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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■憲法(基本的人権総論)>

<問題1> 「生活保護法の定める保護基準が不当に低い場合には、生存権を侵害する。」という場合、「生存権」は、国家に対し一定の作為を要求できるという国務請求権ないし社会権としての性格を有するものとして用いられている。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 生活保護法の定める保護基準が不当に低いのは生存権を侵害するという場合の「生存権」は、生活保護基準を上げることを国に対して請求する場面で問題となっている。つまり、本肢では国家権力に対する給付請求が問題となっているので、ここでいう「生存権」は社会権・国務請求権としての性格を有するものとして用いられている。【平18-3-ア改】

 

<問題2> 「知る権利が具体的請求権となるためには、これを具体化する情報公開法等の法律の制定が必要である。」という場合、「知る権利」は、その行使を妨げる国家の行為の排除を要求できるという自由権としての性格を有するものとして用いられている。○か×か?

解答

【解答2】 × 知る権利には自由権としての意味と社会権・国務請求権としての意味とがあると解釈されている。自由権としての知る権利とは、国家権力によって国民が情報の受領を妨げられることはないという意味で使われる。憲法21条1項で保障されているものである。一方、社会権・国務請求権としての知る権利とは、国民が国に対して国家が保有している情報の開示を請求していくという意味で使われる。本肢では国家権力に対する情報公開請求が問題となっているので、ここでいう「知る権利」は社会権・国務請求権としての性格を有するものとして用いられている。【平18-3-イ改】

 

<問題3> 「全国一斉学力テストの実施は、教師の教育の自由を侵害するものではない。」という場合、「教育の自由」は、国家に対し一定の作為を要求できるという国務請求権ないし社会権としての性格を有するものとして用いられている。○か×か?

解答

【解答3】 × 全国一斉学力テストの実施が教師の教育の自由を侵害するかという場合の「教育の自由」は、国家権力による国民の自由に対する侵害という場面で問題となっている。つまり、本肢では国家権力による教師の教育の自由に対する妨害が問題となっているので、ここでいう「教育の自由」は自由権としての性格を有するものとして用いられている。【平18-3-ウ改】

 

<問題4> 「わいせつ物頒布罪を定める刑法第175条は、性的秩序を守り、最小限度の性道徳を維持するという公共の福祉のための制限であり、表現の自由の保障に反しない。」という場合、「表現の自由」は、その行使を妨げる国家の行為の排除を要求できるという自由権としての性格を有するものとして用いられている。○か×か?

解答

【解答4】 ○ わいせつ物の頒布を犯罪として規制している刑法の規定が表現の自由を侵害するかという場合の「表現の自由」は、国家権力による国民の自由に対する侵害という場面で問題となっている。つまり、本肢では国家権力による表現活動への妨害が問題となっているので、ここでいう「表現の自由」は自由権としての性格を有するものとして用いられている。【平18-3-エ改】

 

<問題5> 国民主権の観点から、外国人には国政の参政権は一切認められないが、地方参政権であれば住民自治の観点から一定の範囲で憲法上保障されているというのが判例の立場である。○か×か?

解答

【解答5】 × 国政に関する参政権については国民主権の観点から外国人に保障されることはない。そして、地方参政権も憲法上外国人には保障されていないというのが判例の立場である。なお、法律で地方参政権を定住外国人に与えることを憲法は禁止していないという点に注意すること(最判平7.2.28)。

 

<問題6> 「労働組合法が不当労働行為について規定し、労働委員会による救済を定めていることは、労働基本権の保障に沿うものである。」という場合、「労働基本権」は、国家に対し一定の作為を要求できるという国務請求権ないし社会権としての性格を有するものとして用いられている。○か×か?

解答

【解答6】 ○ 労働組合法が不当労働行為に対して規定をし、労働委員会による救済を定めているのは労働基本権の保障に沿うものであるという場合の「労働基本権」は、国家権力に対して国民が救済を求めるという場面で問題となっているものである。つまり、本肢では、国家権力に対する国民の労働基本権に基づく救済の求めが問題となっているので、ここでいう「労働基本権」は社会権・国務請求権としての性格を有するものとして用いられている。【平18-3-オ改】

 

<問題7> 外国人に入国の自由が認められるかどうかについて、判例は、憲法第22条第1項は、外国人が我が国に入国することについては何ら規定をしておらず、国際慣習法上も、国家は外国人を受け入れる義務を負うものではないという立場をとっている。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 判例は、外国人に国際慣習上の理由などによって入国の自由は認めていない(最判昭32.6.19)。【平21-1-④改】

 

<問題8> 外国人について、その在留期間中に政治活動をしたことを考慮して、在留期間の更新を拒絶したとしても、憲法に違反しない。○か×か?

解答

【解答8】 ○ 外国人が日本で在留する権利と在留期間の更新を求める権利はどちらも憲法で保障されている権利ではない。そして、外国人に政治活動の自由が憲法上保障されているとしてもそれはあくまで、在留制度の枠内で保障されているにすぎない。よって、法務大臣が在留期間中に外国人が政治活動をしたことを考慮して、その外国人の在留期間の更新請求を拒絶したとしても、法務大臣の裁量を逸脱した違憲、違法なものとはいえない(マクリーン事件 最判昭53.10.4)。【平15-1-1】

 

<問題9> 東京都の管理職試験の受験資格について外国人を日本人と同じに扱わないのは、不合理な差別に当たらないので、憲法第14条に違反しないというのが判例の立場である。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 本件は外国人の公務就任権が問題となった事件である。東京都において外国人に管理職試験の受験資格がない点が憲法14条に違反するかが争われた事件で最高裁は、「都の管理職には①統治作用に係る職と、②専門的技術的な分野においてスタッフとして従事する職(つまり統治作用にかかわる程度の弱い職)とがあるところ、都の管理職試験に合格すると②を経て①の職に昇任していくというふうに①と②とが一体として運用されている点に着目して、①の職務が許されない外国人に対して当該試験を受験させない制度は14条に違反しない」との判断を下した(最判平17.1.26)。

 

<問題10> 憲法上、我が国に在留する外国人に地方公共団体の参政権が保障されているかについて、判例は、憲法は、国民主権の原理を採用している以上、憲法第93条第2項が我が国に在留する外国人に対して地方公共団体の参政権を保障したものとはいえないという立場をとっている。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 判例は、外国人の地方参政権については国民主権の観点から憲法上の権利ではないとの判断を下している(最判平7.2.28)。【平21-1-⑤改】

 

<問題11> 入国の自由は外国人に憲法上保障されていないが、再入国の自由についてはその外国人の在留期間中である場合に限って憲法上保障されているというのが判例の立場である。○か×か?

解答

【解答11】 × 入国の自由も再入国の自由も憲法上外国人に保障されていない(最判昭53.10.4)。なお、在留期間の更新を求める権利も憲法上外国人に保障されていない点に注意すること(最判昭53.10.4)。

 

<問題12> 指紋押捺を強制されない自由は外国人には保障されないというのが判例の立場である。○か×か?

解答

【解答12】 × 旧外国人登録法で外国人に対して指紋押捺義務を課していた旧外国人登録法の規定が憲法13条に違反するかが争われた事件で裁判所は、①外国人にも指紋押捺を強制されない自由がある、②①の自由も公共の福祉の観点から制約を受ける、③外国人に対する指紋押捺制度は公共の福祉の範囲内の人権に対する制約である、として、憲法13条に違反しないとの判断を下した(最判平7.12.15)。

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