされた支出行為の効力に影響しない。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 決算は会計検査院が検査する。そして、内閣は次の年度にその検査報告とともにこれを国会に提出して(憲90条1項)、その審議・議決を経ることになるが、その議決は既になされた支出行為に影響しないと解釈されている。【平18-2-5】

 

<問題10> 財政民主主義とは、国の財政を処理する権限は国民の代表機関である国会の議決に基づいて行使しなければならないという財政の基本原理のことをいう。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない(憲83条)。これを財政民主主義という。財政は本来行政作用であるが、国家の財政活動は国民の権利義務に重大な影響を及ぼすことから、国会の民主的コントロールの下に置くことを明らかにしている。

 

<問題11> 地方公共団体が条例により税率や税目を定めることは、許されない。○か×か?

解答

【解答11】 × 税率や税目については、租税法律主義の観点から国会の議決(法律)によって決せられるべきであるのが原則である。しかし、地方公共団体が地方税についての税目や税率などを決定する場合には、国会が制定する法律ではなく、地方公共団体に設置されている地方議会が制定する条例で決定することが認められている。つまり、租税法律主義を定めた憲法84条の「法律」には「条例」も含まれると解されているのである。地方議会は地方公共団体の住民の代表者が集まる機関であるので、その機関が地方税について条例で決定しても財政民主主義、租税法律主義の理念(税などの経済的負担はその負担者が決定する)に反することがないからである。【平18-2-1】

 

<問題12> 公の支配に属しない慈善、教育博愛の事業への公金の支出を禁じた憲法第89条後段の趣旨を私的事業者の自主性を尊重するための規定であると捉えると、「公の支配」とは、国が私的事業者の自主性を失わせるような監督・支配を事業者に対して行っているような状況を意味する。○か×か?

解答

【解答12】 ○ この立場を前提にすると、国が行っている私学助成は、憲法89条に違反することになる。なぜなら、現在の国の私学に対するかかわりかたは、私学の自主性を損なうほど強く監督をしていないので、私学は公の支配に属しない団体と評価できるからである。なお、憲法89条後段の趣旨を公費の無駄遣いを防止するための規定であると捉えると、「公の支配」とは、公費が無駄遣いされているか否かチェックできる程度に国が私的事業者にかかわっているような状況であれば足りるとしている。そして、この立場を前提にすると私学助成は、憲法89条に反しないことになる。なぜなら、現在の国は、私学への支出が無駄遣いになっているかをチェックできる程度のかかわりはもっているので、私学は「公の支配」に属する団体であると評価できるからである。

 

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