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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■憲法(受益権・参政権)>

<問題1> 憲法第32条は、国民に対し、裁判所以外の機関によって裁判を受けることはないことを保障しているほか、訴訟法で定める管轄権を有する具体的裁判所において裁判を受ける権利をも保障しているとするのが判例である。○か×か?

解答

【解答1】 × 憲法32条にいう「裁判所」とは、憲法76条1項の最高裁判所と下級裁判所を指し、これらの裁判所以外の機関によって裁判されることのない旨を保障するが、管轄権を有する具体的裁判所において裁判を受ける権利まで保障するものではない。したがって、管轄違いの裁判所による裁判は、違法ではあるが、違憲とはいえない(最判昭24.3.23)。【公務員平15年】

 

<問題2> 公務員を選定、罷免することを国民の権利として保障する憲法第15条第1項は、被選挙権については明記していないが、選挙権の自由な行使と表裏の関係にある立候補の自由についても、同条同項によって基本的人権としての保障が及ぶ。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 判例は、「被選挙権、特に立候補の自由は選挙権の自由な行使と表裏の関係にある」として立候補の自由は憲法15条1項で保障される点を判示している(最判昭43.12.4)。【平21-2-オ】

 

<問題3> 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその賠償を求めることができる。○か×か?

解答

【解答3】 × 憲法40条。刑事補償に関する規定である。「抑留又は拘禁」が公務員の不法行為によって行われたわけではないため、賠償にあたらない。あくまでも「補償」である。【行書平15-5-5】

 

<問題4> 選挙権は、国民主権に直結する極めて重要な憲法上の権利であるから、例えば、当選を得る目的で選挙人に対し金銭などを供与するなど一定の選挙犯罪を犯した者について法律の規定により選挙権や被選挙権を制限することは違憲である。○か×か?

解答

【解答4】 × 選挙の公正は非常に重要な利益であるから、一定の選挙犯罪を犯した者に一定期間参政権を制限することは相当であるというのが裁判所の立場である(最判昭30.2.9)。【平21-2-ア】

 

<問題5> 請願を受けた国家機関は、当該請願の内容を実現する義務を負う。○か×か?

解答

【解答5】 × 請願権は、単に希望を述べ、その希望の受理を要求できるだけであって、内容実現の追求権は含まれない。【公務員平16年】

 

<問題6> 国又は公共団体は、国会又は議会の立法行為に関して、当該立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず、国会又は議会があえて当該立法を行ったとしても、憲法第17条に規定される賠償責任を負うことはない。○か×か?

解答

【解答6】 × 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる(憲17条)。そして、判例は、国会議員の立法行為に関して、当該立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず、あえて当該立法を行うというように、容易に想定しがたいような例外的な場合でない限り、国家賠償法の適用上、違法の評価を受けるものではないとしている(在宅投票制度廃止事件、最判昭60.11.21)。よって、上記のような場合に該当するのであれば、国・公共団体に責任が発生すると考えることができる。【公務員平14年】

 

<問題7> 日本人だけでなく、外国人であっても請願権の享有主体となることができる。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない(憲16条)。請願権は、外国人、未成年者、法人その他の団体についても認められる。【公務員平16年】

 

<問題8> 戸別訪問は国民の日常的な政治活動として最も簡便で有効なもので、表現の自由の保障が強く及ぶ表現形態であり、買収等がされる弊害が考えられるとしてもそれは間接的なものであって戸別訪問自体が悪性を有するものではなく、それらの弊害を防止する手段が他にも認められるから、選挙に関し、いわゆる戸別訪問を一律に禁止することは違憲である。○か×か?

解答

【解答8】 × 選挙運動の1つである戸別訪問を一律禁止している公職選挙法の規定は憲法21条に違反するかが問題となった事件で、裁判所は、「戸別訪問の禁止は、意見表明そのものの制約を目的とするものではなく、意見表明の手段方法のもたらす弊害を防止し、もって選挙の自由と公正を確保することを目的としている」点を根拠の1つとして、戸別訪問一律禁止を憲法に違反しないとの判断を下した(最判昭56.6.15)。【平21-2-エ】

 

<問題9> 家事審判法に基づく夫婦同居の審判は、夫婦同居の義務等の実体的権利義務自体を確定する趣旨のものではなく、これら実体的権利義務の存することを前提として、同居の時期、場所、態様等について具体的内容を定め、また必要に応じてこれに基づき給付を命ずる処分であると解されるから、公開法廷で行わなくても憲法第32条に違反しない。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 夫婦の同居義務は法律上の権利義務であるので、かかる権利義務自体を終局的に確定するには公開の法廷における対審・判決による必要がある。しかし、家事審判法上の同居を命じる審判手続は、夫の同居の義務等の実体的権利義務自体を確定する趣旨のものではなく、これら実体的権利義務の存することを前提にして、例えば夫の同居の時期、場所、態様等について具体的内容を定める処分である。そして、家事審判法の審判には形成的効力があるため、それ自体は争えないが、その前提たる同居義務自体については公開法廷における対審・判決を求める途が残されている。以上より、夫婦の同居を命じる審判に関する家事審判法の規定は憲法32条、82条に違反しない(最決昭40.6.30)。【平20-2-エ改】

 

<問題10> 参議院地方選出議員についての選挙の仕組みには、事実上都道府県代表的な意義又は機能を有する要素が加味されており、このような選挙制度の仕組みの下では、選挙区間における選挙人の投票の価値の平等は、人口比例主義を基本とする選挙制度の場合と比較してより強く保障されなければならない。○か×か?

解答

【解答10】 × 参議院にはかつては衆議院とは異なり地域代表的な役割も期待されていたことから、衆議院の場合よりも参議院の場合の方が憲法14条違反になる選挙区間の投票価値の不平等の割合が甘い。具体的には衆議院は3倍くらいの格差が合憲違憲の分かれ目であるのに対し、参議院は6倍くらいの格差が合憲違憲の分かれ目となっている(最判昭58.4.27)。【平21-2-ウ】

 

<問題11> 国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民である在外国民についても、憲法によって選挙権が保障されており、国は、選挙の公正の確保に留意しつつ、その選挙権の行使を現実的に可能にするために、所要の措置を執るべき責務を負うが、選挙の公正を確保しつつそのような措置を執ることが事実上不能又は著しく困難であると認められる場合には、在外国民が選挙権を行使することができないこととなっても違憲とはいえない。○か×か?

解答

【解答11】 ○ 在外日本国民の参政権について制限をしてきた立法が憲法15条に違反する等が問題となった事件で裁判所は、選挙権行使を制限するには「やむを得ないと認められる事由」が必要であるところ、本件では右事情はなかったとして、本件参政権制限規定は憲法15条1項違反になるとしている(最判平17.9.14)。ということは、在外日本国民の選挙権を制限したことについて「やむを得ないと認められる事由」があれば、違憲とはならないことになる。選択肢記述中、『選挙の公正を確保しつつそのような措置を執ることが事実上不能又は著しく困難であると認められる場合には、・・・違憲とはいえない』との部分は要するに在外日本国民に参政権を制限したことについてやむを得ない事由があった場合には違憲とはならないとしているのである。【平21-2-イ】

 

<問題12> 憲法第37条の国選弁護人を依頼する権利について、同条は、被告人に対して弁護人の選任を請求し得る旨を告知すべき義務を裁判所に負わせているものではないとするのが判例である。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 判例のとおりであり、正しい。憲法37条の国選弁護人を依頼する権利については、国に対して弁護人の選任を請求する者に対して弁護人を付すれば足り、また、同条は被告人に対し弁護人の選任を請求し得る旨を告知すべき義務を裁判所に負わせているものではないとするのが判例である(最判昭24.11.2)。【公務員平15年】

 

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